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A Week On The Wrist パテック フィリップ アクアノート Ref.5065Aを1週間レビュー

そう! ネオヴィンテージよ。

読者の皆さん、アクアノートはもうご存じだろうか?

 冗談。もちろん、ご存じだろう! 時計の世界に足を踏み入れたばかりだから知らないという方は大歓迎。私は最近、パテック フィリップのエントリーモデルであるこの時計と、1週間ほど過ごすことができたので、その体験を共有したい。

Aquanaut on wrist

 本題に入る前に、簡単な歴史を振り返ってみよう。アクアノートは1997年にRef.5060A(“A”はフランス語でスティールを意味する“Acier”、私の文句なしの発音を聞くには動画をクリックしてほしい)で、当時の時計界に突如現れた。パテック フィリップのラインナップの隙間を埋めるために設計され、90年代のドットコムブーム(今は亡きpets.comに捧ぐ)の波に乗って時計コレクターのニューリッチ層にアプローチしたアクアノートは、ノーチラスに代わる、よりカジュアルで手頃なパテックの提案だった。

 ジェラルド・ジェンタのデザインを踏襲しつつ、ラバーストラップ、やや小さめのサイズ、“グレネード(手りゅう弾型)”ダイヤルなど、よりスポーティな美意識を感じさせるヒップでヤングなモデルだ。まだまだ話は尽きないが、ジェームス・E・ステイシーによる、非常によく研究され知的にまとめられた記事を紹介しておく。名作は再解釈されるべきものであり、共有されるべきものなのだ。

Aquanaut on a wrist

 この時計は、HODINKEEやほかのサイトで幾度となく取り上げられているのに、今さらなぜこの動画を撮影したのだろう? まぁ、私はおっちょこちょいで行動派なので、興味を持った時計を実際に使ってみて語ることで、読者の皆様にフィードバックできればと考えたからだ。なお、本記事ではアクアノートの全系譜ではなく、2001年に発売されたネオヴィンテージのアクアノートを取り上げた。

Aquanaut dial

 ネオヴィンテージの定義は奇妙な錬金術のようなものだ。いつからが該当するのか一致した定義がないのだ。90年代前半が一般的で、モダンはそれ以降とする意見もある(ふむ)。ネオヴィンテージとは、血統、属性、そしてタイミングが混ざり合ったものなのだ。私が取り上げたアクアノート Ref.5065Aは、このやや曖昧なカテゴリーをより明確化するために登場した。世紀の変わり目に生まれたこの時計の誕生と万能性は、現代のアクアノートにはもはや見られない、いくつかの特徴と相まって、ヴィンテージウォッチコレクターのあいだで珍重されている。また、この時計は、当時の言葉を借りれば“女性への階段を上る少女”であるため、ヴィンテージウォッチの特徴に加え、メンテナンスのしやすさを兼ね備えている。

1週間手首につけてみて

 自慢するわけではないが、私は以前、アクアノートを試着したことがある。しかし、実際に着用したのは今回が初めてで、動画の5秒でも見ていただければ、私がどう振舞うべきか完全に忘れていることがおわかりいただけると思う。アクアノートは一般的に特別な存在ではあるが、この時計は私の足取りにちょっとした活力を与えてくれた。高級な時計を身につけているけれど、その時計を特別なものにしているいくつかのディテールがあるように私には感じられたからだ。この時計は、もっと近くで見る価値がある。

 トリチウム夜光塗料は、最も大きく、最も明白なネオヴィンテージの特徴だ。ダイヤルと針に施されたトリチウムは、完璧なまでに褪色し、現行モデルよりも深い溝を持つダイヤルによく映える(トリチウムは2004年頃までしか使用されなかった)。もちろん、この時計は時計収集の“知る人ぞ知る”存在だったが、もし誰もが数秒間この時計を腕に乗せれば、きっとその色と質感を理解できることだろう。このアクアノートは、ダイヤルの割れ目からストラップに至るまで、まるで瞑想しているような気分にさせてくれる。もし、この時計にコンポジットストラップが付属していなかったら、ダイヤルが求める触感を味わうことができず、悔しい思いをしたことだろう。しかし、幸いにもストラップが付属しているため、サファイア風防を外して私の好奇心旺盛な指でダイヤルに触れてみたい欲望が抑えられた。

strap of aquanaut
strap of aquanaut

 グリーンのストラップの話をしておこう。OEMではないものの、カーキグリーンのコンポジットストラップもコレクターには堪らない希少品で、カルト的な人気を博している。しかし、このグリーンは、手に取ると大胆だが、腕につけると無彩色のようになるのがいい。この日、試着したほかのスタッフも、思ったほどグリーンは目立たない印象を持ったということだ。実際、撮影現場にいた5人全員が試着して、とても素敵に見え、深いため息をつき、恋に落ちた。 映画『旅するジーンズと16歳の夏』のマジック(編注:誰が履いてもピッタリなジーンズが狂言回しの青春映画)がここにある。

 驚くほど美しいラバーとステンレススティールの組み合わせは、コントラストを際立たせ、デザインの系譜を受け継いでいる。このアクアノートの特筆すべき点は、前世代のクローズドケースバックから改良されたシースルーバックで、手にした人はその熱い小さな手でCal.315SCの動作を眺めることができる。

 本モデルは36mmから38mmへとサイズアップしたアクアノート初の“ジャンボ”モデルでもある(現在の基準では、ジャンボと呼ぶにはあまりにも小さいサイズだ。ちなみに現行モデルは42mmだ)。厚さ8mmで腕にしっくりとなじみ、ストラップの形状やテーパリングもバランスよく仕上がっている。パテックの歴史の一端を知ることができ、時計のサイズに対する嗜好の変遷を浮き彫りにするような、楽しい一本だ。

競合モデル

現行アクアノート Ref.5167A

patek philippe aquanaut

 サプライズ!? まずはシリーズ内の競合モデルから。体を鍛えるのが好きな人がよくいう、自分自身や未来の自分との勝負だ。現代のアクアノートには、Ref.5065Aにはない魅力がいくつかある。SS、ねじ込み式リューズ、シースルーバック、コンポジットストラップは共通している。サイズもジャンボではない40.8mmにアップしている。ダイヤルデザインに小さな変更があり、Ref.5060Aのように日付窓を“3”のアプライドインデックスの外側に並列するではなく、現行モデルではカレンダーがインデックスに置き換わり、グレネードダイヤルの深い溝は、より浅くエッチングされたエングレービングに置き換えられた。

 Ref.5167Aは、パテックの多くの時計に採用されている自動巻きキャリバー324SCを搭載し、45時間のパワーリザーブを備えている。

 誰もが大事なことだと思っているが、口に出さないことを敢えて言うと「そう、これらの機能は優れてはいるが、この時計を手に入れることはほとんど不可能に近い」。 そこで、ネオヴィンテージを支持するもうひとつの見方を紹介しよう。正規代理店(現在の希望販売価格は税込310万2000円)から現行のアクアノートを購入すること自体が容易ではないため、中古市場で探すのもひとつの手だが、私の意見としては、Ref.5065Aをハントした方が少しばかり価格に見合う価値が得られるだろう。Ref.5065Aは通常Ref.5167Aよりも140万円ほど手頃な価格帯(700〜840万円)で取引されている。

2006年製ヴァシュロン・コンスタンタン オーヴァーシーズ Ref.47040

Overseas 47040

 この2006年製のヴァシュロン オーヴァーシーズは、Ref.5065Aよりも少し大きめ(42mm)のモデルで、威厳あるブランドから“水”を意識した名を持つスポーティウォッチだ。自動巻きムーブメントにアクアノートで得られたようなムーブメントの動作を眺める楽しみは得られないクローズドケースバックと、一体型SSブレスレットは、腕に乗せた感覚がコンポジットストラップとは異なる。しかし240万円ほどで、賞賛すべきハイエンドな時計を、ドレッシーでないパッケージで、アクアノートの数分の1の価格で手に入れることができるのだ。

最終的な考え

 結局のところ、この時計は素晴らしい。アクアノートを水で薄めたノーチラスと考える人たち(アンチとも言えるかもしれない)が常にいる。私はそうした見方を否定しない。私は誰のボスでもないが(HODINKEEの編集者数名を除いて)、彼らにはこう言いたい。「ねぇ、肩の力を抜いて考えてみなよ。アクアノートの大胆な世界、特にRef.5065Aを見逃してるんじゃない?」

aquanaut on a wrist

 ネオヴィンテージのアクアノートを手に入れたいと思うのは、ごく一部の大金持ちだけだろう。しかし、もしかしたら、もっと予算がない人たち(pets.comに投資しなかった両親を呪う!)は、ほかの時計のネオヴィンテージに目を向け、時計収集の思春期にいる人たちに、コレクションの視野を広げてくれるかもしれない。そのなかには、実用性を損なわず、ディテールにこだわった価値ある時計がたくさんあり、それが人を引きつけるのだ。そして、それこそが時計収集の醍醐味ではないだろうか?

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