trophy slideshow-left slideshow-right chevron-right chevron-light chevron-light play play-outline external-arrow pointer hodinkee-shop hodinkee-shop share-arrow share show-more-arrow watch101-hotspot instagram nav dropdown-arrow full-article-view read-more-arrow close close email facebook h image-centric-view newletter-icon pinterest search-light search thumbnail-view twitter view-image checkmark triangle-down chevron-right-circle chevron-right-circle-white lock shop live events conversation watch plus plus-circle camera comments download x heart comment default-watch-avatar overflow check-circle right-white right-black comment-bubble instagram speech-bubble shopping-bag

Steal Vs. Splurge ノモス・グラスヒュッテとユンハンス ミニマリストの狂気

よいデザインで低価格な時計たち。

ADVERTISEMENT

ノモス・グラスヒュッテのタンジェントとユンハンス マックス・ビルは、同じ生地から作られた洋服のようなものだ。どちらもドイツに拠点を置き、バウハウスを参考にしたミニマルなデザインを採用している。この2つの会社は、本格的な価値と本格的な伝統デザインを提供することで高く評価されているが、その価値提案のレベルは異なる。今日は、ユンハンスのマックス・ビル オートマティックとノモスのタンジェント ネオマティック 39という、36~40mmに属する2本のノンデイト白/シルバー文字盤の自動巻きステンレス製3針ドレスウォッチをクロスショッピング。あなたはどちらを手に入れただろうか?


お手頃品を手に入れる

Talking Watchesで紹介したユンハンスのマックス・ビル。

モデル名: ユンハンス マックス・ビル Ref. 027/3500
価格: 15万9500円(税込)

なぜこの時計がクールか

 まず、Gary Shytengart氏が所有しているマックス・ビルは、私のなかでは文句なしにかっこいい。そして、このウォッチコレクションの名前の由来となったデザイナー、マックス・ビルの存在がある。

アーティスト兼デザイナーのマックス・ビル。1970年(写真:Marcel Vogt)

 ビルは、20世紀を通じてスイスの兼業クリエーターであった。バウハウスのメンバーであり、提唱者でもあった彼は、その生涯において建築や絵画、工業デザインやグラフィックデザインなど、さまざまな分野で実験を行った。ユンハンスとのパートナーシップは、1950年代後半にクロックのシリーズから始まり、1961年には腕時計を発表。マックス・ビルがデザインした時計は、デザイン関係者や時計愛好家のあいだで高く評価されており、彼がデザインしたキッチンクロックの1つは、ニューヨーク近代美術館のパーマネントコレクションに収蔵されている。ユンハンスは、ビルのデザインを忠実に再現することで、数十年にわたる成功を収めてきたのだ。

バウハウスの校舎(デッサウ)。(写真, Mompl)

 40mmの自動巻きクロノグラフ、35mmの手巻き、そしてここに掲載している38mmの自動巻き、さらにエントリーレベルのクォーツなど、ユニセックスで使用できるさまざまなモデルが用意されているが、マックス・ビルシリーズは、いくつかの重要な外観特性によって容易に識別可能だ。なかでも特に重要なのは、ネガティブスペースを巧みに利用し、垂直線を戦略的に用いてバウハウス時代の本格的なタイポグラフィを採用した、シンプルなダイヤルである。

 マックス・ビル・リストウォッチは、60年前に発売された当時と同じように、今もなお、時代を超えたデザインオブジェとして愛されている。

なぜ手頃なのか

 ユンハンスのマックス・ビルは、さまざまなスタイルの時計が存在するが、どれも比較的手頃な価格だ。今回ご紹介する38mmの自動巻きモデルは、10万円台中盤という、ドイツ製の高品質な自動巻きモデルとしては驚異的なコストパフォーマンスを実現している。

ユンハンスのマックス・ビル オートマティック Ref. 027/3500.00

 ユンハンスは、ベゼルのない比較的シンプルなケースデザイン、ポリッシュ仕上げのステンレススティールケース、耐傷性の高いサファイアクリスタルではなくドーム型のプレキシガラスクリスタルなどを採用。(公平を期すために、ユンハンスはプレキシガラスに自動車産業用に開発された特殊な素材をコーティングしており、クリスタルの耐傷性、耐紫外線性、耐薬品性を向上させているという)

 この時計の内部には、スイス製のETA2824が搭載される。このムーブメントは優れた実用性を備えるが、内部の卓越性という点ではマックス・ビルのデザインの高みには及ばない。15万円が予算オーバーだという方も、心配はない。手巻きモデルは12万円前後、クォーツモデルは10万円前後からのスタートとなる。

ADVERTISEMENT

贅沢なものを手に入れる

モデル名: ノモス・グラスヒュッテ タンジェント ネオマティック 39 Ref. 140
価格: 47万3000円(税込)

この時計がクールか

 さて、ゲイリー・シュタインガルト氏(米国人ライター)の指標によると、ノモスはユンハンスの2倍のスコアを獲得しており、ノモスの時計も2本コレクションしている。

 彼の選択はともかく、ノモスは様々な意味で現代の驚異的な時計メーカーと言えるだろう。同社は、ドイツ時計産業の中心地であるグラスヒュッテに2つの工場を持ち、ベルリンに自社のデザインスタジオを持つ、設立からわずか30年の会社だ。ノモスは完全に独立した企業であり、過去20年間で垂直統合を真剣に進めてきており、2014年には自社製脱進機を開発したほどである。

タンジェントのデザインはノモスよりも古い。

 タンジェントという時計は、ノモスが1990年代初頭に最初の時計を発表して以来ラインナップされている、フラッグシップコレクションだ。ロンジンやA.ランゲ&ゾーネなど、スイスやドイツの時計に見られる20世紀初頭の文字盤レイアウトにインスパイアされたデザインを採用している。文字盤上には、アラビア数字とプリントされたバトンインデックスが交互に配置され、その上を青焼きされた針が滑るように動き、6時位置にはスモールセコンドのサブダイヤルが配置される。

ノモスの自社製キャリバーDUW 3001。

 タンジェント ネオマティック 39は外観の美しさもさることながら、その中身にも注目すべきだ。自社製キャリバーDUW 3001には、自社製脱進機とドイツの伝統的な装飾が施されている。美しさ、正確さ、薄さ、これらすべての要素が、ノモスの最もクラシックな時計を新たな高みへと導く。

なぜ高価なのか

 自社製造にはコストがかかるのが通例だが、ノモスは自社製ムーブメントのプレミアムを最小限に抑えることに成功した。サファイアクリスタル、高品質のシェルコードバンレザーストラップ、青焼きされた針など、一流の素材を使用しており、自社での時計製造と組み立てのレベルを示した。ユンハンスと比べると高価だが、このような特徴を持つ他の多くの時計と比べると非常にお買い得だと思う。

クラシックなタンジェントの文字盤。

 今回セレクトしたモデルは38.5mm径だが、ノモスには同じムーブメントを搭載した35mm径のモデル(Ref.175)もある。もちろん、ノモスは今でも20万円台の手巻きタンジェントを製造しているが、同社のフラッグシップウォッチにおける究極の形を体験するには、タンジェント ネオマティックを選ぶ以外にない。

ADVERTISEMENT

決断の仕方

 シュタインガルト氏による、2017年、ニューヨーカーに掲載された有名なエッセイ「Confessions Of A Watch Geek」では、彼のノモス ミニマティックが日差5秒だったのに対し、彼のユンハンス マックス・ビルが日差10秒だったと報告している(彼のロレックスは日差15秒だったそうだ)。

ノモス・グラスヒュッテ タンジェント ネオマティック39 ref.140

 ゲイリーのアドバイスに従えば、私たちは皆ノモスという素晴らしい価値を持つ時計を選ぶことになる。真の自社製時計であり、歴史を感じさせるタンジェントのすっきりとしたデザイン、そして50万円を切る価格を考えれば、ノモスの魅力に反論することは難しいだろう。
 しかし、やってみよう。

 もしあなたが歴史を重要視するなら、ユンハンスはノモスに勝るとも劣らない。1861年、エアハルト・ユンハンスがドイツの黒い森近くの小さな町で創業。20世紀初頭には、ユンハンスは世界最大の計時機器メーカーとして知られるようになる。これは、あまり知られていない驚くべき事実だ。もちろん、その伝統と時代を超越した品質は、マックス・ビルラインによって袖口に収めることができる。往年の名匠がデザインしたマックス・ビル オートマティックという時計を、驚くべき低価格で手に入れることができるのだから驚きだ。手巻き式やクォーツのモデルを選べば、そのバリュー・フォー・プライスはさらに高まるだろう。

Photo, bastamanography, Flickr.Photo, bastamanography, Flickr.

 ユンハンスのマックス・ビルは、ノモス タンジェントよりもはるかに小さい着用感を得られる。タンジェントは、長く伸びたラグが平らな円形のタンジェントケースを縁取ることで知られるが、そのために時計はスペック上の直径よりもかなり大きくなってしまう。もうひとつの違いは、マックス・ビルの薄い針に施されたわずかな夜光だ。タンジェントには夜光は施されていない。

 今回の比較で最も重要なのは、それぞれの時計のデザインに対する個人的な意見だと思う。これらの時計は、どちらも時の試練に耐えうる魅力的なデザインで知られているからだ。

 個人的には、どちらの時計も魅力的だがタンジェントとマックス・ビルの価格差を埋めるには、ノモスの自社製造への意欲に説得力があると感じる。ほかの人にとっては、あまり気にならないかもしれないが、どちらにしても、"Less-is-More "というミニマリズムを追求した最高の時計を手に入れることができる。

ADVERTISEMENT

スペック

ブランド: ユンハンス(Junghans)
モデル名: マックス・ビル オートマティック
型番:027/3500.04
価格:15万9500円(税込)
機能:時、分、秒
直径: 38mm
厚さ: 10mm
ラグからラグ:40mm
ケース素材: ステンレススティール
ケースバック:マックス・ビルのシグネチャーが配されたSS製
風防素材: ドーム型のプレキシガラス
ムーブメント: 自動巻きCal. J800.1(ETA 2824-1ベース)
パワーリザーブ: 38時間
夜光: 有り
防水性能: 30m
ストラップ/ブレスレット: ブラックカーフレザーストラップ
ラグ幅:20mm

ブランド: ノモス・グラスヒュッテ(NOMOS Glashütte)
モデル名: タンジェント ネオマティック 39(Tangente Neomatik 39)
型番:140
価格:47万3000円(税込)
機能:時、分、秒
直径: 38.5mm
厚さ: 7.2mm
ラグからラグ:48mm
ケース素材: ステンレススティール
風防素材: サファイアクリスタル
ムーブメント: 自社製DUW 3001
パワーリザーブ:43時間
夜光: 有り
防水性能: 50m
ストラップ/ブレスレット: ブラックシェルコードバンレザーストラップ
ラグ幅:19mm

Shop This Story

HODINKEE Shopはノモス・グラスヒュッテの正規販売店です:コレクションはこちらからご覧いただけます
ユンハンスの時計はこちらから