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Watch Spotting マーティン・スコセッシ、『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』の撮影時にロレックス “カーミット”サブマリーナー Ref.16610LVを着用

映画の巨匠は撮影現場でめったに見ることのないツールウォッチを愛用しており、それを証明する写真が発見された。

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最初に発表されたときから、私のカレンダーに(上映の)印がついている映画があるとすれば、それはマーティン・スコセッシ(Martin Scorsese)監督の映画『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン(原題:Killers of the Flower Moon)』だ。これはデイヴィッド・グラン(David Grann)による同名書籍を映画化したもので、1920年にオクラホマ州で起きたオーセージ族の凄惨な殺人事件を追跡している。FBI誕生を同時に取材しながら、陰謀を解明していくミステリー作品だ。そしてこれは不穏な展開ながら、すべてノンフィクションである。昨年、3日ほどで読み上げたのだが、全員に強くおすすめしたい本だ。少なくとも学校の歴史書では学ばなかったであろう悲劇について学ぶことができるかもしれない。

 スコセッシ監督がこのプロジェクトを映画として引き受けたとき、レオナルド・ディカプリオ(Leonardo DiCaprio)が、この巨大な殺人陰謀の中心人物、アーネスト・バークハート役で出演することも決定していた(ここではネタバレしないようにするが、歴史はあくまでも歴史だ)。2021年10月に映画の主要な撮影が完了すると、基本的には長い待ち時間となった。

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マーティン・スコセッシ監督とロバート・デ・ニーロ(Robert DeNiro)が、『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』の撮影現場で笑い合っている。 Image courtesy of Apple Films

 しかし、この映画がロバート・デ・ニーロやジェシー・プレモンス(Jesse Plemons)出演、そして故ロビー・ロバートソン(Robbie Robertson)による書き下ろし楽曲など、この映画が強力な作品であることはすでにわかっていた。そして壮大な待ち時間の末、ついに『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』が全国各地の映画館で上映された。今週末に見る予定だが、この映画にまつわる舞台裏のエピソードについても深く掘り下げていく。それが今日の話題の時計関連の部分に出会うきっかけとなった。

 スコセッシ監督は実質的にロレックスのブランドアンバサダーであり、ロレックスの公式キャンペーン資料やインタビューの際、プレジデントブレスレットに何らかのバージョンのデイデイトを装着しており、その姿をしばしば目にする。実際、この時計から監督を連想するようになった。しかし、『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』の撮影現場の舞台裏映像が次々と出てくるようになるにつれ、彼の手首を飾るロレックスのオイスターブレスレットが気になり始めた。

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『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』の撮影現場にて、マーティン・スコセッシ監督とセリフを交わすレオナルド・ディカプリオ。フレームの下から覗くグリーンのベゼルに注目。Image courtesy of Apple Films

 詳しく調べたところ、スコセッシ監督はロレックスのサブマリーナー Ref.16610を長年所有し、愛用していたのだ。だが、これはただのRef.16610ではなかった。彼が選んだのは、サブマリーナーの誕生50周年を記念してつくられた、グリーンのアルミニウムベゼルを持つ16610LV、別名“カーミット”サブマリーナーと思われるモデルだった。これは2003年に発売され、アルミベゼルからセラミックへと移行が始まる2010年までロレックスコレクションに残っていたものだ。特筆すべきは、当時の同系統のサブマリーナーとは異なり、“マキシ”(インデックスのドットが通常よりも大きく配されたもの)夜光ダイヤルを備えていることである。

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ロレックス サブマリーナー Ref.16610LV、通称“カーミット”。

 インターネットのアーカイブに飛び込み、この時計をつけているスコセッシ監督を探した結果、映画の重要なプレス写真を含む、『キラーズ』の撮影現場写真にたどり着いた。そこには彼がこの時計を着用している姿が写っている。彼にとってこの時計が重要な意味を持つものであり、頻繁に愛用する時計であることは明らかだ。

 実際のところ、スコセッシ監督が撮影のあいだずっとオクラホマに持ち込んでいた腕時計は、これだけだったかもしれない。監督がサブを身につけているのを見るのは、必ずしも驚天動地のニュースではないが(基本的にジェームズ・キャメロンがこの前例を作ったため)、スコセッシ監督の場合は特別なものに感じられる。彼は“プレジデント”であり、これはツールウォッチなのだ。さらに彼がツールウォッチを身につけながら仕事に従事しているのを見るのも驚くべきことだ。おもしろいのは、彼がその場に合わせて衣装を変えるわけではないということ。スラックスのなかにドレスシャツをインしている姿を今でも見かける。よりカジュアルになるのは時計だけなのだ。

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リリー・グラッドストーン(Lily Gladstone)と、マーティン・スコセッシ監督(影が落ちた彼のロレックス サブマリーナー Ref.16610LVとともに)が、『キラーズ・オブ・ザ・フラワー・ムーン』のセットに登場した。Image courtesy of Apple Films

 おもしろいことに、『キラーズ・オブ・ザ・フラワー・ムーン』の撮影後、『DUNE/デューン 砂の惑星(原題:Dune)』のスターであるティモシー・シャラメ(Timothée Chalamet)と“ブルー ドゥ シャネル”のCM撮影で共演したスコセッシ監督の腕に、この時計が巻かれているのを発見した。上の写真では緑色のベゼルがわかりにくいが、この下の写真では時計を確認できるし、ほぼ間違いないだろう(マキシダイヤルがすでに決定的な証拠だが)。

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ティモシー・シャラメが、ロレックス “カーミット” サブマリーナーを着用したマーティン・スコセッシ監督と対談している。Image courtesy of Getty

 『キラーズ』の公開を控え、レッドカーペットやさまざまなインタビューをチェックしたが、サブマリーナーの姿はどこにもなかった。これはスコセッシ監督の映画製作用の時計であり、彼が“アクション”や“カット”と叫ぶときに身につけ、俳優たちと一緒に仕事をするときに手首に巻かれているものであり、我々が愛してやまない映画を作った思い出が詰まっているのだろう。今週末、映画館にてお会いしよう。