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Introducing ルイ・エラール×ヴィアネイ・ハルターによるレギュレーターIIが登場

スチームパンクウォッチの新章を告げる時計だ。

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我々が知っていること

ルイ・エラールはさまざまなブランドとのコラボレーションだけでなく、レギュレーターダイヤルの分野でも定評のあるブランドだ(言うなれば“コラボレーター”、もしくは“レギュレーターション”という感じか?)。今回同ブランドは、ヴィアネイ・ハルターとの2度目のコラボレーションとして、ルイ・エラー×ヴィアネイ・ハルター レギュレーターIIを発表した。両者の最初のコラボレーションをまだご存じない方のために説明すると、2020年に登場した初代ルイ・エラール×ヴィアネイ・ハルター レギュレーターは、ハルター独特の美学を広く届けるための試みとして作られた。ルイ・エラールが製造を担当し、ハルターがデザインを手掛けたこのレギュレーターは、価格が3500スイスフラン(日本円で約59万2000円)に設定され、ハルターのオリジナル作品に小売市場やセカンダリーマーケットで一般的につけられる高額な価格とは一線を画していた。

First generation Louis Erard Halter

2020年、ルイ・エラールとヴィアネイ・ハルターによる初のコラボレーションが実現した。

 両者において初のコラボレーションが、ハルターのモダンな美学を反映したものであったのに対し、今回の第2弾はハルター氏の代表作であるアンティコアからインスピレーションを得たものだ。スチームパンクを思わせるその独特のデザイン言語は、温かみのある金属の色合い、シャープに面取りされたフォルム、そして何よりも特徴的な(しかも大量の)リベットによって際立っている。今回のレギュレーターは、特異で魅力的なアンティコアのパーペチュアルカレンダーに見られる分割式の文字盤と精神的に通じるデザインを強く表現しているといえよう。

halter wrist shot

 このコラボレーションでは価格を抑えるために機能をシンプルにし、時計は時刻表示のみに絞ったレギュレーターモデルとして仕上げられている。ここにはハルターならではの複雑機構は存在しないが、その代わりにデザインが全面に押し出される形となった。文字盤上には、時・分・秒表示がそれぞれ分割され、独立したレイアウトで配置されている。これまでのルイ・エラールのレギュレーターは、基本的にセリタ製ムーブメントSW266-1を採用した対称的な配置が主流だったが、今回は大胆に非対称性を採用。ムーブメント自体を時計ケース内で数度回転させたデザインとなっている。その結果としてリューズが2時位置に配置されることになり、この小さな変更が大きな視覚的インパクトを生み出し、より“ハルターらしい”仕上がりとなっている。文字盤上で盛り上がったインダイヤルと外周のチャプターリングにはサーキュラーブラッシュ仕上げが施され、ダイヤモンドポリッシュによるシャープな面取りが加えられている。これらの立体的な要素は垂直にヘアライン仕上げが施された文字盤プレートの上に配置され、ハルターらしいブルースティール針がその美観を完成させている。

Halter Soldier for E-Commerce
crown closeup
caseback shot

 時計のベゼルにもサーキュラーブラッシュ仕上げが施され、ポリッシュ加工された12個の“レッドギルト”(ブランドによると5NのPVDコーティングが施されたもの)のリベットが、事実上の時刻マーカーとして配置されている。ケースのサイズは直径43mmとかなり大きいが、厚みは10.95mmと適度に抑えられている。またラグ幅が22mm、ラグトゥラグの長さが49.6mmであることから、装着時には非常に力強い存在感を放つであろうと想像できる。さらに特筆すべきは、リューズを取り囲むリベットのデザインであり、時計愛好家ならフランスの時計職人によるものであることをひと目で見抜けるような際立った特徴を有している。

the two side by side

左のモデルはeコマース専用で、右のモデルは小売店専用である。

 今回のコラボレーションでは、実は2種の異なるモデルが発表されている。両モデルともレイアウトは同じだが、文字盤の配色が反転している。一方は公式eコマース限定で販売され、もう一方はパートナーである小売店専用で展開される予定だ。それぞれ178本限定となり、価格は4444スイスフラン(日本円で約75万円)に設定されている。


我々の考え

これは前述のとおり釘づけになる(リベットを使った=riveting)デザインである。冗談はさておき本作はルイ・エラールのレギュレーターモデルとして非常に魅力的なアプローチであり、アラン・シルベスタイン、クドケ、マッセナ LABなどと行ってきた強力なコラボレーションモデルのなかでも、現時点では特に私のお気に入りとなっている。

 近年、高級時計メーカーが有する強力なデザイン言語をより手ごろな価格帯のモデルに反映させようとする試みが数多く見られる。つい先日もグローネフェルド(Grönefeld)兄弟が自身の新ラインでこのコンセプトに即したモデルを発表したばかりであり、MB&Fから派生したM.A.D.エディションもここ数年話題の中心となっている。さらにはムーンスウォッチでさえも、このアイデアに当てはまる時計だと言えるだろう。

closeup of the dial

 ルイ・エラールとヴィアネイ・ハルターのコラボレーションにより誕生した今回の時計は、デザイナーとしてのヴィアネイ・ハルター(Vianney Halter)氏の美学に魅了されながらも、時計師としてのハルター氏が要求する価格には手が届かないという人々にとって非常に魅力的な一品となっている。今回のモデルは初回コラボレーション時の価格である3500スイスフラン(日本円で約59万2000円)よりも高額になっているが、新モデルは以前のモデルよりもはるかに洗練されていると感じられる。しかしケースサイズの大きさについては、個人的には気になる点のひとつである。というのも、ハルターの作品はこれまで一貫して比較的小振りなサイズ感を保ってきたからだ。特に時刻表示のみのモデルでは36mm程度が主流であった。しかしこの時計を実際に手に取って見たわけではないため、この点についての最終的な判断は保留としたい。


基本情報

ブランド: ルイ・エラール×ヴィアネイ・ハルター(Louis Erard x Vianney Halter)
モデル名: レギュレーターII(Le Régulateur II)
型番: 85246AA03.BVA172(小売店専用モデル)/85246AA02.BVA172(eコマース専用モデル)

直径: 43mm
厚さ: 10.95mm
ケース素材: SS
文字盤色: レッドゴールド(小売店専用モデル)/シルバー(eコマース専用モデル)
インデックス: プリント
夜光: なし
防水性能: 50m
ストラップ/ブレスレット: レザー


ムーブメント情報

キャリバー: セリタ SW266-1
機能: レギュレーター表示による時・分・秒表示
直径: 25.6mm
厚さ: 5.6mm
パワーリザーブ: 38時間
巻き上げ方式: 自動巻き
振動数: 2万8800振動/時
石数: 31


価格 & 発売時期

価格: 4444スイスフラン(日本円で約75万円)
発売時期: 発売中
限定: ともに178本限定

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