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Hands-On カシオ G-SHOCK GM-6900 メタルの全モデルが一堂に会する(編集部撮りおろし)

誕生25周年を迎えたG-SHOCKの"三つ目"こと6900がメタル化。当初発表された3色と、KITHコラボのローズゴールドカラーモデルまで全機種をお目にかける。

G-SHOCKは、1983年の誕生以来いくつかのブームがあったが、初代モデルである角型の5600系が35周年を迎えた一昨年あたりから現在に至るまで、間違いなく何度目かのブームにあるだろう。このGM-6900というモデルは、今年25周年を迎える"三つ目"デザインが特徴的な大型ラウンドケースのデジタルウォッチ。何を隠そう僕も25年前、初めて買ってもらった時計がこの"三つ目"であり、独特な表示方法で秒をカウント(三つ目の左ふたつが1秒でひとマスずつ暗転し、10秒計測すると右の1分計ひとマス分埋まる)するデジタル感や、アラーム、ストップウォッチなどの機能にいちいち胸を踊らせた。"耐衝撃性"など当時は知るよしもなかったが、現代よりも遥かにヤンチャに遊ぶ小僧にはちょうど良い相棒となり、学校から帰ると毎日腕に着けて出かけていた覚えがある。


メタルベゼルは究極のノスタルジー

 さて、それから25年後の今、である。6900は少し大人びたメタルベゼルを携えて、デザインもミニマルな方向にまとめられて再登場した。角型DW5000シリーズでの知見が存分に発揮されたと見え、鍛造で作られたメタルベゼル(ベゼルというより"カバー"だが)は立体的なケース形状を見事に再現している。シルバー色のモデルはサテンとポリッシュの仕上げ分けもされ、質感も十分に楽しめるものだ。(個人的には、通常ラインであればこのシルバーがお気に入り)

 ただ、本機を腕に着けてみて抱いた感想は、出来栄えの良さと共に妙な違和感であった。その理由はこのサイズ感にあるだろう。25年前の誕生当時は、G-SHOCKがアメリカでも全盛を誇っていた時代。彼らにウケるデザイン、というのが重要なミッションの1つとして作られたのが6900系だった。これが奏功し、アメリカから人気が逆輸入されるような形で日本でもブームとなったのがG-SHOCK史の一節なのだが、つまり、本機のサイズは日本人にとっては現代でも大きすぎるわけだ。樹脂ケースのカジュアル感溢れるデザインならまだしも、メタルベゼルを纏った6900の存在感は割と圧倒的である。

 だからといってこの時計が日本にフィットしないかというと、全くその逆である。エアマックスやニューバランスの1300などアイコニックなスニーカーのように、6900は僕ら世代の日本人にとってとても親しみのあるデザインだ。当時のままの意匠が、今の自分が着けても気恥ずかしくない素材で再現されたことは、無条件で傍に置きたいものであり、究極のノスタルジーである。それほどこのデザインになじみがない、という人にとっても中途半端な時計よりも、ひと目で分かるアイコニックな意匠が強調された本機は、ユーザーがあえて選択したのだと周囲に知らせてくれるモノだ。つまり、着用者の個性を引き立ててくれるはずだ。

 僕の心情的なところは、今30〜40代の読者の方ならお察しいただけると思うが、それを差し引いてもこのGM-6900に加えられたアップデートは特筆ものだ。ここ1年ほどのG-SHOCKの新作に採用されるようになった、インターチェンジャブルストラップが本機にも付いている。レバーを引っ張るだけでストラップ交換が可能なので、従来のG-SHOCKにはない楽しみ方ができるだろう。


メタル感が際立つのはシルバーかゴールドカラー

 この3本で悩みどころとなるのは、色と仕上げ分けの違いだろう。前述のとおり、シルバーのみロゴなどが配されたベゼル部分がサテン仕上げになっており、他はポリッシュ仕上げを基調としている。加工の問題だが、ポリッシュされたブラックIPは遠目からだとプラスチックのように見えなくもないため、せっかくのメタル感を味わいたいならシルバーかゴールドが良さそうである。付属のストラップは、ブラックIPモデルのみ、シースルーの赤いラバーで他はベーシックなマットブラックだ。液晶は3本共に黒基調の反転液晶を用いているが、ゴールドIPモデルのみ表示が金色となる。

 総合すると、幅広い用途に応えるのはシルバー色だろうが、これらすべて3万円アンダーという驚愕のバリュー・フォー・マネーを実現している。なので、遊びを効かせたいときのための時計として、ブラック×レッドのモデルを選ぶとしてもハードルは高くないだろう。

 最後に、この6900には実は知られざる(?)コラボモデルが存在しているので、その考察も付け加えたい。下写真のその時計は、アメリカの人気セレクトショップであるKITHとのコラボレーションによって生まれた1本であり、本誌でも紹介した。ローズゴールドカラーのIPが施され、6時位置のボタンには「KITH」ロゴが配されている。G-SHOCKロゴなどは刻印だけでプリントが省かれ、全体としてよりミニマルな印象だ(液晶のせいか、クリーンな印象も受ける)。

 僕はここぞとばかりに方々からご協力をいただき、なんとかこのKITHモデルを入手できた。久しぶりにレアものを手にした感動もあるが、ブランドのマーケティング感の薄いこのデザインの虜にされた。G-SHOCKの金型がたまたま手に入ったから独自に作ってしまったかのような、遊び心に溢れているのだ。もちろん、これを通常ラインに求めるわけではないし、コラボだからこそ生まれた1本だろう。しかしほとんど輪郭しか表現していないようなこの時計が、6900のアイコンウォッチとしての実力を浮き上がらせているといえるのだ。

GM-6900-1JF(シルバー): 2万3000円、GM-6900B-4JF(ブラックIP): 2万6000円、GM-6900G-9JF(YGIP): 2万6000円(全て税抜)
樹脂×SSケース。ケースサイズ53.9×49.7×18.6mm。質量96g。20気圧防水。

さらなる情報は、G-SHOCKの公式サイトをご覧ください。