見栄えのいい、魅力的な価格のGMTウォッチが欲しいって? そんなうまい話があるわけないじゃないですか。でも、それはセイコーが475ドル(日本国内定価は税込5万2800円)の手頃な価格で、2022年の6月にセイコー 5スポーツ GMTをリリースするまでの話でした。それもお財布に優しいだけでなく、カッコいい時計です。手頃な価格のダイバーズウォッチで、すでに生産終了したカルトクラシックなセイコーSKXコレクションからインスピレーションを得た時計として、これ以上いいものはないでしょう。
セイコーは、いくつかの異なるカラーオプションでリリースしましたが、私はマットブラックダイヤル、大きな赤いGMT針、深みのある輝きで時計の前面を彩るツートンのハードレックスガラス製のベゼルインサートを持つSCBC001(北米ではSSK001)をつけて1週間を過ごしました。特にこの価格帯としては、実に素晴らしい外観です。また、“ジュビリー”風ブレスレットはロレックスほど素晴らしいものではありませんが(それもそのはず、セイコーはその数分の1の価格なのですから)、ソリッドな質感で快適なつけ心地です。
セイコーの時計は、その美しいフェイスだけでなく、内部にも多くの工夫が凝らされています。セイコーの自社製ムーブメントCal.4R34はハック機能、41時間パワーリザーブ、コーラー式のGMT機能を搭載しています。コーラー式GMTとは、GMT針を1時間単位で前方にジャンプさせることができる機能です。これは別のタイムゾーンを把握したい場合には便利ですが、ほかの針に影響を与えることなく、ローカルタイムゾーンに独立して短針を変更できるローカルジャンプGMTほど有用ではありません。旅行中にローカルタイムゾーンを変更するのが驚くほど簡単なので、私はずっとローカルジャンプGMTを好んできましたが、GMT機能の様式はどうあれ、その類の時計を500ドル未満でリリースしたこと自体が快挙だといえます。この点は、セイコーに大きな賛辞を送りたいと思います。
ダイバーズ仕様のSKXを探している人は、ほかの時計を当たってみる必要があります。SCBC001はねじ込み式リューズを備えておらず、防水性能も100mとSKXより100m劣ります。それでも、GMT機能と同じ外観を求めるSKXダイバーのファンなら、十分満足できると思います。SCBC系はダイバー向けではないので、私は気になりませんけれどね。
この時計について、また私の行動的なライフスタイル(ロサンゼルスで本を読んだり、おいしいチーズバーガーを食べたりすること)に対応できるかどうかを確認したい場合は、冒頭の動画をご覧ください。
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