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時計の磁気抜きをする方法

時計があまりにも“引きつけ”すぎる場合に。

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大抵の時計所有者にとって、磁気の被害以上に機械式時計のムーブメントにとって大きな脅威となる現代的な要因はないと言えよう。確かに防水性は重要だが、普通、水が入ってくるのは目に見えるし、濡れたくなければ水を避けることができる。それとは対照的に、磁気は時計を毎日着けているうちに忍び寄る目に見えない脅威であり、多くの人が帯磁する時計の1つ(または複数)に対処した経験があると賭けてもいい。

ブランド最新の耐磁ムーブメントとデザインを採用したオリスの新作、アクイスCal.400。

 帯磁した時計は、主要な部品がムーブメント内で通常通りに機能することができないため、動きが悪くなる。その結果、時間の進みが早くなったり、不規則になったり、あるいは磁力が強い場合には完全に止まってしまうこともある。では、どうすればよいのか?

 最初の対処法は、時計メーカーに行くこと、そして時計を脱磁(消磁)してもらうことだ。これは良い選択だが(そして、この記事の残りを読むことを省略できる)、一方で、時計メーカーに行くことは困難な場合があり、率直に言って、それは、時計の磁気抜きをする方法を学ぶことにはならない。自らやってみようとする皆さんに(非常に簡単な)1つの方法として、時計の脱磁ツールを使うことをお勧めしたい。

シンプルな時計の脱磁ツール。

 僕は何年も使っているものが1つある。これは非常にシンプルな装置で、時計用品を仕入れているほとんどのオンラインリテーラーから調達することができる。これはeBayから調達したもので、15ドル以上はしなかった。オン/オフのスイッチが付いた電磁石に毛の生えたようなものだが、この単純なガジェットは、1つの仕事をしてくれる。簡単に時計を脱磁することができるのだ。

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脱磁すべきか?

 一般的に、時計が突然速く動き始めたり、最近パワーリザーブの長さや時計の精度が非常に不安定になっている場合は、脱磁を試す価値があることが分かる。あなたが好奇心から試したい場合や、確認の必要性を感じている場合、時計が帯磁しているかどうかを確認するためにテストする方法がある。

 まず、コンパスを使用することだ。ガーミンのフェニックスやカシオのプロトレックの機能リストの中に隠れているようなシンプルなデジタルコンパスがいい。コンパス機能をオンにしてから、ゆっくりと時計をコンパス表示に近づけていく。時計が近づいたことで方位針が大きく変化した場合、時計は帯磁していることになる。

コンパスを使って、時計が磁力を帯びているかどうかを確認。

 僕はコンパスで針を動かすことができない耐磁時計も所有しているが、針が正常に動かなくなった時計や10°以上の角度で揺れ動いているような時計があると、この装置を取り出す。僕はこれを、包丁をシャープに保つようなつもりで行う。短時間でできるメンテナンスだし、たくさんのコレクションがあっても脱磁に長い時間がかかることはない。

 他の対処法としては、かなりの確率で携帯電話に組み込まれているコンパス機能を使用することだ。いろいろなものを試し、結果としてはるかに信頼性が低いことが判明したのだが、Lepsiと呼ばれるiPhoneアプリがあり、これは特に磁気検出用にiPhoneのコンパスハードウェアを使用するために設計されている。 携帯電話が正しいコンパスハードウェアをもっていると仮定すると、Androidのプラットフォーム上にも同様のものがあるはずだ。多くの携帯電話が強力な磁石を採用するようになったこともあり、僕は常にシンプルなコンパスの方を好んできた。


ツールの使い方

 脱磁を必要とする時計であることを確認し、脱磁ツールを手に入れたら、プロセスは簡単で明確だ。過去の個人的な経験から言えば、あなたがいくつかのやり方に従わない場合、このプロセスは無駄になる上に、時計を痛める磁気のレベルをかえって増加させるかもしれないと知っておいて欲しい。さらに注意事項として、この方法は正常に動いていない時計で実行する必要がある。あなたの時計がハック機能付きのムーブメントを備えている場合は、まずリューズを引き出して止めること。そうでない場合は、時計を脇に置いて脱磁前にパワーリザーブが空になるまで待つことだ。

 脱磁ツールのオン/オフスイッチに隣接した滑らかなパッドの少し上方に時計をかざすことから始めよう。時計を完全に脱磁ツールの上に置いた状態から始めるよう勧めるやり方もあるが、時計をプラスチックの少し上に置くことで(通常はデバイスに自分の指先を置いて)、可能な限りの最高のパフォーマンスが得られることを発見した。あなたの結果は異なるかもしれないが、重要な部分は次のステップで出てくる。

 片方の手でボタンを押したまま、もう一方の手で時計を持ち上げ、ゆっくりと、しかし確実に時計を脱磁ツールから離していく。

 ボタンを押すとライトが点灯するはずだ。これで、ゆっくりと時計を遠ざけることができるようになる。距離に正確な決まりはないが、コンパスの有効領域が約30cmであるとして、僕はかなり高くまで上げるのが好きだ。通常、脱磁ツールによって作成された磁場の外側に時計が来るよう、自分の目線のところまでもってくる。

1.時計が十分離れたら、ボタンを離す。

時計を下に戻すが、脱磁ツールの上には戻さないように(結局のところ、これも磁石だからだ)。これで1回の脱磁サイクルが完了した(まるで時計の魔法のようだ!)。

2.磁力の影響が最小限になるまで、各サイクルを繰り返し、時計を再テストしよう。

 やることはこれで以上だ。現代の多くのブランドが磁気の影響からムーブメントを保護するために長い時間を費やしていることは確かだが、静かで目に見えない磁力の影響を受ける時計の1つや2つは皆もっているに違いない。ありがたいことに、その解決法は安価で使いやすい道具でかなう。あらゆる時計愛好家の、メンテナンスレパートリーに加える価値があるものだ。