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Hands-On グラスヒュッテ・オリジナル パノマティックルナ フォレストグリーン

カエルのカーミットは「It's Not Easy Being Green」と歌っているが、グラスヒュッテ・オリジナルはそれをそよ風のように見せている。


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グラスヒュッテ・オリジナルは、非常に幅広いラインナップの時計と、それに付随するとても興味深い歴史を持っている(この話を聞いたことがある人は止めてほしい)。このメーカーはその名の通り、ドレスデンから車で30分ほどのところにあるグラスヒュッテに本社を置いている。人口7000人ほどの小さな町だが、そこには十数社の時計ブランドが本社を置いており、グラスヒュッテ・オリジナルはそのなかでも最大の生産量を誇っている。

 グラスヒュッテの時計製造は、第二次世界大戦末期に町が爆撃されたことで急停止した(戦前も苦戦していたが)。東ドイツ政府は1951年にグラスヒュッテの時計メーカーを「VEB Glashütte Uhrenbetriebe(GUB)」という会社に集約したが再統一後にGUBは民営化され、1994年にグラスヒュッテ・オリジナルとなった。

 そのなかでも最も認知度の高い製品群の一つがパノシリーズで、2020年にグラスヒュッテ・オリジナル(GO)社はグラデーショングリーンの文字盤を採用したパノマティックルナの新バージョンを発表した。

 この時計は、かなりスタイリッシュな外観を持つ。40mmのレッドゴールドまたはステンレススティールのケースで、パノシリーズの特徴的な要素をすべて備えている。大きなデイト表示、オフセンターに配置された時間と分のダイヤル、そしてオーバーラップするランニングセコンドのサブダイヤルだ。三日月型の開口部で月が満ち欠けするという純粋に古典的な実装であるムーンフェイズが2時位置にあり、そのすぐ下にデイト表示(GOが好んで使う用語ではパノラマデイト表示)が配置されている。

 このムーブメントは、グラスヒュッテ・オリジナルの自社製Cal.90-02で、(GOのムーブメントはすべて自社製であり、「おしゃれなローターです。以上、終わり」といったものではない)オフセンターのダブルGスケルトンローターを備えている(オフセンターの文字盤に合わせて)。このムーブメントには、GOのムーブメントの特徴である、バランスブリッジ上に構築されたダブルスワンネックレギュレーターシステムが搭載されている。スワンネックの緩急針の1つは精度調整用で、もう1つはヒゲゼンマイのヒゲ持ちの役割をしている。これにより、時計師は調子が狂った時計(つまり、刻みと刻みが一致しない時計)を簡単に修正することができるし、そもそも適切に設定することができる。

 2003年に発売されたパノマティックルナは、バーゼルワールドで発表されてからそれほど大きな変化をしていない。ケースサイズは39.2mmから現在の40mmへとわずかにアップしている(価格も当時より上がっていると思うが、正直なところ、私にはどんな時計でも2013年と2021年の価格を比較するだけの感情的なスタミナはない)。

 パノマティックルナの文字盤は、その歴史の多くにおいて黒と白を基調とした渋いものであり、かなりフォーマルな印象を与えていた。その構成は、最も近いデザイン上のライバル「ランゲ1・ムーンフェイズ」よりも少しダイナミックで、そのため、堅苦しくなりすぎず、お堅いドイツ的な印象を与えなかった。(面白いことに、ジュリアス・シーザーはチュートン人はゲルマン人だと言っていたが、ケルト人だったという有力な証拠もある。また、ゴールドとスティールのドイツ製時計は「チュートン・ツートン」か?)

 グラデーショングリーンの文字盤はここでの主役というか、少なくとも新しい「売り」となっている。シックスティーズコレクションのカラーダイヤルを見たら誰でも、GOがカラーダイヤルを作ろうと決めたときは、たいてい素晴らしい目の保養になるものを作ると知っているだろうし、これも例外ではない。このモデルを身につけるなら、色を恐れないほうがいい。グラデーションの文字盤は光り輝いていて、光の加減によっては、ほとんど黒にも見えるし、鮮やかなエメラルドグリーンにも見える。

 パノシリーズが意識しているのは、やはり数年前に発売されたランゲ1だろう。2001年に発表されたパノシリーズには、パノ レトログラフという非常に優れた時計があった。これは30分のフライバック・カウントダウン・クロノグラフで、カウンターが30分に達したことを示すチャイムが付いていた。もしあなたの毎日の習慣が30分の瞑想で、それを携帯電話やスマートウォッチで計ろうと思うとぞっとするのであれば、そんなあなたにぴったりの時計だ。

 この複雑機構は、GOがランゲ1のデザインを模倣しているのではないかという懸念を払拭するのに十分なほど独特なものだったが、その後のいくつかのモデルでは、それを少しだけ減らしている。もちろん、オーバーラップするインダイヤルは昔からあったし、ビッグデイトはトゥールビヨンと同じくらいどこにでもある複雑機構だ。同様なものはいくらでもある。しかし問題は、ランゲが最初に登場したことであり、デビュー時に大きな話題を呼んだ象徴的な時計に少しでも似ていると、少なくともあちこちでGOが完全にオリジナルではなかったと思わせることができてしまう。

 個人的には、最近では批判が本当に定着しているとは思えない。時計の世界では、他でもそうだが、人は模倣する(「影響を受けている」と言ってもいいし、そうする人はいる)。もし我々が『インフィニティ・ガントレット』 (The Infinity Gauntlet)を持っていて、明らかにロイヤル オークの影響を受けているすべての時計をスナップしたら、空気中にたくさんの埃が舞うだろう。

 2つめのポイントは、この時計の場合、そのクレイジーな程のグリーンダイヤルで、ほとんど別の時計になってったことだ。このデザインには構成にちょっとした遊び心を持たせたいという潜在的な願望があったが、この時計は、まるでリーダーホーゼンを着たザクセン人の子供が、シューレでの長い一日のあとに草原や野原を自由に駆け回っているような、積極的な高揚感を感じさせてくれる。また、これをランゲの文字盤で見ることは百万年に一度もないだろう。

 最終的には、両方の時計をじっくり見れば見るほど2つのデザインの違いがわかり、劇的ではないにしてもはっきりとした違う経験もたらしてくれると思う。また、価格の違いも忘れてはいけない。レッドゴールドのランゲ1・ムーンフェイズは、あなたの好きなドルを4万6000(548万9000円・税込)必要とする。

 本機は、レッドゴールドで235万4000円(税込)、ステンレススティールで130万9000(ブレスレットタイプ・税込)。自社製ムーブメント、優れた仕上げ、そして燃えるようなスタイルを備えたこのモデルは、多くのものを提供している。......Google翻訳によるとドイツ語では「.Gute Ware für Geld」だろうか?

グラスヒュッテ・オリジナル  パノマティックルナ  フォレストグリーンダイヤル:ケースはレッドゴールドまたはSS製、40mm x 12.7mm、防水性は5気圧/50m。文字盤はグラデーション効果のグリーン/ブラック、アプライドインデックスとプリントの目盛り。ブラックの背景にホワイトのパノラマデイト、シルバーとゴールドのムーンフェイズ表示。
ムーブメント、自社製キャリバー90-02、自動巻き、42時間パワーリザーブ。グラスヒュッテ4分の3プレートリブ仕上げ、手彫りのテンプ受け、ダブルスワンネック緩急微調整装置。
価格、レッドゴールド;フォールディングクラス付きで235万4000円、ピンバックル付きで212万3000円。SS製;フォールディングクラスプ付き130万9000、ピンバックル付き118万8000円。(価格はすべて税込)