Introducing ハミルトン × N.HOOLYWOOD TPES　カーキ フィールド オート N.HOOLYWOOD スペシャルエディション 2021

　ハミルトンが、尾花大輔氏がデザイナーを務めるブランド「N.HOOLYWOOD」との新たなコラボレーションモデル、カーキ フィールド オート N.HOOLYWOOD スペシャルエディション 2021を発表した。両者のコラボレーションは2009年に続き、今回で2度めとなる。

　この度登場した本作は、高精度なミリタリーウォッチをアメリカ軍へ納入していた歴史を受け継ぐハミルトンのシグネチャーコレクション「カーキ」、そしてミリタリーユニフォームにインスパイアされたN.HOOLYWOODの「N.HOOLYWOOD TEST PRODUCT EXCHANGE SERVICE（以下、N.HOOLYWOOD TPES）」コレクションという、ミリタリーを軸にもつ2つのブランドがデザインソースとなっている。

　サンドブラスト加工のケース、視認性の高い24時間表記のアラビア数字インデックス、NATOストラップなどは通常のカーキ フィールドにも見られるものだが、本作ではカラーをマットブラックで統一。そこにN.HOOLYWOOD TPESコレクションのデザインエレメントが盛り込まれた。同コレクションは、エクスチェンジサービスと呼ばれるアメリカ軍人が日用品を購入するための軍の購買部に由来し、尾花氏が独自に解釈したライン。2021年のFALLコレクションでは、空母のデッキで戦闘機の発着任務を任されるデッキクルー、通称“レインボーギャング”の華やかなユニフォームにインスパイアされたアイテムを発表している。

　色鮮やかな今季のコレクションとは対照的だが、尾花氏は「時を正確に伝える信頼性の高いイメージカラー」としてオールブラックを採用した。

　オールブラックというと視認性が犠牲となる印象が強いが、彼が語るようにマットブラックのダイヤルとコントラストを生み出すホワイトのスーパールミノバが施されたアワーマーカー、インデックス、そしてシャープな針は極めて高い視認性を発揮している。そして、そのミニマルなデザインは、通常のカーキ フィールド オートとはひと味違った存在感を放つ。40mmのケースには、80時間パワーリザーブを誇るCal.H-10を搭載。ダブルネーム入りのスペシャルボックスには時計本体に加え、2009年に発表されたコラボレーションモデルと同様、かつてハミルトンのミリタリーウォッチがアメリカ軍に支給されていた当時のパッケージに着想を得たボックスも付属する。ルーツであるミリタリーを表現した。

　価格は11万7700円（税込）。7月31日（土）よりハミルトン東京キャットストリートブティック、ハミルトン公式オンラインブティック、及びミスターハリウッド、ミスターハリウッド大阪にて一斉発売となるが、7月22日（木）10:00〜7月25日（日）21:00の期間中は、N-HOOLYWOOD.COMで先行予約を受け付ける。

　冒頭でも説明した通り、ハミルトンがN.HOOLYWOODとコラボレーションするのはこれが2度めだ。最初のモデルを知っている人にとって、本作は既視感があるだろう。それもそのはず、2009年のコラボレーションモデルのベースとなったのもカーキコレクションであり、オールブラックというスタイルは当時と同じだからだ。普通、2作めともなれば見た目をガラッと変更しそうなものだが、なぜ今回もカーキが選ばれたのか？　本作について尾花氏は次のように語る。

 「今回、10年以上の時を経て知識も増え、自分の価値観も変わったことこともあり、同じモデルの最新のパフォーマンスや魅力を自分流にアレンジして伝えるということが重要でした。そのため、このモデルを選ぶという必然性があったのです」

　前作と本作を見比べると、マットブラックのダイヤルにホワイトのスーパールミノバが施されたアワーマーカー、ミニッツインデックス、針の組み合わせ、そして秒針のカウンターバランスにハミルトンの「H」ロゴを入れるというスタイルはまったく同じだ。さらにケースバックに「WATCH, WRIST: GENERAL DESIGN BY N.HOOLYWOOD/HAMILTON」の文字と、アメリカ軍の官給品を彷彿とさせる時計のスペックをあしらうところも同じである。

　一見すると前作も本作も同じモデルのように見えるが、ベースモデルは異なり、前作は手巻きのカーキ フィールド メカ（38mm）、本作は自動巻きのカーキ フィールド オート（40mm）だ。さらに前作はソリッドバックケースでそこに文字を刻印したが、本作ではシースルーバックとなっているためクリスタル上に文字をプリントするという仕様になった。

　筆者が最も注目しているのは、デイト表示がないところだ。前作はデイト表示があり、また本来のCal.H-10はデイト表示を備えるムーブメントだが、本作ではそれが取り払われているのだ。
　オリジナルのミリタリーウォッチの仕様ではデイト表示はない。この点を考慮すると、やはりデイト表示は不要だろうし、時計好きは好まない傾向にある。このデイト表示がないというところは、時計好きにとっては意外とうれしい仕様ではないだろうか。

　とあるインタビュー記事のなかでコレクターであることは否定していたが、筆者が知る限り尾花氏は、ミリタリーウォッチを筆頭に多くの時計を所有するかなりの時計好きである。これはあくまで想像ではあるが、尾花氏の「10年以上の時を経て自分の価値観や知識なども増えた」という言葉から察するに、自身が熱心な時計好きゆえ、12年ぶりの本作ではデイト表示を外したのではないかと思っている。

　ちなみに前作は500本の限定モデルで、発売から10年以上経った今でもセカンドハンドは市場で根強い人気がある。一方、本作は限定300本と前作よりもさらに数が少ない上に、日本だけでなく、韓国・台湾でも発売される。時計好きだけでなく、N.HOOLYWOOD好きも購入のライバルとなることを考えると、手に入れるのはなかなか大変そうだ。

ブランド： ハミルトン × N.HOOLYWOOD TPES（Hamilton × N.HOOLYWOOD TEST PRODUCT EXCHANGE SERVICE）
モデル名： カーキ フィールド オートN.HOOLYWOOD スペシャルエディション 2021
型番： H89325430

直径： 40mm
厚さ： 11.5mm
ケース素材： ステンレススティール（ブラックPVD） 
文字盤色： ブラック
インデックス： アラビア数字プリント
夜光： ホワイトの時・分・秒針、アワーマーカー、ダイヤル外周のミニッツインデックスにスーパールミノバ
防水性能： 10気圧
ストラップ/ブレスレット： テキスタイルNATOストラップ

キャリバー： H-10
機能： 時・分表示、センターセコンド
直径： 25.6mm
パワーリザーブ： 80時間
巻き上げ方式： 自動巻き
振動数： 2万1600振動/時
石数： 25

価格： 11万7700円（税込）
発売時期： 2021年7月31日（土） 
限定： 300本限定。ハミルトン東京キャットストリートブティック、ハミルトン公式オンラインブティック、及びミスターハリウッド、ミスターハリウッド大阪にて販売。7月22日（木）10:00〜7月25日（日）21:00の期間中、N-HOOLYWOOD.COMにて先行予約。

詳細は、ハミルトン公式サイトをクリック。