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A Week On The Wrist カルティエ タンク アメリカンを1週間レビュー

タンク誕生100年の節目に原点に立ち返る。


※本記事は2017年11月に執筆された本国版の翻訳です。 

アニバーサリーウォッチというジャンルは捉え難いものです。現代の時計メーカーは、"5 "や "0 "の節目の年を口実に、有名なモデル(時にはそれほど有名ではないものも)の装飾を施したバージョンを作り、需要や希少性を広告で煽る傾向があります。僕はこの類の時計を実際に見ると冷めてしまい、興味深く魅力的な歴史が他にあったとしても、それが台無しにされると、残念に思うことがよくあります。

 それだけに2017年1月、カルティエ タンク100周年を記念したウォッチコレクションのリリースが発表されたときの僕の心配は、想像できるでしょう。これは45周年のような中途半端なものでもなければ、「どこかで聞いたことがあるかも」という時計でもありません。時計絡みの賭けとしては、かなりリスクが高いと感じました。タンクは、史上最もアイコニック(軽々しく使っていい言葉ではないですよね)な時計のひとつなのです。また、タンクが100周年を迎えるということは、腕時計の歴史のなかでも特に興味深く、重要なイベントであると言っても過言ではないのです。

 だから、僕は待ちました。そして、2017年9月1日の発表を迎えたのです。100周年記念モデルには、ダイヤモンドをあしらったものや、カーブしたスケルトンのムーブメントを搭載したものなどがありました。しかし、僕が最も注目したのは、最も控えめであろうステンレススティール製のタンク アメリカンでした。果たしてこのモデルは僕が期待していた、さりげないアニバーサリーウォッチになるでしょうか? 歴史を感じさせながらも、時計自体は上質さを感じさせるものだろうか? また、タンクが100歳を迎えたという背景を差し引いたとしても、僕が欲しいと思えるような時計だろうか? 発表から数週間後、僕は自分の腕にこのモデルを装着し、自分の疑問をすべて解決することができました。

 その前に、タンクの歴史を振り返ってみましょう。

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カーブしたケースを持つタンクの歴史

1920年に発表された、最初期のカルティエ タンク。

 タンクは1917年に発表されたモデルで、今年はその100周年にあたります。初代モデルは、従兄弟のサントスのような正方形に近いレクタンギュラーの時計で、ローマ数字のダイヤルの両側に大きなレール(フランス語で「担架」を意味するブランカードと呼ばれることも)が支える、当時は他に類を見ないデザインでした。カルティエはすぐにタンクの改良を始め、異なるケース形状、ダイヤルバリエーション、歴史を持つさまざまなタンクウォッチを作りました。

ドラマチックなカーブを描くケースが特徴の1924年製“タンク サントレ”。(写真:フランコ・コロニ著『Cartier The Tank Watch』より)

 タンクの歴史に大きな転機は1921年、タンク “サントレ(フランス語で「カーブした」を意味する)”が発表されたときに訪れました。タンクがカーブしたケースを採用したのは初めてのことで、以来この特徴がモデルを象徴するようになりました。その当時、腕時計という概念はまだ新しく、物議を醸したものであり、ラウンド型以外の腕時計は一層珍しかったので、そこにケースの湾曲した長方形の腕時計が放り込まれたらどうでしょうか? 現代ではエレガントでトラディショナルに映るものが、当時は革新的なデザインだったのです。

タンク サントレ初期のデザインスケッチ。(写真:フランコ・コロニ著『Cartier :The Tank Watch』)

 サントレは、カーブしたケースを採用しただけでなく、新しいタイプのダイヤルも備えていました。ケースのカーブに合わせてチャプターリングの端がカーブしており、ダイヤルには余白が多く残されていたため、ローマ数字が際立ち、ケースとエッジが目を惹きました。

テーマのバリエーション

タンクは基本的には長方形ケースの時計ですが、最初にタンクと聞いて頭に浮かぶのは、その基本的な形ではないかもしれません。ケースが回転するもの、アシンメトリーなもの、ジャンプアワー表示を採用したものなど、さまざまなタンクがあります。フランコ・コロニ氏の著書『Cartier: The Tank Watch』をご覧ください。

 だからと言って、サントレが発売初日から大ヒットしたというわけでも、苦境に立たされたことがないというわけではありませんでした。実は、1920年代初頭に爆発的な人気を誇ったサントレは、1930年代初頭になるとラインナップから完全に姿を消しました。フランコ・コロニ氏の著書『Cartier The Tank Watch: Timeless Style』によると、当時は“1925年的過ぎると思われた”のだそうです。幸運なことに、カルティエ ニューヨークが1933年にアラビア数字を採用したアメリカ市場向けの“カーブド タンク”を発表しました。やがてサントレはヨーロッパで復活し、よりクラシックなダイヤルスタイルとわずかに幅広のケース形状を取り戻しました。

 ここで少し歴史を紐解いてみましょう。20世紀半ばにカルティエとタンクにさまざまなことが起こりましたが、この記事を書いている僕の横の山積みの本を見れば、タンクのすべてのバリエーションやちょっとした小話を網羅的に紹介しようとしても、それは無理な話だということを悟るでしょう。そこで、時を進めて1989年のタンク アメリカンの登場から始めましょう。

正面から見ると、タンク アメリカンはサントレによく似ている(写真:フランコ・コロニ著『Cartier :The Tank Watch』より)。

横から見ると、外観が少し異なることがわかる(写真:フランコ・コロニ著『Cartier :The Tank Watch』より)。

 タンク アメリカンは、当初イエローゴールドのみで作られていましたが、時計のトレンドの変化に対応したものでした。1980年代後半から1990年代前半にかけて、すでに時計の大型化時代が始まっていたので、カルティエは、より大きな時計を探している人向けにタンクを選んでもらえるような、もう少し存在感の強いモデルを生み出そうとしていました。このモデルは、カーブしたケースやカーブしたチャプターリングなど、明らかにかつてのサントレにインスパイアされたものでしたが、いくつもの点で異なっていました。重要な違いのひとつは、ケースの裏側が、サントレのように急激にカーブしたケースバックではなく、フラットな(あるいはフラットに近い)ケースバックになっていたことです。その結果、技術的には製造し易くなったのにも関わらず、ぱっと見はカーブしているように見える時計になりました。

現代ではエレガントでトラディショナルに映るものが、当時は革新的なデザインだったのです

 以来、タンク アメリカンはさまざまなバージョンが作られ、デイト機能やクロノグラフなどの複雑機構を搭載したモデルも登場しました。ホワイトゴールドのモデルが登場したのは、ブレスレットのオプションが追加された1995年のことでした。

新しいスティール製のタンク アメリカンは、この1929年のプラチナ製のサントレによく似ている。

 サントレに限らず、歴代のタンクのなかで最もコレクターが多く、魅力的なのはホワイトメタルカラーのモデルです。これらのモデルは非常に希少で、多くはプラチナ製で一桁台の数しか存在しません。だからこそ、タンクの100周年を記念して、カルティエが重要なモデルをホワイトメタルカラーで表現するのはふさわしいことだと思います。最古のタンクからインスピレーションを得た、最もモダンなシルエットのタンク アメリカンをスティール製にすることで、別次元の領域に到達することができたのです。


SSケースのタンク アメリカン

 さて、これが話題の初のSS製タンク アメリカンです。価格も61万6000円(税込)と、より手の届きやすい価格に。これまでタンク アメリカンは貴金属のみで作られていたため、価格も高く、普段使いの時計としては使えませんでした。新しいスティールモデルには3つのサイズが展開され、SM(スモール)サイズにはクォーツムーブメント、MM(ミディアム)とLM(ラージ)サイズには自動巻きムーブメントが搭載されています。僕は、自分の手首のサイズに一番合っているMMサイズをレビューすることにしました。ここに書かれていることは、ほとんど全てラージサイズにも当てはまりますが、プロポーションが少し異なります。ラージモデルは少し幅が広く、僕の目には、オリジナルのタンク アメリカンのプロポーションに近いにもかかわらず、細長いミディアムモデルほどエレガントに感じませんでした(ミディアムは、よりサントレに近いです)。しかし、これもまた個人的な好みの問題です。技術的にも構造的にも、この2つのモデルは同じなのです。

ケース

 他の時計と同様、ここではケースが非常に重要な要素です。しかし、他の時計と比べても、ケースはこの時計の最大の特徴であり、最も魅力的なセールスポイントでもあります。まず、SS製であること。サイズは、MMサイズが41.6mm×22.6mm、SMサイズが34.8mm×19mm(48万9500円・税込)、LMサイズが45.1mm×26.6mm(69万8500円・税込)となっています。その結果、男性にも女性にも合う時計になりました。ヴィンテージのサイズ感を踏襲していますが、華奢な印象は感じさせません。

 また、地味になりがちなデザインに、カルティエは見事にアクセントを加えています。サテン仕上げの側面とポリッシュ仕上げのレールは、エッジに明瞭なコントラストを与え、時計をよりパンチの効いた、はっきりとしたものにしています。仕上げが単調だと、はっきりとしない、もしくは言葉は悪いですが、ぼんやりした印象になってしまっていたでしょう。本作のケースは非常に構造的で、ケースの交差する部分が魅力のポイントになっています。

 次に、時計を側面から見てみましょう。曲線の美しさとバランスのよさを実感していただけると思います。リューズには、ブルースピネルが幾何学形状なメタルにセットされており、カルティエらしいデザインとなっています。しかし、ここではサファイアではなく、合成スピネルのカボションが使われていることに注目です。この時計の定価と、本物のサファイアを使用した場合の価格を考えると、この判断には全く異論がありません。もしこの時計がプラチナだったら、また違った話になっていたかもしれませんが、カルティエはここで妥当な判断を下したと思います。

 サントレのデザイン上の特徴のひとつは、伝統的に湾曲したケースバックであり、それによって三日月形のシェイプを持つ時計となっています。しかし、アメリカンはそうではありません。ここを見ると、ケースの湾曲したフロント部分は、平らなケースバックに着地しますが、側面は湾曲しており、ケース本体に合わせて隆起しています。自動巻きムーブメントを収めるため、ケースバックには厚みがそれなりにありますが、この点は腕に着けたときよりもテーブルの上に置いてようやくわかる程度です。

 全体の厚さは、中央の最も厚い部分で9.5mmです。この時計は、超薄型やヴィンテージのサントレのようには着用できませんが、サイズに見合った比較的スリムな外観を備えています。最後に、おそらくこの時計をダイビングに持っていくことはないでしょうが(多くの理由からそうすべきではありません)、タンク アメリカンは3気圧(約30m)の防水性を備えています。

ダイヤル

 ベーシックなフォルムの奥には、サンバースト仕上げの鮮やかなダイヤルが控えています。期待された全てがそこに完全に残されています‐放射状に配置されたブラックのローマ数字、数字の7に隠された“Cartier”のサイン、上下にカーブしたチャプターリングなど。また、伝統的な2針ではなく、3本めのブルースティール針がついていることにも気づくでしょう。これは、自動巻きムーブメントを搭載していることを示す、ランニングセコンド(秒針)です。

 もうひとつの特徴は、ダイヤルの仕上げです。中央にはギヨシェ彫りはなく、外周にもコントラストは付けられていません。シルバー地にサンレイ仕上げが施されているだけなのです。美しいギヨシェが僕は大好きですが、このような時計ではこのようなすっきりとした仕上げの方がよいと思いました。古臭さを感じさせず、表面が均一であるため、大胆なブラックプリントが際立ち、ブルーの針もはっきりと読み取ることができるのです。

ムーブメント

 前述したように、この時計は自動巻きです。このことに複雑な感情が湧きます。もっとも、この時計がクォーツでないこと(最小サイズを除く)には感激しました。カルティエにとっては実に簡単なことだったでしょうし、正直なところ、この時計を見る顧客のほとんどは気付きもしなければ、気にも留めないでしょう。しかし、僕はこの時計が手巻き式であってほしかったのです。1日か2日に一度、この時計を外して丁寧に巻いてあげるのが実に魅力的なのです。だって、考えるだけでワクワクするでしょう?

 最終的には、自動巻きムーブメントが採用されたことを評価したいと思います。カルティエはムーブメントの詳細を明らかにしていませんが、ケースの大きさから比較的小型のものであることがわかります。自動巻きで中央に秒針があるということ以外は、読者の皆さんと同様分かりません。

更新:カルティエ公式情報ではありませんが、確かな筋によると、この不明ムーブメントはETA2671だそうです。これは直径17.2mmの自動巻きで、25石、38時間のパワーリザーブを備えています。派手さはありませんが、小型で信頼性が高く、このような時計には最適なムーブメントです。

ストラップとバックル

 この時計のストラップとバックルは、ちょっと風変わりです。最初に時計を手に取ったとき、ストラップの両側に穴が全くないことに気づくでしょう。リッチブルーのアリゲーターレザーは、2本とも形状が同じなのです。それぞれセミマット仕上げで、先端が尖っています。ストラップには、おなじみのカルティエのロゴをかたどったスティール製のフォールディングバックルが付いています。僕は同僚に、一体どうやってこれを自分の腕に着けたらいいのか聞いてしまいました(カーラ、ありがとう!)。

 基本的には、ストラップの両サイドをバックルの2つの穴に通し、ループ状に折り返してロックして着用します。これにより、両側から無段階に調整できるので、自分に合ったフィット感を得ることができるのです。最初にタンクを箱から取り出したときは、この独特の着脱システムに不安を感じましたが、詳しくは後ほどご紹介します(ネタバレ注意:素晴らしいです)。


ア・ウィーク・オン・ザ・リスト

 驚くようなことではありませんが、僕はタンク アメリカンを手首に装着した瞬間、すぐに虜になってしまいました。100年前から変わらないデザインというのはあまりないと思いますが、タンクを腕に着けて、古臭くて醜いと言う人と会ってみたいものです。確かに好みは分かれるかもしれませんが、どれだけ客観的に見ても、タンクは優れたデザインの腕時計だと思います。

 タンク アメリカンのケースは、腕に非常によく馴染みます。MMサイズでは、繊細な感じがするほど小さくはありませんが(少なくとも僕の手首ではそうではありませんでした‐もしそう感じるなら、より大きなサイズを選択すればよいのです)、手首をはみ出すことなく、しっかりと手首に収まります。長方形の時計は手首幅を突き出てしまう問題に悩まされることが多く、それが不格好でサイズが合わないと感じさせるものです。このモデルには、そのような問題はありません。また、サントレのように背面が湾曲しているわけではありませんが、ケースバックとラグが背面に空白部分を確保しているので、まるで湾曲しているように見えるのです。

100年経っても変わらないデザインというのは、あまり存在しないのではないでしょうか

 SSケースは堅牢性を高めるだけでなく、ゴールド製モデルよりもはるかに軽量です。機械式ムーブメントを搭載していることを実感できる程度の重厚感はありますが(ゴールドのクォーツ式タンクでさえ、僕の手首では少し軽いと感じます)、1週間を通して毎日ずっと着けても、着け心地に問題を感じませんでした。

 もっとも、当初は2つの点が心配でした。
1)フォールディングクラスプが(文字通り)問題になるのではないか
2)日常生活にはちょっとドレッシーすぎるのではないか
ということです。しかし、実際にはどちらも問題なかったとご報告します。フォールディングクラスプにはよい意味で衝撃を受けました。僕はデプロイヤントバックルには否定的で、シンプルなピンバックルを支持しています。ストラップとバックルのセットには数分かかりますが、一度セットしてしまえば、ピンバックル式のように着脱できます。特別なクラスプはなくてもいいのですが、あっても気になりませんでした。

 2つめの心配も主観的なものですが、タンク アメリカンは思っていたよりもドレッシーとカジュアルの境界線をうまく行き来できていると思います。スーツを着て会議に出席したり、スポーツコートを着て妻と夜を過ごしたり、クラシックなグレーのスウェットシャツを着てオフィスに行ったりしましたが、場違いな感覚はありませんでした。もちろん、ちゃんと仕立てた服(少なくともカシミアのセーターとか)が、よりしっくりくると思います。それにしても、カジュアルウェアにタンクを合わせるのは、昔ながらのプレッピーな感じがして楽しかったですね。はっきり言って、僕にとってはこの時計は日常使いできる時計なのです。文句なしの逸品です。


競合モデル

 ここまで読み進めていただいたのなら、ここで大きなご質問にお答えしましょう。どんな時計が競合になるか? 僕にとって、この比較的よくある質問は、どのようなタイプの時計について話しているかによって、大きく異なる意味を持ちます。タンク アメリカンの場合、伝統的なスタイルと現代的なスタイルが混在し、40万~60万円で販売されていて、ちょっとした歴史的背景を持つ時計を見つけることが課題だと思います。思いつく時計を何本か挙げてみましょう。

ジャガー・ルクルト レベルソ・クラシック モノフェイス

 タンクの一番のライバルは、同型のレベルソです。レベルソ・クラシック モノフェイスは、ジャガー・ルクルトが現在作っているタンク アメリカンに最も比肩するモデルでしょう。大きさはほぼ同じで、シルバーダイヤルにブルーの針、そして薄型の機械式ムーブメントを搭載しています(参考までに、このモデルは手巻きです)。価格は65万5600円(税込)で、タンクよりも若干手頃ですが、それほど差はありません。僕にとって、ここでの問題はスタイルの問題であり、もうすでにどちらがよいか決まっていることでしょう。

グランドセイコー SBGW253

 角型ではありませんが、グランドセイコー SBGW253は、タンク アメリカンと同じような要素を持っていると思います。価格も同じで、64万8000円です(当時の税込価格・1960本限定)。このモデルは、エレガントな側面、適度な大きさの直径38mmケース、すっきりとした読みやすいダイヤルを備えています。ホワイト、シルバー、ブルーの組み合わせは渋過ぎず、ブラックのクロコダイルストラップに交換すれば、想像以上にカジュアルに着こなせます。

その他は?

 この2本以外に、このタンクの代わりになるような時計は思いつきませんでした。それは、このデザインが本当に優れていることと、市場がニッチであることに起因していると思います。もし、僕が何か見逃していることがあれば、下のコメント欄で教えてください。読者の皆さんが何を思いついたか、とても興味があります。


最終的な考え

SS製のタンク アメリカンは、アニバーサリーウォッチとしては、かなり洗練されたデザインだ。

 まだお分かりにならないかもしれませんが、ここではっきりと申し上げましょう。SSのタンク アメリカンはよい時計です。というか、本当に素晴らしい時計です。作りがしっかりしていて、価格も手頃で、歴史的なデザインと新たに加わった強みのバランスが絶妙なのです。多くの人がこれ一本で満足できると思いますし、ヴィンテージや現行モデルの時計のコレクターにとっても同様に魅力的で、毎朝選ぶ時計の選択肢が増えることでしょう。これまでのところ、僕の2017年のお気に入りの時計の一本であると言ってもいいでしょう。それほどまでに素晴らしい時計なのです。

 もう少し付け加えると、タンク アメリカンが僕を幸せにする理由は他にもあります。象徴的な時計の100周年を祝うのに、ダイヤモンドを敷き詰めるとか、トゥールビヨンをいくつも搭載することなしに、成功することの好例でもあるからです。タンクのような洗練された時計にとって、このような形で100周年を祝うことは、このモデルへの記念として相応しいと思うのです‐そして次の150周年もタンクは変わらぬ姿を見せてくれるのだと確信しています。

詳細については、カルティエ公式サイトへ