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1970年代は、映画史におけるユニークな時代だった。この時期、現代的な超大作映画が登場する一方で、スクリーンを飾る最高の映画もいくつか誕生した。『ゴッドファーザー』、『ジョーズ』、『スター・ウォーズ』などの大ヒット作がある一方で、『ネットワーク(Network)』(1976年)のようなダークなコメディを含む、興味深い人物ドラマが数多く登場した。この映画は、架空の伝説的ニュースキャスター、ハワード・ビール(ピーター・フィンチ)の苦悩と、彼を利用して視聴率を稼ごうとするテレビ局を描いたもので、アカデミー賞4部門を受賞するなど高い評価を得た。男性主人公に焦点を当てた本作のなかで、フェイ・ダナウェイは演技(やり手のテレビプロデューサー役)だけでなく、腕時計でも大いに注目を集めた。
注目する理由
まだアカデミー賞のシーズンではないが、今年のオスカー候補映画たちは、ノミネートを期待してマスコミに対する宣伝活動を始めたところだ。過去のアカデミー賞の重要作品である『ネットワーク』は、今から45年前に公開された。映画に登場したあるコンビのロレックスで目の保養をするのには、またとない機会だろう。
この映画の背景は、公開当時と同様、現在でもユニークなものだ。UBSのニュース部門で長年キャスターを務めてきたビールが、契約を更新されないことを語るナレーションで始まる。翌日、友人でありニュース部門の責任者であるマックス・シューマッカー(演じるのは偉大なウィリアム・ホールデン)とニューヨークで深夜に酒を飲んだ翌日、ビールは考えられない行動に出る。テレビの生放送中に自殺すると宣言したのだ。ご想像のとおり、大混乱が起こり、ビールは物理的に放送を中止させられ、ネットワークはどうすべきか考えあぐねていた。そこに現れたのが同局でエンターテイメント部門の編成を担当しているダイアナ・クリステンセン(ダナウェイ)だった。この役でのダナウェイは、抜け目なくタフで、視聴率を取るためには手段を選ばない仕事人間を演じている。
ビールの苦悩のさなか、彼女はさえない幹部達に天啓のようなアイデアを提案する。ビールの異常な行動を見せる番組、つまり、ネットワークの...「ニュース」ではなく、エンターテインメント部門に属する「ニュース・ショー」とするという。聞き覚えがある? この映画はテレビネットワーク界を揶揄しているが、ある意味では、この業界のビジネスがどのように機能しているかを非常にリアルに映し出していると言える。
クリステンセンも、素敵な時計なしにはテレビ界の重役らしく見えなかっただろう。最近のWatching Moviesでは、ロレックスのデイトジャストをかなりの割合で取り上げてきたが、ダナウェイの時計についてもその流れを引き継ぐことにした。フルーテッドベゼルとジュビリーブレスレットを備えた、ツートンのレディ デイトジャスト。これは36mmのサイズでも、レディスのモデルでも、ロレックス定番の構成となっている。ツートンは1970年代に全盛期を迎えたが、現在、本格的なカムバックを遂げている。
レディ デイトジャストは映画ではあまり見られない時計だが、70年代やそれ以前から、実生活で多くの女性が腕につけていた時計だ。特にツートンは時代を超えたデザインで、女性、特に企業で力を持つ女性が実際に身につけているのを反映した映画を見るのは嬉しい。
クリステンセンは、基本的にすべてのシーンでこの時計を着用している。特に、豪華なオフィスのデスクで、チームを率いて番組制作の決定をするとき、身振り手振りでコミュニケーションをとりながら、いつの間にか観客に時計を見せる姿は最高だ。これは「王者の時計」の力を示す典型的な例だ。トップを目指す野心的なメディア幹部にとって、これ以上の時計の選択はないだろう。彼女が幹部に昇進した際に「私はここまで来たのだ」と示すためにこの時計を買ったと思いたい。そういうことにぴったりの時計だと思うからだ。
見るべきシーン
ビールがテレビの生放送で驚くべき宣言をしたあと、クリステンセンはニューヨークのUBSのホールを歩き、自分のオフィスにチームを集めていた。彼女は、次期シーズンの番組編成について会議を開き、チームのメンバーからアイデアを募っていた。次から次へとつまらない提案を耳にしたあと、彼女は自分の考えをチームに説き始める。テロ組織のメンバーが犯罪を犯す様子を追う、リアリティ・ショーだ。今日、我々がどれだけ非常識なプログラムにさらされているかを考えると、1976年当時、このアイデアは今よりもはるかに馬鹿げたものだったと思う。それでも、彼女がデスクの背後からチームに講義をし [00:13:45]、番組のニュアンスを説明しているとき、彼女の手首には象徴的なロレックス デイトジャストのジュビリー ブレスレットが光っており、我々がすでに知っている彼女のパワーを確認することができる。
ハワード・ビールのオンエアでの狂言は、映画のオープニングだけではない。中盤で彼は、多くの人が映画の爆破シーンと思うようなものをカメラに映す。クリステンセンはこれを再びチャンスと捉える。そのあと彼女は、名優ロバート・デュバル演じるUBSの重役フランク・ハケットのオフィスにいる。ビールに自分の番組を与えて放送中におかしなことを言わせればそれで視聴率を稼げると、ありったけのエネルギーを注いで説得するのだ。このシーンでのダナウェイの演技は、部屋のなかを歩き回ったり、上司の机にもたれかかったり、大声を出したりととても魅力的だ。その際、[00:29:25]彼女の袖の下からデイトジャストが覗いているのが見える。その時計には魔法の力があったのかもしれない。彼女のアイデアは採用されたのだから。
『ネットワーク』(主演:ピーター・フィンチ、フェイ・ダナウェイ);監督シドニー・ルメット、小道具担当コンラッド・ブリンク。iTunesやAmazonでストリーミング配信、レンタルが可能。
Lead illustration, Andy Gottschalk
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デイトジャストの詳細については、ロレックスの公式サイトで。
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