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Introducing チャペック フォーブル・ド・クラコヴィ オセアン・ドール 2021年新作

1人のユーザーのオーダーメイドに端を発した、ブランド初のゴールドケースクロノグラフが少数の限定で登場。

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クイック解説

 チャペックにとって初のクロノグラフモデルとして2018年にリリースされたフォーブル・ド・クラコヴィに、少数生産のゴールドケースモデル、オセアン・ドールが登場した。

 フォーブル・ド・クラコヴィは、ポーランド、ワルシャワにかつて存在したフランソワ・チャペック3番めのブティックがあった場所にちなんだ名前をもつクロノグラフコレクションで、これまでスティールとチタンケースで生産されてきたが、新作では初めてゴールドケースが採用された。なお、モデル名のオセアン・ドール(Océan dʼOr)とは、フランス語でゴールデン・オーシャンを意味する。

 かつてフランソワ・チャペックが手がけた時計にデザインのルーツをもつ、交差する円形の線と浅浮き彫りにひし形パターンで形成されるギヨシェダイヤルは、製作パートナーであるメタレム(Metalem)社と共に開発。さらにダイヤルの深みのある青い色合いは、ラ・ショー・ド・フォンに拠点を置くもう一つのパートナー、ポジティブ・コーティング(Positive Coating)社によって開発された特別なALD(Atomic Layer Deposition=原子層堆積)コーティングと呼ばれる仕上げで実現したものだ。

 ゴールドのケースと針が採用されているという点以外、基本的なスペックは既存モデルと同じである。ケースサイズは41.5mmで、厚みは風防を含めて14.6mm。搭載されるムーブメントはチャペック製のCal.SXH3。シングルバレルで約65時間パワーリザーブを確保しており、COSC認定、3万6000振動/時を誇る高精度な自動巻きクロノグラフムーブメントはコラムホイール&垂直クラッチ方式を採用。さらに、搭載するリニアハンマーによって構成パーツの数とパーツの摩耗を減らす一方、1つの簡単な動きで関連する全てのダイヤル表示のリセットを実現した。そして、サファイアクリスタル製のシースルーケースバックからはダイヤモンド&ブラスト仕上げ、そしてアントラサイトカラーのブリッジをもつムーブメントを眺めることができるようになっている。

 なお、新作は2種類のゴールドケースモデルがリリースされたが、18Kイエローゴールド(YG)が2本、18Kローズゴールド(RG)は8本の限定生産。うち、YGケースモデルは既にSold Outとなっている。ちなみに本作は、ゴールドケースのため、非常に高額になること(既存モデルはSSケースでも400万円近くもする)、ケースとダイヤルのカラーリングが個性的で顧客が限定されてしまうことを理由に、日本での取り扱いは予定されていない。そのため、購入したい方は日本以外のブランド認定販売店、もしくはスイス・ジュネーブのコラトゥリー通りにあるチャペックのブティックで購入するか、チャペックの本国サイトから購入問い合わせをする必要がある。

ファースト・インプレッション

 既存モデルでも、少数生産の限定モデルはあった。例えば、2019年に1型18本の数量限定のスティールモデルをいくつかリリースしているが、この度の新作はさらに少ない。しかも2本用意された18KYGモデルは既にSold Outで、18KRGモデルも8本中2本が既に売れたようなので、残るは6本だ。

 高額になるゴールドケースということで既存のSSモデルよりも数が絞られるのは理解できるが、なぜこんなに数が少ないのか。資料に目を通すと、本作はどうやら1人のユーザーのオーダーメイドに端を発しているとある。この注文に際して、開発プロジェクトが進み、同様のモデルを好むコレクターも入手できるように少数の限定製作版となったようだ。なるほど、個人的なオーダーがベースならば、極端に少ない生産数も頷ける。

 個人的にはSSモデルの方が好みではある。しかしながら、既存のSSモデルと比較してみると、ケースがゴールドになっただけではあるが、ゴールドモデルの存在感は圧倒的だ。ゴールドケース特有のインパクトはもちろんあるが、もう一つ存在感を高めるポイントになっているのは2つのインダイヤルだ。

 3時位置に30分積算計と、9時位置の12時間積算計にはそれぞれ鏡面仕上げのゴールドカラーが配される。これはかつて中国向けに作られた「ミラーピース」にインスピレーションを受けて製作されたものだという。このミラーピースがどんなものか、詳しい情報は得られなかったが、インダイヤルに鏡面仕上げを取り入れるというのはなかなか珍しい。本作に限らず、時計の存在感を高める手法として、他に広がって良いのではと思わせるユニークなディテールだ。

 前述のとおり、本作は1人のユーザーのオーダーから生産されたものだが、昨今、こうしたユーザーの意見にきっかけに生産されたり、あるいはプロダクトにユーザーの意見が反映される例は少なくない。例えば、先日公開した記事「H.モーザー スイス・アルプ・ウォッチ ファイナル アップグレード 実機レビュー」で紹介したスイス・アルプ・ウォッチ ファイナル アップグレードモデルには、アップデート中のデジタル表示のようにも見える風変わりなスモールセコンドが配されていたが、このアイデアは実はH.モーザーファンの意見がきっかけだったと聞いている。時計ファンにとって、自身の意見が反映された製品が世に出るということはこの上なく嬉しいことだろう。こうしたフレキシブルな対応が取りやすいのは、ビッグブランドにはないマイクロブランドならではの魅力と言えよう。

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基本情報

ブランド: チャペック(Czapek)
モデル名: フォーブル・ド・クラコヴィ オセアン・ドール

直径: 41.5mm
厚さ: 11.5 mm(風防を含めると14.6mm)
ケース素材: 18KYG、もしくは18KRG
文字盤色: ブルーの手作業による“レゾナンス”ギヨシェ装飾。ボンベシェイプ。
インデックス:  アプライドのバトンインデックス(12はアラビア数字)、ゴールドのアローシェイプ針
夜光: 時・分針とインデックスにスーパールミノバ
防水性能: 2気圧
ストラップ/ブレスレット: アリゲーターストラップ、ゴールドのデプロイヤントバックル


ムーブメント情報

キャリバー: SXH3
機構: 時・分表示、6時位置にスモールセコンドと半瞬転式の日付表示、クロノグラフ、3時位置に30分積算計、9時位置に12時間積算計、ストップセコンド機能
直径: 30mm
厚さ: 6.95mm
パワーリザーブ: 約65時間
巻き上げ方式: 自動巻き
振動数: 3万6000振動/時
石数: 42
クロノメーター認定: あり。COSC(スイス公認クロノメーター検定協会)認定
追加情報: サンドブラスト、ダイアモンド・ポリッシュ仕上げ、アントラサイトのブリッジ


価格 & 発売時期

価格: 要問い合わせ。
発売時期: 発売中。18KYGモデルは既にSold Out。
限定: 18KYGモデルは2本、18KRGモデルは8本の限定生産。

詳細は、チャペック公式サイトをクリック。