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Introducing キングセイコーに、菊つなぎ紋ダイヤルを持つ限定モデルとアースカラーダイヤルを採用した3種の新作が登場

今のセイコーらしい表現は菊つなぎ紋ダイヤルかもしれないが、よりキングセイコーらしいのは初めてルミブライトを採用した3つアースカラーダイヤルモデルだ。

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クイック解説

2022年に復活(ブランドとして)を遂げたキングセイコーから、伝統紋様である菊つなぎ紋をダイヤルで表現した数量限定モデル、そして新たなダイヤルカラーを含む新作3種が発表された。

 セイコー腕時計110周年記念限定モデルして2月に発売されたSDKS013では、キングセイコー生誕の地である東京・亀戸が亀の甲羅の形に似た“亀島”と呼ばれていたことに着想を得て、亀甲文様を取り入れたダークブラウングラデーションダイヤルを採用した。

 新作(以下、SDKA009)では、日本を代表する花である菊をモチーフにした江戸切子の伝統紋様、“菊つなぎ紋”デザインのダイヤルを採用。本作においては日本伝統のものづくりをヒントにした。カッティングラインが細かく交差する“菊つなぎ紋”は江戸切子のなかでも最も高度な技が要求されるが、本作ではこの紋様をホワイトの型打ちダイヤルで表現している。

 また、この限定のSDKA009は1965年に誕生した2代目キングセイコー “KSK” のデザインを受け継ぎ、薄型自動巻きムーブメントのCal.6L35を搭載しているのも特徴。Cal.6L35はセイコーの現行機種において最も薄い自動巻きムーブメントで、ケース構造と風防を改良することによって“KSK” のオリジナルモデルよりもさらに0.2mmの薄型化を実現している。

数量限定モデルの証として、裏蓋には通常盤にも見られる“KING SEIKO”のロゴの下に“Limited Edition”の表記とシリアルナンバーが記されている。

限定のSDKA009ではSS製ブレスレットに加えて、ホワイトのダイヤルとも調和するライトグレーの交換用レザーストラップも付属する。

 そしてもうひとつ新作として加わることになったのが、オリーブグリーンを含む新たなダイヤルカラーを採用した3種のKSK キャリバー6R55モデルだ。ダイヤルカラーは、チャコールブラック(SDKS021)、インディゴブルー(SDKS023)、そして新色のオリーブグリーン(SDKS025)の3種類。創成期のキングセイコーが発売されていた1960~70年代当時のファッションから着想を得てアースカラーを採用したという。

 ダイヤル表面には縦方向のヘアライン仕上げを施し、アースカラーと組み合わせることで、経年変化したような雰囲気を表現。また、力強いインデックスを持つダイヤルデザインに合わせて、時・分針とインデックス外周部にはエイジングカラーのルミブライトを採用し、昼夜を問わず視認性を高めている。なお、現行のキングセイコーでルミブライトが採用されるのは今回が初となる。

チャコールブラック(SDKS021)

インディゴブルー(SDKS023)

オリーブグリーン(SDKS025)

 限定のSDKA009とは異なり、新作3種が搭載するのはCal.6R55だ。デイト表示を備え、コンパクトな自動巻き機構を持つ一方で、3日間(約72時間)のロングパワーリザーブを実現した。また、この新作3種のブレスレットではエンドピースの過度な回転を防止するダブルレバー式の簡易着脱レバーを採用。簡単に付け外しできることに加えて、高級感、着脱のしやすさ、優れたフィット感を合わせ持ったブレスレットとなっている。また既存の10種類のレザーストラップ(別売り)とも組み合わせることができるため、好みに応じて多様なシーンで着用することができる。

 限定のSDKA009は10月7日(土)の発売で、世界限定600本(うち国内展開は200本)、価格は44万円。レギュラーの新作3種の発売は9月8日(金)、価格は25万3000円(ともに税込)を予定している。


ファースト・インプレッション

 新作において注目すべきモデルは、きっと“菊つなぎ紋”デザインダイヤルを持つ限定のSDKA009だろう。“白樺ダイヤル”や“御神渡りダイヤル”、日本特有の季節の情景をダイヤル上で表現した“二十四節気コレクション”など、日本人らしい美意識と審美感をダイヤルで表現したモデルが人気を得るグランドセイコーを筆頭に、近年のセイコーが手がける時計のダイヤル表現にはユニークなものが多く、目を見張るものがある。“菊つなぎ紋”デザインダイヤルは、まさにそうした昨今のセイコーらしさを感じさせる1本だと思う。

 だがより筆者が心引かれたのは、1960~70年代当時のファッションから着想を得たというアースカラーダイヤルを持つ3種の新作のほうだった。

 いまでこそ少し湾曲した“ボンベダイヤル”や先端をダイヤル側にカーブさせた針などは高級時計のディテールとしてもてはやされるが、これは当時、ダイヤルをムーブメントの形状に合わせ、視認性を高めるためのオーソドックスな手法だった。対してかつてのキングセイコーは、ダイヤルや風防の形状を工夫することで、当時としては画期的なフラットなダイヤルとストレートな針の組み合わせを実現させた。そう、こうした合理的・工業的なスタイルのダイヤルやシャープなディテールによるモダンなデザイン表現こそ、今も昔も変わらぬキングセイコーらしい魅力だと筆者は思っている。

 アースカラーを取り入れるなど今っぽいダイヤル表現がなされているものの、KSK キャリバー6R55モデルは縦方向のヘアライン仕上げを施したダイヤル、シャープで力強い針やインデックスなどを持ち、その質実剛健な雰囲気がオリジナルのキングセイコーをほうふつとさせる。また、ケースとブレスレットとの隙間を滑らかにつなぐコの字の形状のラグ(厳密にはケースとブレスレットが接する嵌合部)は、インダストリアルな印象を強調しているように思うし、付け外しが簡単にできるというブレスレットはいかにも合理的ではないか。そして、ルミブライトを採用して暗所での視認性を高めるというのは、これまでのキングセイコーでも見られなかった新しい実用的なディテールだ。

 3種のダイヤルのうち、筆者の好みはオリーブグリーンのSDKS025だ。広報写真で見る限りは文字どおりのオリーブグリーン、オリーブドラブカラーのようだが、実際はどのように見えるのだろう。グリーンの色味は写真と実物でずいぶんイメージが異なる場合も多いので、早く実機で確認してみたいと思っている。

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基本情報

ブランド: キングセイコー(King Seiko)
モデル名: KSK キャリバー6L35限定モデル&KSK キャリバー6R55モデル(KSK Caliber 6L35 Limited Edition & KSK Caliber 6R55 Model)
型番:SDKA009(KSK キャリバー6L35限定モデル)、SDKS021、SDKS023、SDKS025(KSK キャリバー6R55モデル)

直径: 38.6mm(KSK キャリバー6L35限定モデル)、38.3mm(KSK キャリバー6R55モデル)
厚さ: 10.7mm(KSK キャリバー6L35限定モデル)、11.7mm(KSK キャリバー6R55モデル)
ケース素材: ステンレススティール
文字盤色: ホワイトの菊つなぎ紋(SDKA009)、チャコールブラック(SDKS021)、インディゴブルー(SDKS023)、オリーブグリーン(SDKS025)
インデックス: アプライドバー
夜光: KSK キャリバー6L35限定モデルはなし、KSK キャリバー6R55モデルは針とインデックス外周部にルミブライト
防水性能: 日常生活用強化防水(KSK キャリバー6L35限定モデルは5気圧、KSK キャリバー6R55モデルは10気圧)
ストラップ/ブレスレット: SS製ブレスレット&ワンプッシュ両開き方式クラスプ(KSK キャリバー6L35限定モデルは換えカーフストラップつき)


ムーブメント情報

キャリバー: 6L35(KSK キャリバー6L35限定モデル)、6R55(KSK キャリバー6R55モデル)
機能:時・分表示、センターセコンド、3時位置に日付表示
パワーリザーブ: 約45時間(KSK キャリバー6L35限定モデル)、約72時間(KSK キャリバー6R55モデル)
巻き上げ方式: 自動巻き(手巻きつき)
振動数: 2万8800振動/時(KSK キャリバー6L35限定モデル)、2万1600振動/時(KSK キャリバー6R55モデル)
石数: 26(KSK キャリバー6L35限定モデル)、24(KSK キャリバー6R55モデル)
精度: 6L35は日差+15秒~ -10秒、6R55は日差+25秒~ -15秒(ともに気温5℃~35℃において腕につけた場合)


価格 & 発売時期

価格: 44万円(KSK キャリバー6L35限定モデル)、25万3000円(KSK キャリバー6R55モデルは)。ともに税込
発売時期: 10月7日(KSK キャリバー6L35限定モデル)、9月8日(KSK キャリバー6R55モデル)
限定: KSK キャリバー6L35限定モデルは世界限定600 本(うち国内は200 本)。ともにセイコーウオッチサロン専用モデル

詳細は、キングセイコー公式ウェブサイトをご覧ください。