Editors' Picks 今年のホリデーシーズン、自分へのご褒美で欲しい時計はこれだ

　時計愛好家なら一度は体験しておきたい時計がいくつかある。一つに惚れ込んで指輪をはめてしまえばそれに越したことはないが、ワインを理解するのと同じで、判断や比較の基準を持つために経験しておくべきことがある。例えば、コーアクシャル脱進機を搭載したものやオメガのスピードマスターなどが挙げられる。私の場合、それはいつもレベルソだった。レベルソはあるカテゴリーを定義するだけでなく、それ自体がある種のカテゴリーでもある。エレガントで独創的、ほかの時計にはない触覚的な魅力を持っている。私はこれまで一度も所有したことがないし、幸運なことに、今のところ私のコレクションに埋めたいと思うような隙間はないが、困ったことにこの時計はその一つなのだ。- ジャック・フォースター（Jack Forster）

ジャガー・ルクルト　レベルソ・トリビュート・スモールセコンド ブルーダイヤル 　102万0800円（税込）

　ちょっとした話だ。今年の初めのある夜、ロサンゼルスでの派手なイベントの後、私は業界で有名な時計愛好家とその非常に忍耐強い奥さんと一緒に車のなかにいた。その奥さんが身につけていたのが34mmのブラックセラミック製ロイヤルオーク オートマティックで、先日ブリン・ウォルナー（Brynn Wallner）がA Week On The Wristで試着したものだ。つけてみてもいいかと尋ねたところ、ドジャースの試合でホットドッグでも渡すような気軽さで、すぐにこの500万円以上もする時計が渡された。時計は本当に素晴らしいものだった。暗闇でもキラキラと輝いている。レディスウォッチでありながら、毛深いイタリア人の私の腕にもフィットした。今まで何度も見たことのあるケースの形だが、ワクワクした。仕上げは油膜のように濡れた感じで、黒曜石や火山ガラスのようでもあった。地元のパワーボールで大当たりしない限り、このセラミック製ロイヤル オークの新品を買うことはできないだろう。それにもしセラミック製のものにそんなにお金をかけるとしたら、キース・ヘリングの陶器の花瓶を買ったほうがいいかもしれない。だから、時計サンタの慈悲深さに期待して、このブラックビューティーをお願いしよう。- ニック・マリノ（Nick Marino）

オーデマ ピゲ　ロイヤル オーク オートマティック 34mm ブラックセラミック 　533万5000円（税込）

　最近の熱中の結果か、『ザ・ソプラノズ 哀愁のマフィア』の全編を衝撃的なほど短時間（どのくらいかは言わないが）で見終わったせいか、私はすっかりロレックスのデイデイト、別名“プレジデント”、またの名を“トニー・ソプラノ”の黄金の魔法にかかってしまった。父が所有していて、実家に帰省するたびに滞在中“借りている”状態だ。スポーティなオイスターケースや象徴的なプレジデントブレスレットなど、ほぼ完璧に近い。言うまでもないが、時刻、曜日、日付が一度に表示されるだけでなく、とても見やすいのだ。フル18Kゴールドのスポーツウォッチというとあまりスポーティには聞こえないが、サブマリーナーやGMTマスターなどのツールウォッチと同様、デイデイトも真の意味での“唯一の時計”たる地位を目指している。これ以上のプレゼントはあるだろうか。というわけで、もし家に3万ドルくらいのお金があって、映画好きの某HODINKEE編集者へのプレゼントに使ってくれる人がいたら連絡してほしい。ジャック、あなたの1本を奪うことさえ考えたよ。私の連絡先は知っていますよね？- ダニー・ミルトン（Danny Milton）

ロレックス デイデイト 36mm　 368万2800円（税込）

「うーん…お金だ」  ホーマー・シンプソン 

　あなたが持っているドミノのオイスター・パーペチュアルを見て、Jimmy John's のデイトナを掲げる。見てほしい。18Kゴールドのケースは、さまざまなトッピングを載せた焼きたてのフランスパンの黄金色を彷彿とさせる。そこにセラクロム製のベゼルをつけ、シャンパンダイヤルを添えれば、現代の時計製造において最も美味しい組み合わせのひとつになるだろう。ダブルレッドの文字？　つまらない。タキメーターの90の上のドット？　あーあ。私は中堅サンドイッチチェーンのロゴが刻印されたゴールドのスポーツウォッチという形で新しい道標を見つけたのだ。正直なところ、この1本をさらに良いものにするにはロレックスの“サブ”であることが唯一の条件だ。- トレバー・ギリランド（Trevor Gilliland）

ロレックス　デイトナ  Ref. 116518 Jimmy John's  18Kイエローゴールド、315万9200円（税込）

　ヴォルテール（Voltaire）は「神は我々に人生という贈り物を与えてくれた。良い人生を生きるという贈り物を自分自身に与えるかどうかは我々次第だ」と言ったが、この課題のために、僕は彼のアドバイスをもう少しで不条理に理解するところだった。もし指を鳴らして世界中のどんな新しい時計でも自分のものにできるとしたら、僕はアクアノートの5164Aを注文したいと強く思う。毎日身につけられる時計というパテックのアイデアが大好きだ。スリムなスティールケースと頑丈なラバーストラップで控えめなデザインだ。繊細で巧妙なデュアルタイムコンプリケーションを搭載した（僕にとって）最高の時計だ。市場では6桁ドル近い価格で販売されているため、この夢の時計は僕の実際の夢のなかに、あるいはこのようなリストのなかに永遠に追いやられているだろうけど。 - ジェームス・ステイシー（James Stacey） 

パテック フィリップ　アクアノート 5164A　448万8000円（税込）

 HODINKEE マガジン Vol.8（米国版）に掲載された「Snuck Into Space」という記事のために、私は何時間もかけてモバード データクロン HS 360を調べた。 ジェラルド・P・カー（Gerald P. Carr）司令官は、地表から270マイル上空にあるスカイラブの軌道上の作業場にNASAに知られることなく、この時計を足首につけて持ち込んだのだ。この記事が発表される前はセイコー 6139が、同じミッションに参加したパイロット、ウィリアム・ポーグ（William Pogue）氏が持っていた宇宙初の自動巻きクロノグラフだと信じられていた。その常識を覆したのがモバードだった。その時計はデイトロン HS360というよく似た名前で製造されていた。取材やインタビューを重ね、時間をかけて取材した結果、私はこの時計をとても身近に感じていたが、実際に見たのはほんの一握りだった。驚いたことにHODINKEEのヴィンテージショップで1本見かけたが、今はもうない。でも、もしクリスマスに自分に時計を贈るとしたら、これにしたい。ちょっとした歴史を感じさせる。- コール・ペニントン（Cole Pennington）

モバード　デイトロン HS 360 スーパー サブシー クロノグラフ Ref. 434-705-501 　4900ドル（約56万円）

　今年のホリデーシーズンに、実際に自分のために購入した時計だ。今年はタイメックスにはまっていて、本稿で紹介したネイビー XLを含めて5本購入した。そして今回の新しいコラボレーションは1年を締めくくるのにぴったりだと思う。タイメックスの品質には、購入するたびに感銘を受けてきた。20ドルのウィークエンダーから279ドルのウォーターベリー HODINKEE 限定モデルまで、私はいつもお金を払う価値があると感じている。 - これ以上何を求める？　さあ、私と一緒にインディグロの枝でホールを飾ってみないか？　- ローガン・ベイカー（Logan Baker）

タイメックス　ウォーターベリー HODINKEE限定モデル、279ドル（約3万2000円）