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クイック解説
見た目から言えば、この時計はトゥールビヨンを搭載したホワイトゴールド製のドレスウォッチである。近年、この種の時計は以前のように騒がれることがなくなったが、よく見ると、非常に面白く革新的なコンプリケーションであることが分かる。
約2年前にローズゴールドケースで登場したヘリテージ トゥールビヨン ダブルペリフェラルの特徴は、12時位置の開口部に浮かんでいるような、外付けの歯車で制御されたトゥールビヨンだけではない。ペリフェラルの巻き上げ機構もスペシャルな点のひとつだ。このシステムは、視覚的な楽しみを生み出すために、ホワイトゴールド製の裏蓋にムーブメントのブリッジが大きく開けられている。また、ブヘラはルツェルンの街のシンボルであるカペル橋を、エングレービングという形で、とても上手に時計のデザインに取り込んだ。カペル橋はヨーロッパ最古の屋根付き木造橋で、ブヘラが設立された町の象徴だ。
もちろん、カール F. ブヘラだけが、自動巻き時計にペリフェラル 巻き上げシステムを採用したわけではないし、このタイプのメカニズムをトゥールビヨンと組み合わせた唯一の時計メーカーでもない。しかし、2008年に、ペリフェラルローターを採用した自社製キャリバーのCFB A1000を発表して以来、ペリフェラル巻き上げ機構で知られるようになった。
ブヘラは2年前に、巻き上げ機構とトゥールビヨンを組み合わせた、マネロ トゥールビヨン ダブル ペリフェラルを発表した。だが、これは同じムーブメントを使った、限定版ではないバージョンであった。精巧なエングレービングはなく、コート・ド・ジュネーブのかなりシンプルな仕上げだった。今回のムーブメントは、シリコン製のアンクルとガンギ車が採用されていて、摩擦や潤滑の必要性を減らし、耐磁性をもつという利点ある。また、トゥールビヨン上の針で簡単に秒を読み取ることができ、C.O.S.C.規格のクロノメーターでもある。
ファースト・インプレッション
この時計は、時計工学とエングレービングの芸術が見事に融合したものだ。外周を回るローターと内周に沿った歯車によって動く珍しいタイプのトゥールビヨンを搭載しており、故に、「ダブル」ペリフェラルと呼ばれているのだ。ブヘラは、リアブリッジの1本1本に、職人技を2週間費やす必要があると言っているが、実際に見ればそれは疑いようがないと思う。有名なカペル橋の緻密なアートワークは、数年前のローズゴールドのバージョンで、既に見た人もいるだろうが、もう一度見る価値は十分にある。
カール F. ブヘラの時計は、小売業者の社内プロジェクトとしてスタートしたが(同社が、最も重要な小売業者のひとつであることも留意するべき)、時計製造部門は、大きな構想をもち、問題解決に大きな投資を恐れずしてきたことで、ペリフェラルワインディングなど、既存の確立した時計業者を脅かすようなコンプリケーションを発表してきたのだ。
基本情報
ブランド: カール F.ブヘラ (Carl F. Bucherer)
モデル名: ヘリテージ トゥールビヨン ダブルペリフェラル (The Heritage Tourbillon Double Peripheral)
型番: 00.10802.02.13.01
直径: 42.5mm
厚さ: 11.9mm
ケース素材: ホワイトゴールド
文字盤色: シルバー、サンバースト仕上げ(外周のリング部分は線条加工)
インデックス:ホワイトゴールドメッキのアプライドインデックス
夜光:無し
防水性能: 3気圧
ストラップ/ブレスレット:ダークブラウンのルイジアナアリゲーターレザー、手縫い、18K ホワイトゴールド製穴留式のフォールディングクラスプ
ムーブメント情報
キャリバー: CFB T3000 (自社製)
機能: 時、分、ハック機能が付いていてトゥールビヨン上に配置された秒針、トゥールビヨン
直径:36.5mm
厚さ: 4.6mm
パワーリザーブ: 65時間
巻き上げ方式: ペリフェラルローターの自動巻き
振動数:: 2万1600振動/時
石数:33
クロノメーター認定:C.O.S.C.認定
価格・発売時期
価格:日本価格が判明次第アップデート
限定:88本限定
発売時期:未定
詳細は、カール F.ブヘラ公式サイトへ。
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