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我々が知っていること
今年の初め、私の同僚であるジョナサン・マクウォーターが、タグ・ホイヤーとポルシェの最新コラボレーションであるタグ・ホイヤー カレラ クロノグラフ × ポルシェ963を紹介した。この時計のデザインは、確かにその目的に応じたアグレッシブなスタイリングであり、レーシングカーであるポルシェ963へのオマージュとして多くの要素が取り入れられている。963本限定と製作本数は多いが、タグ・ホイヤーのウェブサイトやほとんどのオンライン小売店ではすでに完売しているのが現状である。間違いなく、その多くはポルシェオーナーやモータースポーツファンの手首に渡っているに違いない。
ポルシェとのコラボレーションは、あくまで本格的なラインナップへの前置きとしてリリースされたようだが、タグ・ホイヤーは本日、クロノグラフ エクストリームスポーツとして合計6本の時計を発表した。これは、クロノグラフ エクストリームスポーツの4つのバリエーションと、トゥールビヨン クロノグラフ エクストリームスポーツのふたつのバリエーションで構成されている。タグ・ホイヤー従来の“一体型”ラバーストラップ クロノグラフと比較して、新しいラインナップのケースはより立体的な造形を持ち、ジョナサンが記事で触れているように、これは大きなプロファイルをスリムに見せるための重要な技術である。本作を例に挙げると、ケースの直径が44mm、厚さは15.1mmだ。ケースはサテンとポリッシュ仕上げが施され、ケース側面の沈み込んだ部分はコントラストのあるサンドブラスト仕上げを採用。タキメーター表示はマットブラックのセラミックベゼルに配置されている。4本からなるクロノグラフ エクストリームスポーツのすべてにおいて、裏蓋、プッシャー、リューズはすべてDLCコーティングが施されたチタン製であり、インタラクティブなパーツ(時計の操作に直接関わる部分)にはグレード5が、裏蓋にはグレード2チタンが使われている。
この“エクストリーム”シリーズ最大の特徴はダイヤルだ。ブランドによれば、この新世代のスケルトンダイヤルは視認性を向上させるために再設計され、ブリッジの多くにコントラストが強調されているという。ポルシェとのコラボモデルとは異なり、新しいダイヤルではクロノグラフカウンターの中身がくり抜かれており、各インダイヤルのインナーリングに目盛りが印字されている。オープンワークのデイト窓の背後には四角いホワイトスーパールミノバがあり、暗闇でも日付が見えるという巧妙な工夫が施されている。それぞれのカラーバリエーションでは、クロノグラフ秒針、インダイヤル、セコンドトラック、そしてデイト窓がアクセントになっており、とくに私が一番気に入っているのは燃えるようなオレンジのモデルだ。
クロノグラフ エクストリームスポーツの内部で時を刻むのは、最新のCal.TH20-00である。これはグラスボックス クロノグラフにも搭載された現行のクロノグラフムーブメントだ。
今回同じく発表されたほかのふたつの時計は、カレラ トゥールビヨン クロノグラフ エクストリームスポーツであり、1本はオールブラック、もう1本はローズゴールドのデザインである。どちらも直径44mmで、6時位置には日付表示の代わりにトゥールビヨンの開口部を設けている。このトゥールビヨン クロノグラフの構成は、すでにCal.TH20-09を搭載したグラスボックスバージョンで見たことがあるが、正直に言うとタグ・ホイヤーのトゥールビヨンにはこのアグレッシブなスタイリングがよりしっくりくると感じる。モノクロのチタン製クロノグラフにはブラックのフォージドカーボン製ベゼルが採用されており、一方のローズゴールドモデルにはブラックの目盛りが入ったポリッシュ仕上げのローズゴールドベゼルがマッチしている。
タグ・ホイヤー カレラ クロノグラフ エクストリームスポーツモデルの価格は114万4000円からスタート。カレラ トゥールビヨン クロノグラフ エクストリームスポーツは364万6500円(ともに税込)からで、すべてのモデルが今月発売予定である。
我々の考え
まず最初に言っておくと、最近のカレラ グラスボックスの新しいデザインにすっかり心を奪われている。そのため、私はこれらのエクストリームウォッチのターゲット層ではない。これらは完全にモダンかつほぼ未来的でスケルトン化されたレーシングクロノグラフを求める顧客向けのものだ。ブランドが製品名で示しているとおり、まさにエクストリームなのだ。現行のタグ・ホイヤー スケルトン クロノグラフを見ると、時計のあらゆる側面に少しずつこだわりを足していることこそ、この時計の魅力を高めているように思う。
旧カレラ クロノグラフから新しいグラスボックスへの変化を追うと、多くの同様の変更点がこのエクストリームラインにも見られる。ラグが少しスリムになり、全体的にシルエットがより滑らかになっているようだ。唯一気になるのは、ラグとストラップのあいだに追加されたセンターリンクだ。この部分が、ケースのラグからラグまでの距離を強調しすぎる可能性があると思うのだが、ブランドはこのデザイン変更を特に考慮したと説明している。それでも以前のバージョンとは明確な視覚的差別化が図られており、再び言うが、これはまさにエクストリームだ。
トゥールビヨンに関しては、この全体的なパッケージに共鳴するのは特殊な顧客だと思うが、この価格帯でこの複雑機構を備えたモデルはほかにない。タグ・ホイヤーは、400万円以下の価格帯でトゥールビヨンを発表した最初の大手ブランドのひとつ、もしくは唯一のブランドとして、私のなかでは強く結びついている。もしこれがほかの大手メーカーにも、同じ価格帯でトゥールビヨンを提供するきっかけになるのであれば、マーケットのリサーチとして非常に興味深い展開になるだろう。タグ・ホイヤーのほかのトゥールビヨン クロノグラフの売れ行きが非常に気になるところだが、タグ・ホイヤーがCal.TH20-09のバリエーションを継続的に発表しているということは、この戦略がうまくいっていることを示しているのだろう。
基本情報
ブランド: タグ・ホイヤー(TAG Heuer)
モデル名: カレラ クロノグラフ エクストリームスポーツ(Carrera Chronograph Extreme Sport)、カレラ トゥールビヨン クロノグラフ エクストリームスポーツ(Carrera Chronograph Tourbillon Extreme Sport)
型番: CBU2081.FT6274(クロノグラフブルー)、CBU2082.FT6275(クロノグラフオレンジ)、CBU2080.FT6272(クロノグラフブラック)、CBU2050.FT6273(クロノグラフローズゴールド)、CBU5080.FT6272(トゥールビヨンブラック)、CBU5050.FT6273(トゥールビヨンローズゴールド)
直径: 44mm
厚さ: 15.1mm
ラグからラグまで: 49.7mm
ケース素材: チタンまたは18K5Nローズゴールド&チタン
文字盤: スケルトン
インデックス: アプライド
夜光: あり、スーパールミノバ
防水性能: 100m
ストラップ/ブレスレット: 中央にチタン製リンクを備えた一体型ラバーストラップ、チタン製フォールディングクラスプ
ムーブメント情報
キャリバー: TH20-00(クロノグラフ)/TH20-09(トゥールビヨン クロノグラフ)
機能: 時・分・スモールセコンド、クロノグラフ(クロノグラフには日付表示を、トゥールビヨン クロノグラフにはトゥールビヨンを搭載)
パワーリザーブ: 約80時間(クロノグラフ)/約65時間(トゥールビヨン クロノグラフ)
巻き上げ方式: 自動巻き
振動数: 2万8800振動/時
クロノメーター: なし
Pricing & Availability
価格: クロノグラフは114万4000円、DLC加工のクロノグラフは117万1500円、ゴールド&チタンのクロノグラフは171万6000円、チタンのトゥールビヨン クロノグラフは364万6500円、ゴールド&チタンのトゥールビヨン クロノグラフは457万6000円(すべて税込)
発売時期: 2024年9月
限定: なし
詳しくはこちらをご覧ください。
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