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Introducing ロンジン コンクエスト ヘリテージ セントラル パワーリザーブ(編集部撮り下ろし)

ヘリテージへのオマージュを大切にしつつも、現代的な感覚を取り入れてアップデート。その歴史にあぐらをかくことのない、進取果敢な今のロンジンらしい新作だ。

Hero Image by Masaharu Wada ほかクレジット表記のない画像はすべてロンジン提供。

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クイック解説

ロンジン初の名前を冠するコレクションとして誕生したコンクエストが、1954年にスイス・ベルンのFederal Intellectual Property Office(連邦知的財産庁)にその名が保護されてから今年で70周年を迎えた。これを記念して、歴代コレクションのなかでも特徴的なダイヤルデザインが異彩を放つロンジン コンクエスト パワーリザーブへのオマージュモデル、コンクエスト ヘリテージ セントラル パワーリザーブが発表された。

ロンジン コンクエスト パワーリザーブ(1959年製)。Photo by Masaharu Wada

 インスピレーションの源になったのは、1959年に登場したRef.9028のロンジン コンクエスト パワーリザーブだ。この時計はダイヤル中央にふたつの回転ディスクでパワーリザーブを表示するユニークなインジケーターシステムを採用するが、これはロンジンが開発したものであり、現在でも同ブランドでのみで使用される歴史的遺産である。

 新作のコンクエスト ヘリテージ セントラル パワーリザーブのダイヤルは、バトン形のパワーリザーブインジケーターを配置した中央巻き戻しディスク、64から0までの数字とドットによる目盛りを設けた外周の巻上げディスク、そして一番外側の固定されたアウターダイヤルの3つで構成されている。

 ユニークなのはパワーリザーブを表示する仕組みだ。リューズ、もしくは手首を動かして回転ローターで香箱車を巻き上げると、バトン形のパワーリザーブインジケーターを配置した中央ディスクはそのままの位置で固定され、外周の目盛りディスクが64を最大値として時計回りに回転する。そして通常時は外周の目盛りディスクの0に向かってバトン形のパワーリザーブインジケーターを持つ中央ディスクのみが時計回りに回転し、パワーリザーブ残量、つまり時計の残り駆動時間を表示する。64から0までの目盛りでパワーリザーブ残量を読み取るこの外周ディスクは、任意の場所でバトン形のインジケーターと合わせることができるが、その動きは動画を見るとより理解しやすいので、こちらもぜひご覧いただきたい。

 本作は通常コレクションとして展開されるもので、下地のサーキュラー装飾が透けた絶妙な色合いのアンスラサイトをはじめ、上品で温かみのあるシャンパン、精悍なブラックの3色ダイヤルをラインナップする。

 歴代コレクションにも見られ、アイコニックなモチーフでもある細いサークルが彫られたアウターダイアルには、12個の立体的なファセット加工のアプライドアワーマーカー、特徴的なスカイクレーパー(超高層ビルのような形状からこう呼ばれる)形の時・分針をセット。アンスラサイトダイヤルにはローズゴールドカラー、シャンパンダイヤルにはイエローゴールドカラー、ブラックダイヤルにはシルバーカラーのものをそれぞれ合わせて、12時位置には同じカラーリングで台形型の日付表示窓をレイアウトした。

アンスラサイトダイヤル(Ref.L1.648.4.62.2)

シャンパンダイヤル(Ref.L1.648.4.78.2)

ブラックダイヤル(Ref.L1.648.4.52.2)

 既存のコンクエスト ヘリテージコレクション同様、ケースはサテン仕上げとポリッシュ仕上げを交互に施した38mm径のステンレススティール製だ。ヴィンテージ感を高めるボックス型サファイアクリスタル風防を合わせるが、両面に多層反射防止コーティングを施すことで視認性にも配慮。3モデルはすべて新しいSS製ピンバックル付きのアリゲーターストラップ仕様で、アンスラサイトダイヤルにはグレー、シャンパンダイヤルとブラックダイヤルにはブラックカラーとすることで時計全体の統一感を確保した。

 そんな小振りなケースに収まるのは、ロンジンの新たなエクスクルーシブ自動巻きキャリバーとなるL896.5。前述の伝統的でユニークなパワーリザーブインジケーターシステムに加えてシリコン製ひげゼンマイを持つこのムーブメントは、ISO764規格が定める耐磁性基準(4800A/mの磁気にさらされても日差±30秒以内を維持)を大きく上回る耐磁性を備えており、ねじ込み式のシースルーバック越しにその動きを見ることができる。

Photo by Yuki Matsumoto

 3モデルとも価格はすべて共通で59万5100円(税込)。すでに発売を開始しているが、これに合わせてコンクエスト 初代モデル(1955年製)や、コンクエスト パワーリザーブ(1959年製)をはじめとする貴重なアーカイブモデルを展示するフェアが銀座三越 新館4階 ウォッチと阪急うめだ本店 6階 インターナショナルブティックス ウォッチギャラリーにて期間限定で開催される。

 期間中は新作はもちろんのこと、銀座三越 新館4階 ウォッチではコンクエストやコンクエスト ヘリテージコレクションの多彩なモデルをラインナップ。阪急うめだ本店 6階 インターナショナルブティックスウォッチギャラリーでは、ヘリテージにルーツを持つベストセラーコレクションが揃うという。

銀座三越 新館4階 ウォッチ ロンジン フェア
期間:2024年1月31日(水)~2月20日(火) ※アーカイブモデルの展示は2月12日(月・祝)まで
場所:銀座三越 新館4階 ウォッチ

阪急うめだ本店 6階 ウォッチプロモーション  ロンジン ヘリテージウォッチ フェア
期間:2024年月15日(木)~2月27日(火)
場所:阪急うめだ本店 6階 インターナショナルブティックス ウォッチギャラリー


ファースト・インプレッション

今回、オリジナルと新作を同時に見る機会が得られたので断言したい。新作は決して忠実な復刻を狙ったモデルではない。プレスリリースのなかで、“画期的モデルにオマージュを捧げ、デザインとテクノロジーを進化させたのが、この新作”と評しているが、まさにその通り。オリジナルに敬意を払いつつも、現在でき得る最善を盛り込んだ挑戦的なモデルだ。

Photo by Yuki Matsumoto

 まずはダイヤル。新作はオリジナルの特徴をよく捉えている。6時位置のコレクション名を表すフォントは、オリジナルにほぼ忠実で見事な再現度である。一方で、ボンベダイヤルのカーブは新作のほうがより強く、オリジナルではダイヤルに彫られた細いサークルを分断して埋め込まれるようにアプライドインデックスがセットされているのに対し、新作ではインデックスが溝の上をまたがり浮いているように見える。

 加えて、新作では彫られたサークルにも処理が施され、インデックスの立体感がより強調されている。時・分針、そして3・6・9時位置の一部にもスーパールミノバ®を塗布することで暗所でも見やすく視認性が高い。また新作ではオリジナルになかったハック機能と日付の早送り機能が実装されており、実用性が確実にアップデートされている。

 あえて難点を言えば、ラグ幅が19mm(オリジナルは18mm)とスタンダードな数字ではないこと、それと特別な工具なしに簡単にストラップ交換ができるイージークリックが付いていないところだろう。頻繁にストラップ交換をしたいという人は注意しておきたいポイントだ。

左が新作、右は元となったオリジナルだ。並べて見比べると違いがよくわかる。Photo by Yuki Matsumoto

 オリジナルのケース径が35mmであるのに対して、新作は38mmだ。ヴィンテージ好きからはオリジナルと同サイズにして欲しいという声が聞こえてきそうだが、筆者が新作でもっとも感心したのは、その優れたバランスである。確かに3mmほど径が大きくなっているため、手首に乗せると新作のほうが存在を主張する。パッと見のサイズ感はかなり大きくなったが、ラグ・トゥ・ラグは新作が約45mm、オリジナルは約43mmで、ケース厚は前者が約12.3mm、後者が約10mm(新作のケース厚のみ公式による。それ以外は筆者の計測値)。新作はラグを太く短くすることで、オリジナル全体のサイズ感から逸脱しないように配慮されている。

 また、どちらも手首に巻いてみたが、重量バランスがほぼ同じだったのも感心したところだ。これは筆者の私感だが、オリジナルはクローズドケースバックであるのに対して、新作では重いサファイアクリスタルのシースルーバックとすることで手首側の重量が増して時計の重心を下げ、フィット感を高めているように感じた。本作で採用されているシースルーバックは単にムーブメントを見せるというだけでなく、フィット感を高めるのにも効果的で意味のある仕様なのだと思う。

Photo by Masaharu Wada

 ちなみにシャンパンとブラックダイヤルは下地の仕上げが見えないマットな質感だが、これも針とインデックスの存在感を強調し、視認性を高めているようだ。なお、アンスラサイトダイヤルはオリジナルのような下地のサーキュラー装飾が感じられる質感を持つため、オリジナルの雰囲気が好みに近いならアンスラサイトダイヤルをおすすめしておく。

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基本情報

ブランド: ロンジン(Longines)
モデル名: コンクエスト ヘリテージ セントラル パワーリザーブ(Conquest Heritage Central Power Reserve)
型番:L1.648.4.78.2(シャンパン)、L1.648.4.62.2(アンスラサイト)、L1.648.4.52.2(ブラック)

直径: 38mm
厚さ: 約12.3mm
ケース素材: SS
文字盤色: シャンパン(L1.648.4.78.2)、アンスラサイト(L1.648.4.62.2)、ブラック(L1.648.4.52.2)
インデックス: ファセット仕上げの12のアプライドインデックス(L1.648.4.78.2は2Nイエローゴールドカラー、L1.648.4.62.2は5Nローズゴールドカラー、L1.648.4.52.2はシルバーカラー)
夜光: 時・分針、3・6・9時位置にスーパールミノバ®
防水性能: 5気圧
ストラップ/ブレスレット: SS製バックル、L1.648.4.78.2とL1.648.4.52.2はブラックアリゲーター、L1.648.4.62.2はグレーアリゲーターストラップ


ムーブメント情報

キャリバー: L896.5(ロンジン エクスクルーシブ)
機能: 時・分表示、センターセコンド表示、12時位置に台形型の日付表示、ダイヤルセンターに2枚の回転ディスクによるパワーリザーブインジケーター
パワーリザーブ: 約72時間
巻き上げ方式: 自動巻き
振動数: 2万5200振動/時
石数: 21
クロノメーター認定: なし
追加情報: シリコン製ひげゼンマイ採用


価格 & 発売時期

価格: 59万5100円(税込)
発売時期: 発売中
限定: なし。通常コレクション

詳細は、コンクエスト ヘリテージ セントラル パワーリザーブの特設ページへ。ロンジンの公式ウェブサイトはこちらをクリック。