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In-Depth クリストファー・ウォードのチャイムウォッチが時計界を覆した理由とは

C1 ベル カントは衝撃的な価格設定で時計コレクターの注目を集め、ブランドの新たな方向性を打ち出した。そして、第1弾、第2弾を見逃した方にも、3度目のチャンスが訪れようとしている。


2022年11月中旬、クリストファー・ウォードが世界で最も手頃な価格のスイス製機械式チャイムウォッチ、C1 ベル カントを発表してからわずか2週間後、私はこのブランドのデザインおよび時計製造チームの3人のメンバーと話をしていたところだった。新作の説明を受けながら、3人とも興奮気味に話してくれた。

 この時計は未来的で立体感があり、クリストファー・ウォードの表記はダイヤルのどこにもなく、デザインそのものがすべてを語っている。外観はMB&Fなどのハイパーモダンを彷彿とさせ、正時毎に巻き上げられ、時を告げるチャイム機構を見せてくれるのがスケルトン加工である。これは、そのデザインの多くが、より高価なブランドのモダンウォッチやヴィンテージウォッチから軽くインスピレーションを得ていたクリストファー・ウォードのこれまでの製品とは大きく異なるもので、強烈なデザインを引っさげて格上ブランドと競合しようという意気込みがうかがえる。

 クリストファー・ウォードは、2004年にイギリスで設立された初のオンライン限定直販の時計ブランドで、いわゆる“マイクロブランド”の草分け的存在だ。設立10周年を迎えた2014年には、スイスの製造パートナーのひとつであるシナジー・オルロジェール(SH; Synergies Horlogères)と合併し、垂直統合生産を実現した。クリストファー・ウォードは、卓越した時計製造がどのようなものかを知っているだけでなく、それをいかにして身近なものにするかも知っている。同社のダイバーズの平均価格は、1110ドル強(約14万円)である。

Christopher Ward's C65 Super Compressor

C65 スーパー・コンプレッサー courtesy Christopher Ward

 音が鳴るソヌリといえば、この20倍、40倍、あるいは数百倍の値をつけるブランドのものであるのが一般的だ。しかし、クリストファー・ウォードが3595ドル(約46万円)でこの時計を作ったことは、ある種の奇跡だった。サンバーストブルーの美しい “アズーロ(ブルー)”ダイヤルに印象的なコンプリケーションを搭載した300本の初回限定生産モデルは、なんと8時間で完売してしまった。時計コレクターはキャンセル待ちに殺到した。その4日後、グリーンダイヤルの“ヴェルデ”バージョンが発表され、こちらは3時間で完売した。

 2022年11月、最初にCEOのマイク・フランス(Mike France)氏、それからプロダクトマネージャーのヨルグ・ベイダー Jr.(Jorg Bader Jr.)氏、デザイナーのウィル・ブラックフィールド(Will Brackfield)氏、そして主任時計師のフランク・セルツァー(Frank Stelzer)と一緒に話をしたとき、当ブランドにとって、というだけでなく時計産業全体にとって決定的な瞬間と感じられたこと、そしてそれが将来にとって何を意味するかを理解したいと思った。クリストファー・ウォードは、チャイムウォッチを手頃な価格で提供するための秘訣をついに解読したのだろうか? それとも、そもそも手の届く価格で作れるものであったのか、それとも人間らしい価格設定をしたのはCWが初めてだったのか。

 これは、時計界を震撼させたチャイムウォッチの物語である。

Christopher Ward's C1 Bel Canto

C1 ベル カント

起源

クリストファー・ウォードの過去の技術的成功の多くは、2017年までシナジー・オルロジェール(SH)でエンジニア、そしてテクニカルディレクターを務めたヨハネス・ヤーンケ(Johannes Jahnke)氏の指揮下での時計製造設計に依るものだったといえよう。ヤーンケ氏は、同社初の腕時計の発売からわずか4年後の2009年、ブランド初の自社製ムーブメントの開発に取り組んでいた。しかし、ベル カントの舞台となったのは、ヤーンケ氏のモジュール構造へのアプローチだったのだ。

 クリストファー・ウォードが製作し、ETAやセリタの既存ムーブメントに搭載されるSHモジュールは、ハイエンドな複雑時計をより身近なものにするためにデザインされた。まずJJ01は、ヤーンケ氏による超高精度なジャンピングアワーモジュールで、1時間かけて動力を取り戻し、精度に悪影響を与えることなく解放するというものだった。JJ02はモノプッシャークロノグラフモジュール、JJ03はワールドタイマー、JJ04は128年に1日の誤差しか生じない高精度ムーンフェイズ(これは数えるほどのブランドしか実現できない偉業)である。

 こうした土台があったからこそ、クリストファー・ウォードはベル カントのような実験的な試みに十分対応できる立場にあったのだ。JJ01がそのきっかけを作ったが、モジュール機構の重要性に気付いたのは、ブランドの主任時計師であるセルツァー氏だった。

The FS01 Movement

FS01ムーブメント。courtesy Christopher Ward

 セルツァー氏は、設計の複雑さとは裏腹に「非常によく似ていますね」と言う。「日の裏車の中央にあるスネイルやカムに接触するレバーがあります。そして、1時間に1回、レバーが落ちてきて、中央の星型歯車に当たり、それを1ステップ押し出すことで、ジャンピングディスクを動かすのです。そこで、私は思いついたのです。このレバーで星型歯車を打つ代わりに、音の出るバネを打って、素晴らしいゴングのような効果を出してはどうだろうか、と」。

 フランス氏は、セルツァー氏が言うほど簡単なことではなかったと明言する。「この新しいムーブメントには50以上の新しい部品が必要で、私自身、それが可能だとは想像もしていませんでした」と言う。

Photo courtesy of MeisterSinger

Photo courtesy of MeisterSinger

 これらの改造により、1時間の経過を告げるチャイムが1回鳴動するソヌリ・オ・パッセをクリストファー・ウォードは突如として手に入れ、新キャリバーのFS01と呼ばれるSW200セリタベース自動巻きムーブメントを搭載した。このムーブメントは、ドイツのブランド、マイスターシンガーが2021年に発売した3800ドル(約49万円)程度のソヌリで採用されたのが最初だ。そして、その時計は注目を浴びたが、その後に続くモデルとは似ていなかった。

ベル カントとは

2019年になると、開発が本格的にスタートした。

Early designs of the C1 Bel Canto

デザイン画:courtesy Christopher Ward

 チームは大きな可能性を秘めたものがあることを知り、それを人々に見せたいと思い、ムーブメントの仕上げに細心の注意を払ったクロノード社との過去のプロジェクトを思い浮かべたという。しかし、このムーブメントは、実用的ではあるが“不格好”であり、多くの手を加える必要があった。

 MB&Fが確立した立体的なデザイン言語が敬意を抱いていたこともあり、チームは広い視野でこのプロジェクトに取り組み、ナイーブな部分を極力抑えたことで、それが大胆でリスキーなことを成し遂げられる強みになったという。

もし、コスト分析をきちんと行い、財務状況をすべて報告していたら、このプロジェクトはもっと早く中止されていただろうと思います。

– クリストファー・ウォード社プロダクトマネージャー ヨルグ・ベイダーJr.

 「メインコレクションでは、デザイン言語の統一を図り、クリストファー・ウォードらしさを明確にしてきました。しかし、このモデルは既成概念にとらわれないものでした」とブラックフィールド氏は語る。

 チームは初期のデザイン画を見せてくれたが、ベル カントの開発過程で外観のデザインがどれほど変化したかは明らかで、それは逆にセルツァーにとって大きな頭痛のタネを意味した。

C1 Bel Canto Drawings

デザインスケッチ:courtesy Christopher Ward

C1 Bel Canto Drawings
C1 Bel Canto Drawings
C1 Bel Canto Drawings

 「左右対称で、時刻表示をチャイム機構から切り離し、それらのパーツを見せることが重要でした」とブラックフィールド氏は語った。「しかし、部品を移動させるたびに、モジュールはほぼ完全に設計し直さなければなりませんでした。おそらく20回くらいは繰り返したのではないかと思います」

スケッチ:courtesy Christopher Ward

 「すべてのパーツの設計が固まったあと、外観のデザインに取り組みました」と彼は続けた。「私が時計で特に好きなのは、視覚的なボリューム感です。だから、6時位置のブリッジは平らではなかったため、仕上げが非常に難しいことがわかりました。でも、その繊細さが結果的にプラスに働きました」

 また、見せる部分と隠す部分を特に厳選するという現実的な配慮もあった。

 「ダイヤル側に見える部品の数を減らし、それらをできるだけ完璧に仕上げたいということは、かなり早い段階から決めていました」とブラックフィールド氏は言う。「その決断をしたあとは、その部品にこだわり、それ以外の低コストで作れる部品はすべて隠しました」

 「しかし、表側にあるのはダイヤルではなく、実際はモジュールプレート(部品を取り付ける板)です」と、ブラックフィールド氏は続ける。「裏側で物を隠すと、ネジの裏が見えたり、プレートの穴が開いたりしてしまいます。今でも小さな穴はいくつかありますが、最初は15個か20個くらいでした。それに、その時点では、まだ機能するかどうか完全にはわからないのです」

 セルツァー氏が踏むことになった次の手順は、スイスの工房で、フライス盤とCNC装置を駆使して手作業で試作品を自由に作ることだった。

 「試作品のハンマーを見ると、すべて直感で作られたことがわかります。すでに正しい重さですが、形状は100%の完成度ではありません」とセルツァー氏は言う。「この種のプロジェクトでは、各工程に数週間の作業が必要でした」

C1 Bel Canto

 2019年の7月から8月にかけて、チームは時計の外観をほぼ決定し、チャイムのテストも行い、許容できる音への道のりは90%ほどに達した。確かにパテック フィリップのリピーターやF.P.ジュルヌのソヌリのようなチャイムは鳴らないが、誰もそれを期待してはいないのだ。自分たちが望んでいたものを、自分たちが目指した価格で作ることだけでも、それなりの成果だったのである。

 F.P.ジュルヌは、チャイムを鳴らす時計に最適な素材はスティールだと主張しているが、チームはただ直感的に最も硬い素材がベストだと知っていた。

 「当初から、41mmのグレード5のチタンケースにしたいと言っていました」とベイダー氏は言う。「しかし、それがいい音になるかどうかは、100%の確証がありませんでした。それでも最終的には、80種類以上の素材をテストしていたと思います」

 時計の組み立てが始まると、チームは有能なパートナーに頼って、すべてを組み立てるのに必要なパーツを納品してもらった。受け、ゼンマイ、ハンマーはMB&Fなどのメジャーブランドを手がけるクロノード社。モジュール板はアーミン・シュトロームが担当した。2年以上にわたるハードワークと実験の末に、彼らはデビューにふさわしい時計を完成させたのだ。

The sound spring of the C1 Bel CantoC1

Photo courtesy Christopher Ward.

 「もし、きちんとコスト分析を行い、プロセスを通じてすべての収支状況を報告していれば、このプロジェクトはもっと早く中止されていたと思います」とベイダー氏は言う。

 しかし、それでは、C1 ベル カントのような大成功を収めることはできなかっただろう。

リリース
C1 Bel CantoC1

 発売前から、ヒットの予感はあった。ある顧客は、この時計を見るためだけにシカゴからニューヨークまで飛んできて、言葉を失い、涙ぐんでしまったほどだ。

 「彼は決して裕福な人ではなかったので、このような複雑機構を手にすることができたのは、とても感動的な出来事だったようです」とフランス氏は語る。また、時計業界の人たち、ほかのブランドの友人たちが、注文書に自分の名前を書いていましたよ」とフランス氏。 「ここから何かが始まる予感がしましたね」

C1 Bel Canto

 プロトタイプやデザイン、主要部品の選択によってコストを抑え、より高い次元の調達と仕上げを行うことで、クリストファー・ウォードは1万ドルの価格帯をずっと下回る3595ドルを実現するという驚くべきこともやってのけた。また、同ブランドにとって重要なことは、圧倒的な反響があっても、ブランド価値を守り、すべてのモデルで同じ価格水準を維持することだという。

腕につけた瞬間、俺はクリストファー・ウォードが勝者であることを確信したよ。

– @nycwatchguy Instagramより

 そして、デザイン。ここでもほかのところで嫌になるくらい言及されてきた他ブランドとの類似点だ。仕上げは、主にブルー(またはグリーン)のプレートの上など、狙った場所に的確に施されている。ケースの仕上げは秀逸かつバランスが取れている。小さなネジで裏蓋をラグ近くで固定し、30mの防水性を確保しながら、最高の響きを実現している。

 FS01を搭載した新しいベル カントには、JJ01 ジャンプアワームーブメントの面影を見ることができる。1時間のあいだに、ダイヤルを、いや、プレートの上のムーブメントを見ると、ハンマーが時間をかけて“チャージ”され、1時間の終わりに解放される前に引き戻されるのが見える。リピーターのようにチャイムを鳴らすことはできないが、リューズを引き出して時刻をセットし、手動でリューズを回すと、分針がダイヤルの12時を過ぎるたびに何度もチャイムを鳴らすことが可能だ。

The "bird" on the C1 Bel Canto

C1 ベル カントの“鳥”

 この時計は、12時位置に時刻を表示するための小さなダイヤルを備えており、ほかのデザインの邪魔にならない程度に視認性を高めている。ダイヤル上の機構は、光によって変化するサンレイブルーまたはグリーンの上に配置され、露出した歯車、受け、ネジはポリッシュ仕上げ、さらには通常この価格帯では見られないアングラージュ(面取り)が施されている。ゴングはダイヤルの縁を取り囲むように配置され、9時位置付近には同じく丁寧な研磨が施されたハンマーが、今にも打ち鳴らさんばかりに鎮座している。

 このハンマーと赤いオン/オフ表示は、鳥の形を連想させる。尾は時間をまたいで持ち上がり、くちばしは4時位置のボタンを押すことで“音”または“沈黙”を指す。聞きたくないときは、このボタンでチャイムを止めることができる。

 このように、写真で見ても魅力的な時計は、予想をはるかに超える売れ行きを記録した。ブルーダイヤルの限定モデル300本は、8時間で完売。グリーンダイヤルは、2月か3月に発売する予定だった。しかし、発売と同時にウェイティングリストが増えたことを受け、即座に発売することとなった。

The button on the C1 Bel Canto

C1 ベル カントに備えられたサイレンサー

 クリストファー・ウォードが私にサンプル機を貸してくれたので、友人やコレクターの集まりに持参して見せて回った。多くの人は、この時計が通常のリピーターのように操作によって任意にチャイムを鳴らすことができないことに困惑したり驚いたり、チャイムが賑やかなバーの喧噪に打ち勝てないことに失望したりした。しかし、このチャイムが最も得意とするのは、単調な日常を打破することだ。ある日、もう忘れてしまったような、つまらないことでイライラしている自分がいた。そんなとき、“チーン”という軽やかな音が手首から響いてきて、思わず笑みがこぼれた。時計を外して寝るとき、リビングに置いておくことが多いのだが、消音を忘れていると、“チーン”という音が壁を通して夜の静寂を破り、私はまた笑顔になるのだ。それは、ほんの数秒のこの世の不思議を植え付ける、ちょっとした魔法のようなものだった。

 この時計が納品され始めると、さまざまな時計コレクターの手に渡った。そのなかには、ウルヴェルク、AP、そして、そう、MB&Fなどの印象的な作品をコレクションしているInstagramの“NYCWatchGuy”のように、最も情熱的な市井のコレクターの手にも渡った。ベル カントは、そのコレクションのなかで少しも変わり種には思えず、一見何でも手に入れられるように見える人が、自分の好きな時計を欲しがっていることを多くの人が知り、ちょっとした承認を得たように見えた。それは、この時計が価格だけでなく、どこから見ても傑作であることの証しである。

 「腕につけた瞬間、俺はクリストファー・ウォードが勝者であることを確信したよ」とNYCWatchGuy氏は言う。「アーノルド&サンやMB&Fのような雰囲気と、時計好きにもそうでない友人にも見せられるようなチャイムのメカニズム。4000ドルを切る価格で、まさに時計愛好家のための時計だよ。前代未聞だね」

 デザインチームに、自分たちの作品がマックス・ブッサーのような人物と同列に語られるのはどのような気分なのか聞いてみた。「アーノルド&サンやパテック、あるいはAPなどで働いている友人がいて、彼らの同僚が“あの時計、見た?”と言ってきたと教えてくれたときは、本当に特別な気持ちになりました。本当に特別なことです」とベイダー氏は言う。彼は、このプロジェクトが彼らにとって大きなリスクだったことを認めている。でも、今なら 「今回うまくいったから、“またやろう”と思えるのです」

今後の展開

クリストファー・ウォードの快進撃は止まるところを知らない。C1 ベル カントはさらに進化し、ベイダー氏、ブラックフィールド氏、セルツァー氏、そしてチームの創造性とリスクはさらに高まるだろう。

C1 Bel Canto sitting on a table

 C1 ベル カントのリリースから2週間で、このブランドには7000人のコレクターのウェイティングリストが積み上がっており、その数はさらに増えつづけている。ちなみに、クリストファー・ウォードの年間生産数は約2万本だ。

私たちはずっとこういうことをやりたかったのです…、ようやく、もっとやってもいいという許可が出たのです…

– クリストファー・ウォードプロダクトマネージャー ヨルグ・ベイダーJr.

 しかし、ベル カントへの圧倒的な関心の高さをもってしても、生産能力の3分の1をひとつのモデルに傾注することは簡単なことではない。この時計は特に部品に制約条件のため、生産増強のためにはサプライヤーの協力無くしては実現不可能だ。

 「計画では、できるだけ多くの人に門戸を開放し、入手できるようにしておくことです。そうしないと、残念なことになりますから」と、ブラックフィールド氏は言う。

 しかし、今回証明されたベル カントの快挙以外のことはどうだろうか。もっと実験的なことが行われるのだろうか?

 「私たちはいつもこのようなことをしたいと思っていたのですから、あなたの質問は的外れと言えるでしょうね」とベイダーは言う。「これは、私たちがずっとやりたかったことですが、以前は決してできなかったことなのです。だから、やっとこういうことをもっとやってもいいという許しが出たんだという気持ちですね」

 「私たちは常に自分たちのステージをランクアップさせることに非常に興味を持っていました」とベイダーは言う。「今、それを実現するためのライセンスを手に入れたと思います。つまり、お客様の声に耳を傾けなければ、クリストファー・ウォードは成り立ちませんし、お客様から私たちに口を開いてくれるのです。時間はかかるかもしれませんが、2024年にはもう1本、別のモデルが登場すると思います」

The C1 Bel Canto

courtesy Christopher Ward

 多くの熱烈な愛好家を魅了したブルーとグリーンのダイヤルは(限定モデルの厳格なルールに則っているため)、再び登場することはないが、チームはベル カントのデザインに対して持っている今後のアイデアをプレビューで見せてくれた。残念なことに、クリストファー・ウォードは、読者諸兄が予想するような、ありきたりなカラーパレットを使い分けるだけで、その地位に甘んじるつもりはないということ以上の詳細をお伝えすることはできない。

The "bird" on the C1 Bel Canto

 今年の生産数について公式発表はないものの、クリストファー・ウォードの広報は、生産数の面で新境地を開拓するだろうと語ってくれた。

 限定版のアズーロとヴェルデダイヤルのベル カントを買い逃し、キャンセル待ち中の時計コレクターは、すでに内々に(そう私は聞いている)新しい今後のダイヤルオプションの通知を受け、事前注文と内金を納める機会を与えられたということである。2023年1月19日には、同じ機会が一般にも公開され、C1ベル カントのインパクトはますます大きくなっていくことだろう。

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クリストファー・ウォード、C1ベル カントについての詳細、およびキャンセル待ちの受付は、同社の公式ウェブサイトをご覧ください。