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Hands-On クリストファー・ウォード トゥエルブ Xをハンズオン

この時計は、ブランド創設20周年と自社製ムーブメントのCal.SH21の10周年を祝した印象的なスケルトンモデルだ。

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Photos by Mark Kauzlarich

クリストファー・ウォードの“トゥエルブ” Xは、一体型ブレスレットデザインに対するブランドの最新アプローチである。この時計は最近話題になっており、私のInstagramのメッセージにも多くの質問が寄せられている。幸運なことに、私はこの最新作を見て、体験し、そして撮影する機会を得た。新しい“トゥエルブ” Xについて私なりの考えを述べていこう。

Christopher Ward The Twelve X

 今回リリースされるのは、クリストファー・ウォードの創業20周年とCOSC認定を取得した自社製自動巻きCal.SH21ムーブメントの10周年を記念した、41mm径、12.3mm厚のチタン製ブレスレットウォッチである。同ムーブメントは現在、機械による仕上げと、スケルトナイズ加工が施され、力強くドラマティックな雰囲気を生んでいる。さらに本モデルのクラスプには、素晴らしいクイック調整機構まで付いている。しかしクリストファー・ウォードはトゥウェルブを2023年4月に最初に発表して以来、いくつかのバリエーションを製作している。これには下の写真にある36mmバージョンと、Ti 40(40mm径のチタンバージョン)も含まれる。では、なぜこれほど時間がかかったのだろうか?

Christopher Ward The Twelve X and Others

 トゥエルブではデザインを新たに考え出すことはない。一体型ブレスレット、角張ったケース、質感のある文字盤を備えたトゥエルブは、アイコニックな時計から(ロイヤルオークやロレアート、オーヴァーシーズが思い浮かぶ)、最近のモダンな一体型ブレスレットデザインまで(ティソ PRXや、さらに顕著なチャペックのアンタークティックなど)、多くの時計を思い起こさせる。これは批判として言っているのではなく、事実として述べている。

Christopher Ward The Twelve Ti 40

 私が最初にクリストファー・ウォードについて書いたとき、それは彼らの代表作であるベル カントについてであった。ソヌリ オ パサージュ(正時ごとにチャイムの音で時間を知らせる特殊機構)を手頃な価格で提供するという点で、いまでも尊敬している時計である。しかしそれもまた、MB&Fの時計と驚くほど似ていた。しかしそれでいいのだ。我々は価格帯が大きく異なるものについて話しており、クリストファー・ウォードがMB&Fであると主張しているわけではない。しかしこの種のデザイン要素は、富裕層だけのものである必要はない。クリストファー・ウォードが頻繁にそうしているように、そのコードを簡単に解決することができるのであれば、それに越したことはないのだ。

Christopher Ward The Twelve

 トゥエルブの最初のモデルを見たとき、私はすぐにそのインスピレーションを再認識した。いま思えば、そのリリースに対するフラテッロのアプローチを高く評価している。彼らは興味深い類似点を強調したが、私が下で共有するチタン 40を使ってみたあとに持つ同じ意見に至った。そう、私にとってこの時計の外観と感触は、396万円(税込)するチャペック アンタークティックと明らかに類似している(ダイヤルのテクスチャー、日付窓の配置、インデックスの形状を見てほしい)。しかし、それがトゥウェルブが悪い時計であるか、または模倣であるという意味ではない。はっきりさせておきたいのは、この時計は楽しくてつけ心地がよく、しっかりとした仕上げとCOSC認定のクロノメータームーブメントを搭載しながら、1895ドル(日本円で約29万7000円)という驚くほど手頃な価格で提供されているということだ。新モデルのトゥエルブ Xはそれ以上のものを備えている。

Christopher Ward The Twelve Ti 40
Christopher Ward The Twelve Ti 40
Christopher Ward The Twelve Ti 40
Christopher Ward Twelve X

 トゥエルブ Xは、オリジナルのチタンモデルをベースに、新たなレベルへと進化している。明らかにスケルトン化以上の変化があるのだ。ブレスレット一体型の時計は、適切なサイズであれば、快適に着用できることが重要であり、このリリースはその要件を望んでいたとおりに合わせて満たしている。自社製SH21ムーブメントを収めるためにケースを直径1mm、厚さ3.35mm拡大。手首につけたとき、特に厚みの違いは明らかだが、丸みを帯びたケースと、ケースからブレスレットまでシームレスに統合されているおかげで、わずかに厚みが緩和されている。

Christopher Ward The Twelve X and Christopher Ward The Twelve Ti 40
Christopher Ward The Twelve X
Christopher Ward The Twelve X

 ベゼルとケースバックはグレード5チタン製で、それ以外はややソフトなグレード2だ。ロイヤル オークのようにハイポリッシュされた表面では、一般的にベゼルの凹みが最も目立つところだが、これはあまり目立たないので、少し不思議に思う。しかしケースとブレスレットの側面の面取りは、注意しないと簡単に傷が付きそうで、その非常にきれいに仕上げられたラインを損なうのは確かに残念である。とはいえグレード5へのアップグレードが役に立つかどうかは分からない。

Christopher Ward The Twelve X

 一方、ほかの部分でグレード2のチタニウムを使用することは、ポリッシュされたエッジとそのあいだのサテン加工された表面の仕上げに役立っている可能性が高い。これはトゥエルブの最大の強みのひとつである。チタンは素材の控えめなビジュアル言語を強調するように扱われることが多いが、適切なレベルの仕上げを施すことで、反射するコントラストや深いグレーの深みの繊細さを引き出すことができるため、より多くのブランドがこの素材を取り入れている。

Christopher Ward The Twelve X

 トゥウェルブ Xのスケルトナイズは、おそらくその最大のセールスポイントのひとつとなるだろうし、それには十分な理由がある。オーデマ ピゲのムーブメントのスケルトンムーブメントが最高峰を極めているのは、多くの点でそれを念頭に置いて一から設計されているからだ。これはロイヤル オーク・ダブルバランスホイール・オープンワークではないが、スイス製のクリストファー・ウォードは4335ドル(日本円で約68万円)でその感覚を少し味わわせてくれる。

 つまり、COSC認定の自動巻きクロノメーターで、精度が高く、5日間(計算したくない人のために言うと約120時間)のパワーリザーブがある時計について話している。これは、非常に明確に、素晴らしいことだ。ロングパワーリザーブを実現するためのツインバレルを含めると、明らかにオープンワークのデザイン性が損なわれるが、パワーリザーブが増えるメリットを考えれば小さな代償だ。この時計は、スケルトナイズされた時計と同じように多少読みにくいが、文字盤の端には時・分が発光材料で明確に示されており、それが助けになっている。

Christopher Ward The Twelve X

 ムーブメントは、価格を考えれば当然だが機械仕上げである。ブリッジと形状をできるだけ単純化し、ブリッジやほかの部品に対照的な色を使用して見た目にインパクトを持たせている。仕上げには“オーダーメイドダイヤモンドカッター”と呼ばれる“最高品質のCNCマシン”を使用しており、その仕上げの際に起こる振動が、表面にシワや波を残す。ただこのような技術は、引き続きこの価格帯に適用されるものであり、このようにうまく実行された場合には素晴らしい価値となる。

Christopher Ward The Twelve X

 トゥエルブ Xのもうひとつの素晴らしい変更点は、バタフライクラスプである。ブレスレットのクラスプの両端にはマイクロアジャスト用のクラスプが付いているため、湿度の変化、体重の増加、あるいはリンクをひとつ取り除いた際に時計がぴったり合わない場合の修正のために、3mmのスペースを調整することができる。ブランドによると、これは“最近まで一体型ブレスレットでは知られていなかった”ことであり、事実ではないという。ヴァシュロンは10年近くものあいだ、オーヴァーシーズコレクションでマイクロアジャスト機能を採用している。しかしいまでは、その価格の何分の1かの時計に搭載されている。このデザインがトゥエルブのほかのバージョンにも採用されるのかどうか、興味深く見守りたい。このレビューを書いているあいだにも、その低価格と大胆な文字盤カラーにますます魅力を感じている。

Christopher Ward The Twelve X
Christopher Ward The Twelve X
Christopher Ward The Twelve X

 クリストファー・ウォードが持つ精神の大部分は、私が最も高く評価しているものである。時計は、製造コストの3倍以上で販売されるべきではないというブランドの強い信念である。これはブランドの消費者直販モデルでしかできないことなので、トゥエルブ Xを探している人はブランドのウェブサイトに行くべきだ。4335ドル(日本円で約68万円)という価格は、非常にお買い得である。クリストファー・ウォードが一体型ブレスレットウォッチを提供するブランドの仲間入りを果たしてから1年が経過したいま、トゥエルブがほかのブランドのデザインのいいところ取りというだけでなく、彼ら自身の明確な特徴として知られるようになるのは時間の問題だろう。

Christopher Ward The Twelve X

クリストファー・ウォード トゥエルブ X。直径41mm、厚さ12.3mmのグレード2とグレード5のチタンケース、100m防水。スケルトン文字盤、時・分・センターセコンド表示。COSC認定の自動巻きムーブメントCal.SH21搭載、2万8800振動/時、約120時間パワーリザーブ。交換可能なチタンとラバーストラップ。価格は4335ドル(日本円で約68万円)