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シチズンは多くのダイバーズウォッチを製造している。モダンでファンキーなオルカやエコジラ、伝説的な(かつオタク的な)アクアランド、さらには控えめなNY0040など、このブランドはダイバーズウォッチのデザインに関して独自の道を歩むことで広く知られている。新しいプロマスター メカニカル “チャレンジ” ダイバー200mは、一見したところ、ありふれたデザインでありながらも、よりその存在感を際立たせている。
この時計は70年代をテーマにした41mmのダイバーズウォッチで、オーソドックスなスタイル、ブラックまたはブルーのダイヤル、ラバーストラップまたはメタルブレスレットのいずれかを選択することが可能だ。200m防水、逆回転防止ベゼル、日付表示付き自動巻きムーブメントを搭載している。ISO規格に準拠したダイバーズウォッチであり、それ以上の多くを盛り込んでいるわけではない。
でも、手首に関しては別物だ。
この時計の興味深いところは、ネオヴィンテージなメカニカルダイバーが、シチズン独自のスーパーチタニウムケースを採用していることにある。スーパーチタニウムはスティールよりも40%軽く、ブランドのデュラテクト表面硬化により、ステンレススティールよりも5倍硬い(言うまでもなく、チタンの低刺激性、耐錆性は保持)。あなたがどう感じるかは僕にはわからないが、この新しいプロマスターダイバー(Ref.NB6021-17E)を初めて見たとき、僕は多くの仮定を立て、すぐにほかのいくつかの40mm程度あるネオヴィンテージダイバーズウォッチの野球カードの統計データと比較した。
これは、シチズンがワイルドなデザインに対抗するために、あえて奇をてらわない選択肢を用意したのだろうと僕は考えたのだ。そして、それは的を得た予想だったかもしれない。しかし、それはチャレンジダイバーの美学を語るに過ぎない。
このシチズンを手にしてみると、そのルックスとケースのシュールな軽さが相まって、1970年代生まれとは思えないほどの存在感と装着感を発揮してくれる。幅41mm、ドーム型サファイアクリスタル上部まで含めた厚さは12.3mm、ラグからラグまでの長さは48.5mmだ。これは一般的なダイバーズウォッチのプロポーションであるが、ラバーストラップの場合、この時計ではわずか75gしかない。参考までに、僕のセイコーのSBDC101(海外版はSPB143)のブレスレットは82gであると記しておこう。ブレスレットだけでだ。
このチタン製ダイバーを腕にはめると、まるで時計のケースに重さがないかのように思える。まるでストラップと一体化したような感覚だ。20mmのラグで、好きなストラップに付け替えることができるのはなんて気持ちがいいことだろう。手首の上で本当に消えてしまいそうだとは思わないだろうか? このプロマスターダイバーにパーロンストラップを装着すると、総重量はわずか60gになる。
その超軽量なケースのなかには、秒針停止機能、手巻き機能、日付表示、約42時間のパワーリザーブを備え、耐磁性ヒゲゼンマイを持つ2万8800振動/時の自動巻きムーブメント シチズンのCal.9051が搭載されている。このムーブメントはシチズン独自のもので、1万6000A/mまでの磁気に対する耐性を備え、9051の精度は日差-10秒から+20秒となっている。
このムーブメントは、過去数年間に僕のいくつかの時計に搭載されていたMiyota 9015と非常によく似たスペックを持っており、これまで不満を感じたことはない。このムーブメントは堅牢で、特にこの価格帯では珍しく、最新世代では耐磁性が加えられている。
正式名称はプロマスター メカニカル ダイバー200mだが、“チャレンジダイバー”の愛称は1977年のオリジナルリファレンスモデルのネーミングに由来している。チャレンジダイバーは手首に装着するととてもいいが、完璧ではない。スティール製のダイバーズウォッチに期待されるような、しっかりとした感触がタッチポイントから伝わってこないのだ。
ベゼルは60クリックできれいに揃うが、回転がやや曖昧なため、もう少し重くすると使い勝手がよくなるだろう。また、これは個人的な意見だが、リューズは操作しやすいが、もう少し径を大きくしてもよかったかもしれない。見た目も小さく、感触も小さい。ささいなことにこだわり過ぎている? だが、僕はうなずき微笑む。
メルセデスの時針は僕好みではないが、シチズンがこのデザインに採用したオリジナルモデルとの調和がとれているといえるだろう。ダイヤルは黒く反射し、夜光は明るく、十分な時間持続するためにとても便利だ。全体的にヴィンテージのようでありながら、非常にモダンな時計に仕上がっているといえる。シチズンは1970年に初めてフルチタンの腕時計を発売したブランドで、チタンという素材の扱いはお手の物だ。しかし、チタン製のネオヴィンテージダイバーズウォッチは、いったいいくつあるのだろう? ダイバーズウォッチ以外でも、それほど多くの例があるわけではない。
チャレンジダイバーは、従来のダイバーズウォッチの美学を踏襲しながらも、手首の存在感をも際立たせている。装着感もよく、ほかの競合モデルとは一線を画しているといえる。
ブラックダイヤルにラバーストラップが9万6800円、ブルーダイヤルにフルチタンブレスレットが12万1000円という価格設定(ともに税込)のチャレンジダイバーは、40mm前後のビンテージエフェクトのダイバーズウォッチという点では、それなりに競争相手がいないわけではない。最も代表的な競争相手はバルチックのアクアスカーフ チタニウムで、サイズ、仕様、価格帯が似ている(美的感覚は異なるが)見事な時計である。しかし、皆さんの多くはセイコー プロスペックスのSBDC101(海外版はSPB143)のように広く知れ渡ったクオリティに対し、チャレンジダイバーが顧客にどう仕掛けるのか疑問に思うのではないだろうか。
不思議なことに、このふたつの時計はまったく異なるものでありながら、緩やかに類似したインスピレーションを共有している。どちらを選ぶかは、腕の上で何を重視するかで決まる。セイコーのSBDC105(海外版はSPB147)は、そのカラーリングのため、まったく気にならないためここでは置いておこう。SBDC101(海外版はSPB143)はラバーストラップのチャレンジダイバーより4万6200円も高いのだ。シチズン製のブレスレットを用意すれば、その差は2万2000円にまで縮まる。残念ながら、僕はブレスレットを試す機会がなかったため、具体的なことは言えない。しかし、僕たちがチタンについて語るとき、特にブレスレットが簡単にストラップを変更することができるという点において、時計を選ぶ際に常に検討するべき価値があると言うたい。結局のところ、20〜30%以上の価格差は、特に3桁と4桁のあいだの頂点では無視できない、ということだ。
セイコーのベゼルはより頑丈さを感じさせ、クリック数も120回と優秀だ。リューズはセイコーのほかが少し大きめで、ケースによく似合うので僕好みでもある。スペックは非常に似ているが、セイコーのほうが幅とラグが小さく(幅40.5mm、厚さ13.7mm、ラグ46.5mm)、また少し厚い。僕の腕では厚みの違いはよくわからないものの。
大きな違いは、やはり重量だ。僕はセイコーの外見をより好むが、チャレンジダイバーの快適さと楽な着け心地、存在感は見逃せない。手首に装着すると、両者はまったく異なる時計へと変貌する。もしあなたが重量のあるダイバーズウォッチを好まない、あるいはスティール製ダイバーズウォッチに見られがちな時計本体のブレがない非常に軽量なものを探しているなら、シチズンのプロマスター メカニカル ダイバー200mに魅了されることは間違いない。
確かな価格設定に優れたスペック、ひと目でわかる優れた外観。シチズンのチャレンジダイバーは、オールドスクールの美学とニュースクールな素材が融合し、手にすると軽すぎるくらいに感じられ、手首に装着すると素晴らしい出来栄えだ。
スティール製のスポーツウォッチを好む僕に、このチャレンジダイバーは、なぜ僕がそのような偏見を持つのかと問いかける。スティールの安心できる重さなのか? それとも、チタンが僕の好みに合わない時計によく使われるから? シチズンのこの最新かつ懐かしいダイバーズで、僕はチタンに触れ、それを身につけることも好きなことがわかったのだ。
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シチズン プロマスター メカニカル ダイバー200mの詳細については、同社の公式サイトをご覧ください。
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