Editors' Picks 友人に贈りたいおすすめの時計6選、友達に時計好きになってもらうためのベストウォッチとは

　友人を時計の世界にいざなうのは難しい。ちなみに私は次のような前提条件を想定した。その友人に機械式時計を使ってもらいたいということと、そのために大金をはたいてバカげていると（それは我々の友情をぎこちなくし、財布を軽くしてしまう）思われたくないこと。5万円以下の時計にはおもしろいものがたくさんあり、オリエントやG-SHOCKなどを勧めたくなるが、3万以下で手に入るタイメックス　MK1も多くの人にぴったりだと思う。機械式だし、300万円オーバーのカラトラバやロイヤル オークの話しでコスト感覚が麻痺していない多くの人にとって、この価格は妥当なものだと思う。見た目も機械式時計らしい雰囲気だ。機械式のフィールドウォッチのような外観で、実際そうなのである。もし、この時計を見て機械式時計に興味を持ってもらえれば、自分の時計が長く興味深い伝統の一部であることを知って、心強く、勇気づけられることだろう。1000本の時計の旅路は、1本のタイメックスから始まるのだ。- ジャック・フォースター 

タイメックス　MK1 メカニカルキャンパー、2万8600円（税込）

 「100ドル以下のベストウォッチ」で選んだ時計が、友人が時計に興味を持つきっかけとなる時計としても有力候補であることは驚くに値しないだろう。セイコー5 のSNKシリーズは、カラーバリエーションが豊富で、100ドルを超えるものはない（日本では1万5000円程度で手に入れることができる）。高価ではないが、誰かに時計に興味を持ってもらうきっかけとしては理想的な選択だ。なぜかって？　それは信頼性の高い機械式ムーブメントを搭載していること、本格的な時計ブランドの入門機であること、どんな手首にも合うサイズで、どんなスタイルのストラップにも対応している。それに腕につけてもまったく違和感なく馴染むデザインであることなどだ。家族が時計を買おうと言ってきたら、まずはこれを勧める。そしてSNKは、友人が熱心になり始めた新しい趣味のコレクションに、高級な時計と一緒に堂々と並べられるという利点もある。時計コレクターを目指す人にとって、時計への情熱を育む最初の段階として、これ以上のものはないだろう。そして、万が一時計の魅力に憑りつかれなかったとしても、彼らは素晴らしいデイリーウォッチを手に入れることになるのだ。- ジェームズ・ステイシー 

セイコー5　 SNK、95ドル（約1万〜1万5000円程度）

　以前にも言ったが、多くのツールウォッチ入門機を飛び越える1本を選ぶ最良の方法のひとつは、サーチナ　DS PH200Mを手に入れることだ。トップクラスのダイバーズウォッチの特徴（セラミックベゼル、最先端の技術を駆使したムーブメント、歴史的な血統）をすべて備えているのに、1000ドル（約11万3000円）以下で購入できるのだ。このモデルは、現代の優れた機能に慣れ親しんでもらうための "登竜門"となるダイバースだ。私のダイビング仲間にこのモデルをプレゼントすれば、1年以内にサブマリーナー、シーマスター、ブラックベイ、ジン、セイコー、アクイスについて尋ねてくることだろう。でも、私は彼らに「結局のところ、サーチナがあればいいんだよ」と言う。そして、「時計の世界へようこそ！」と言うのだ。

　目的を絞った時計、特にダイバーズウォッチをプレゼントするという考えが好きだ。なぜなら、それは時計というものを超えて、冒険に出かける理由にもなるから。ダイビング仲間に時計をプレゼントすると、次はシパダン島やケープタウン沖のケルプの森、あるいはグリューナー湖への旅が待っているかもしれない。贈られたものは使うのが道理だろう。何より、ダイバーズウォッチには取扱説明書が必要ない。とにかく外に出て、使ってみよう。- コール・ペニントン 

サーチナ　DS PH200M、980ドル（約11万円）

　私は、時計は概して贈り物としては不適切だと考えている。時計は非常に個人的なものであり、私自身もこだわりが強いため、質の高い、思慮ある贈り物にはならないと思っているからだ。しかし、どんなルールにも例外はあるもの。私はG-SHOCKがどんなシチュエーションにおいても素晴らしいギフトになることを発見した。昨年のホリデーシーズンに親しい友人にGA2100をプレゼントしたところ、以来、彼がそれを身につけているのを何度も見た。ソーシャルメディアの写真や、実際に会ったときに彼がこの時計をつけていると、とてもうれしくなる。- ローガン・ベイカー

G-SHOCK　GA2100-7AJF、1万4850円（税込）

　人に初めての時計を勧めるときには、いつも注意深くなる。15年も時計に携わっていると、多くの人が金額の大きさにショックを受けるような、愛好家が払う高級時計の対価にも驚かなくなってしまうからだ。しかし、私は友人が趣味に熱中し始めたときに、後悔するような時計を持たせたくはない。カーキ フィールド メカは、初めての時計として最適だと思う。6万円前後で、実際の歴史を背景にした素晴らしい外観（この場合はベトナム時代のミルスペック）、80時間のパワーリザーブを備えたパワーアップしたETAムーブメント、そしてちょうどいいサイズ感で、1～2本の予備のストラップを準備しておけば、どんな状況でも素敵な時計として使うことができる。ストラップの交換は、貫通ラグのおかげで簡単だ。つまり、この時計を贈られた新たな所有者は、ほかのカジュアル層はあまりやらない時計のベルト交換というカスタマイズの楽しみも味わうことができる。そして、たとえパテック フィリップのコンプリケーションにたどり着いたとしても、この時計を所有することを嫌がる愛好家はいないと思うのだ。- ジョン・ビューズ

ハミルトン　カーキ フィールド メカ、6万9300円

　私はここで少し語りたいと思う。もし私が、友人をこのクールで素晴らしい趣味の世界に引き込むような時計を選ぶのであれば、バリューだけでなくその背景にも大きな意味を持つものを選ぶべきではないだろうか。PRXは、特に10万円以下という価格から、すでに業界ではヒット商品となっている。しかし、この時計が、オーデマ ピゲのとある高級スティール製スポーツウォッチに不思議なほど（そしておそらく意図的に）似ていることは、（少なくとも知る人ぞ知る）事実なのだ。友人にこの素晴らしいムーブメントの機能と80時間のパワーリザーブを説明することで、自動巻き時計に興味を持ってもらうことができる。また、（もっと高価な）アイコニックな時計の美しさを体験してもらうこともできる。その友人はこうした経験を通してもっと掘り下げたくなり、自分でコレクションを始めるかもしれない。この時計は楽しく、議論を呼ぶ時計であり、友人を最初から趣味の深みに連れて行くのに最適な時計だ。これ以上のものはないだろう。- ダニー・ミルトン 

ティソ　PRX オートマティック ブルーダイヤル、 8万2500円