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Hands-On 夏のひと泳ぎにちょうどいい、ニバダの最新アンタークティック ダイバーを実機レビュー

素晴らしいスキンダイバーたちの夏となりそうだ。

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ニバダ グレンヒェンは創業からわずか数年しか経っていないが、アイコニックなヴィンテージウォッチを忠実に再現した素晴らしいラインナップを築いている。そのなかでもクロノマスター アビエーター シー ダイバーは最も象徴的で、個人的にもお気に入りのコレクションだ。だがモデル名に“ダイバー”とあるにもかかわらず、真のダイバーズウォッチではない。ニバダは幸運なことにブランドで活用できる膨大なアーカイブを持ち、それをもとに現代のコレクションとして初となる真のダイバーズウォッチ、アンタークティック ダイバーで再びそれを実現した。

ニバダ グレンヒェン アンタークティック ダイバーのリストショット
ニバダ グレンヒェン アンタークティック ダイバーの文字盤
ニバダ グレンヒェン アンタークティック ダイバーの裏蓋

 私のコレクションにはスキンダイバーズウォッチがない。1950年代から1960年代にかけて起きたウォータースポーツブームで、無骨なダイバーズウォッチを身につけずに水中に入りたいというニーズから生まれたカルト級な人気を誇るジャンルだったことは知っている。ただがっしりとした分厚いダイバーズウォッチをつけたときの感触が気に入っていたため、さらにスリムなスキンダイバーズウォッチに手を伸ばす必要性を感じたことはなかったのだ。でも気になってはいた。このジャンルはあまり深く考えずに楽しめる、ユニークでシンプルな腕時計のようだ。そこでニバダからアンタークティック ダイバーを見てみないかと声がかかったとき、自分の足りない部分を確認し、さらにまだ当時発売されていなかったもので見てみたいと思い、そのチャンスに飛びついた。

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 今回のアンタークティック ダイバーは、ニバダ グレンヒェンの熱量あふれるInstagramコミュニティから生まれたエクスプローラーウォッチといった同ブランドのアンタークティックのラインナップに加わる。1950年代後半、ニバダ グレンヒェンのファーストダイバーズウォッチとして登場したヴィンテージのアンタークティック ダイバー 36.5mmモデルを直径38mm、厚さ12.9mm、200m防水と、より現代的なサイズ感・スペックへと変更。またサテン仕上げの316Lステンレススティールケース、ヴィンテージモデルのような短いラグ形状を維持、双方向回転ベゼルはセラミックインサートへと更新している。しかしアンタークティック ダイバーに現代的なアップグレードを施してもヴィンテージの魅力を失ってはいない。

ニバダ グレンヒェン アンタークティック ダイバー

 ダイヤルの上にある赤い十字線(ヴィンテージモデルのオプションにはこの十字線の色を赤か白か選べたらしい)、バトン針、先端が赤く塗られた秒針、そしてニバダが“クリームラテ”と呼んでいるパティーナ風に処理した夜光により、ヴィンテージスタイルを踏襲。フォティーナ(偽物の経年変化)や色あせた夜光について人々から頻繁に不満が挙がるが、アンタークティック ダイバーと漂白されたかのような白いインデックスの相性がいいかといわれるとそうは思わない。このような時計を手に取ったとき、オリジナルのように感じながらも耐久性を含めて現代の時計のように身につけたいと思うのだ。オリジナルのヴィンテージモデルからの変更点はほかにもいくつかある。

 この時計は1960年のアンタークティック ダイバーのバージョンから最も深くインスピレーションを得ているようだ。ベゼルのハッシュマークは文字盤の近くに配置しているが、オリジナルでは外側に配されていた。この本(後述)によると、ベゼルは当初ミニッツマーカーと一緒に時針も配置するオプションが用意されていたようで、ヴィンテージウォッチにおいては標準仕様がほとんどなかったということを物語っている。これは十分な視認性と満足できるほどのヴィンテージ感があり、さらにベゼル側に夜光を施しているのもうれしい点だ。そして12時位置にはニバダのサイン、6時位置には“Antarctic Diver”のテキスト、ソリッドな裏蓋には“南極の”ペンギンが描かれている。

ニバダ グレンヒェン アンタークティック ダイバーとその書籍
ニバダ グレンヒェン アンタークティック ダイバーの夜光などの質感
ニバダ グレンヒェン アンタークティック ダイバーのケースサイド

 これらの詳細を細かく調べるには、どうすれば十分な情報が得られるのだろうか? はたまた私は秘密の南極観測隊員のエキスパートなのか? まあ、このヴィンテージの復刻版が正式に発表されるまでの数週間、時計をつけて研究するのはとても楽しかった。研究というのは上記で触れていないのだが、実は新しいアンタークティック ダイバーの発売と並行して、アンタークティックコレクションに関するブランドの新刊書のコピーを、著者のアーシュディン・K・ビルモリア(Aashdin K.Billmoria)氏とともに勉強する機会を得ていたのだ。新刊の『Nivada Grenchen Antarctic, The History of A Legend』(価格は65ドル/日本円で約9000円)は初代『Chronomaster Only』という本に続き、同コレクションの歴史をテーマ別に取り上げたものである。

 私のようなヴィンテージウォッチの熱心な愛好家にとってはたまらない本であると同時に、ブランドが時計と一緒にこのような書籍を発売するのは実はかなり大胆なことだ。リリースの中身を少しだけ理解するための扉だが、ニバダの名誉のためにいっておくとブランドの隠すべき部分はあまりない。結局のところこの時計を理解するということは内輪ネタを得るために楽しめるだけで、ほかの誰かが見落としたかもしれない何かを自分が知っているという誇りを持つためのちょっとした方法であって、時計の楽しさを損なうものではない。そして私がよくいうのが、時計を収集する余裕がなくても知識を収集することはできるということだ。

ニバダ グレンヒェン アンタークティック ダイバーのリストショット
ニバダ グレンヒェン アンタークティック ダイバーのサイクロプスレンズ
ニバダ グレンヒェン アンタークティック ダイバー

 あとはかなり快適で標準的なものだ。たとえ私が一般的なブレスレットファンであっても、当時の多くの人たちがつけていたようなトロピックストラップで、この時計を楽しむことができる。私にとっての唯一の不満は、日付を拡大するサイクロップレンズが、正直なところ判読しやすいものではないという点だ。しかしそれでもこの時計を楽しむことをやめられない。

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 そしてスキンダイバーズウォッチにとって、手首に巻いても1日中気にせずに過ごせるもの以上に望むものはないだろう? 確かに今やっとスキンダイバーを愛せるようになったし、アンタークティック ダイバーはおそらくこの夏、私がたくさん着用することになると思う。

 詳しくは、ニバダ グレンヒェンの公式ウェブサイトから。

ニバダ グレンヒェン アンタークティック ダイバー。サテン仕上げの316Lステンレススティールケース、直径38mm、厚さ12.9mm厚、ラグ幅20mm、200m防水、ソリッドケースバック。ブラックダイヤル、パティーナ加工された“クリームラテ”夜光。セラミックベゼルインサート。ムーブメントは自動巻きのSOPROD P024、時・分・センターセコンド、デイト表示、パワーリザーブ約38時間。ストラップオプションはブラックまたはブラウンレザー(それぞれホワイトステッチの有無)。SSブレスのオプションはフォースナー社製のボンクリップ、ライスブレス、リベットブレスまたはフォースナー社製以外のライスブレス、3連オイスターブレス。ラバートロピック(ストラップ/ブレスだけで合計10種類)。900ドル(日本円で約12万5000円)。

編集注記:新作のアンタークティック ダイバーの初回入荷分はすでに完売しているが、6月12日に、ニバダ グレンヒェンの公式ウェブサイトで再入荷する予定。