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Hands-On タグ・ホイヤー アクアレーサーの新作2本からこの夏にぴったりの時計を検討する

タグ・ホイヤーの2つの新しい(そして全く異なる)ダイバーズウォッチ。コレクターの腕を飾るのはどちらか?

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毎年、5月の終わりごろに起こることだ。気温が上昇し、ビーチでの休暇を予約した後、私は次の2、3ヵ月をともに過ごす理想の時計について考え始める。それにはいくつかの基準がある。ダイバーズウォッチで、頑丈で見やすいもの。ヴィンテージではなく現行のもの。クラシックなブラックダイヤルもいいが、ほかの色も加えたもののほうがそそられる。快適さを最優先するため、重いステンレススティール製よりも時計とブレスレットの両方がチタン製であるほうがいい。また、200mや300mといった適度な防水性が好みだ。そのほうがプロ仕様のモデルよりもケースが薄くて軽くなるからだ。

 タグ・ホイヤーが初のチタン製ブレスレットを採用したアクアレーサーを発表したばかりで、2021年5月はこの時計のトライアウトを実施するには理想的な時期だった。2つの候補:2020年11月に発表されたアクアレーサー バンフォード リミテッドエディション(Ref.WAY208F)と、2021年4月に発表された(購入者には6月23日に納品予定)アクアレーサー プロフェッショナル 300(Ref.WBP208B)だ。この2つのモデルは、アクアレーサーの異なる世代を代表するモデルだ。バンフォードモデルは第4世代のアクアレーサーの最後尾に位置し、2014年から生産されている。対するグリーンのプロフェッショナル 300は、第5世代のローンチモデルのひとつとして登場した。

 どちらもタグ・ホイヤーのアクアレーサーで、マットなグレード2チタンケースと3列のチタンブレスレットを備え、Cal.5ムーブメントを搭載している。これらの共通点を除けば、この2つの時計はほとんどすべての要素で異なっている。バンフォードは1500本限定で、価格は46万2000円(税込)、 プロフェッショナル 300は2021年6月23日に発売され、価格は49万5000円(税込)だ。

TAG Heuer Aquaracer Bamford

アクアレーサー バンフォード リミテッドエディション 

世代から世代へ

第5世代のアクアレーサーのケースは、従来の13mmから12.4mmに薄型化され、ブレスレットのリンクも2.8mm(従来は4.4mm)とスリムになった。また、ラグの長さを短くすることで、より多くの人の手首にフィットするようになった。第5世代のアクアレーサーでは、ケースの上面と側面の間に面取りを加えるなど、細部の仕上げにも工夫が凝らされている。

 ベゼルのデザインも一新され、サンバースト仕上げのセラミック製インサートを採用し、回転させたときのクリック感がよりスムーズになった。また、日付表示は従来の3時位置からさりげなく6時位置へと移動し、日付表示用の拡大レンズは風防の上層ではなく下層に組み込まれた。その結果、風防の表面は滑らかになった。最後に、第5世代アクアレーサーのブレスレットは、クラスプのデザインが変更され、調整機構が組み込まれており、時計を腕につけたままブレスレットの長さを変えることが可能となった(最大1.5cm)。気が利いている。

TAG Heuer aquaracer

タグ・ホイヤー  アクアレーサー プロフェッショナル 300

外観

アクアレーサーが第4世代から第5世代に進化したことで、バンフォード リミテッドエディションとグリーンの プロフェッショナル 300との違いの多くが説明されるが、この2つの時計の最も大きな違いは、バンフォードによるデザインの変更から来ている。リミテッドエディションのアクアレーサーをデザインするにあたり、バンフォードは通常生産モデルで使用されているほとんどすべての重要な要素を変更したのだ。

 アクアレーサーのダイヤルには、稜線のような水平線が刻まれている。バンフォードは、レコードの溝やソナーの画面のようなタイトな同心円を採用し、十字線で計器のモチーフを強調している。通常モデルのアクアレーサーでは白の夜光が塗られたアプライドのメタルインデックスが採用されていたが、それはペイントの長方形インデックスに変更された。また、アクアレーサーのメタルエッジ針に代わり、バンフォードの針は鮮やかなオレンジ色のエッジをもつペンシル型だ。さらに“変えられるものはすべて変える”という姿勢の最後は、バンフォードモデルの秒針の先端にオレンジと白のストライプが交互に入った踏切ゲートのスタイルが採用された点だろう。

TAG Heuer Aquaracer lume

アクアレーサー バンフォード リミテッドエディション 

アクアレーサー プロフェッショナル 300 

 そして、これらは主要なスタイル要素についてだ。ディテールの変更はより細かいことにも及ぶ。リューズにあるタグ・ホイヤーのロゴは? バンフォードモデルでは浮き彫り、プロフェッショナル 300ではエングレービングだ。ダイヤルのタグ・ホイヤーのロゴは?  バンフォードモデルはプリントだが、プロフェッショナル 300はアプライドだ。そのほかにもいろいろとある。ベゼルのエッジはローレットかグリップか、ベゼルインサートはチタンかセラミックか、ベゼル上の数字はブラックかホワイトか、などだ。

 この2つの時計は、第一印象が大きく異なる。バンフォード リミテッドエディションはアグレッシブな計器スタイルで、鮮やかなオレンジと光沢のあるブラックが特別なエネルギーを生み出している。いたるところにアクションがあり、危険なほどだ。ソナースクリーン、十字線、踏切のアーム、インナーベゼル周辺のオレンジ色の“チェッカーパターン”など、動きに繋がる興奮を感じさせるのだ。

  バンフォードモデルと比較して、グリーンのアクアレーサー プロフェッショナル 300は、穏やかで洗練された印象を与える。グリーンは成長や生命を象徴するバイタリティのシンボルだが、この時計のエネルギーは穏やかさを感じさせる。このアクアレーサーは冒険にも使えるし、ダイバーズウォッチとしても十分な性能を備えているが、シャツの袖口の下にあっても落ち着いたエレガンスを保つことができるのだ。

Crowns of TAG Heuer Aquaracers
フィーリング

以前、セイコーのダイバーズウオッチを紹介するポッドキャストで、ある専門家が時計選びのアドバイスをしているのを聞いたことがある。彼は、セイコーのダイバーズウオッチを評価する際、2つの質問を自分に問うべきだと言っていた。どのくらいの深さまで潜りたいか。そしてどの程度の性能のムーブメントが欲しいか。この2つの質問に答えを出せば、選ぶことができる。

 私は、購入希望者が検討すべき3つめの基準を追加したいと思う。これは時計が水に入る可能性がほとんどない“デスクダイバー”にとって特に重要なことだ。つまり、その時計を陸でどのように感じたいかということだ。水深500mや1000mといった深海に潜るための時計を手に入れても、海面から上では腕に重さを感じてしまう。実際、優れた耐水性をもつ時計と、地上で快適に着用できる時計とでは、特に夏の暑い時期にはトレードオフの関係にあることが多い。

 バンフォード リミテッドエディションとプロフェッショナル 300は、双方とも深く潜ることと快適に着用することの適切なバランスを体現できている。300m防水の両モデルは、夏の冒険に耐えうる“本物”のダイバーズウォッチであると同時に、完璧な快適性も備える。どちらのモデルも軽量で(バンフォードモデルは125g、プロフェッショナル300は122g、それぞれブレスレットを装着した場合)、比較的薄い。さらに重要なのは、両モデルのラグの形状が優れたフィット感を実現していることだ(少なくとも、私の比較的細い6.75インチの手首ではそうだった)。

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勝敗の行方は

 まあ、場合によりけりということだ。

 私はバンフォード リミテッドエディションとプロフェッショナル 300という2つのアクアレーサーを1週間着用し、気分に応じて両方を切り替えて使っていた。その週は特別で、私と妻が娘の大学卒業式に出席するために旅行し、家族や友人とのいくつかの社交行事にも参加した。気温は32℃を超え、湿度も高く、夏の時計を試すには最適だった。ホテルのエアコンが断続的に停止したため、さらに厳しい戦いになった。

 週を通じてバンフォードモデルよりもグリーンのアクアレーサーのほうが、より多くの使用機会を得た。この時計の明るく華やかな外観が、この週の祝い事にふさわしく思われた。より薄いケースとブレスレットは、やや大きめのバンフォードよりも軽快な印象を与え、身につけやすく感じられた。

 週のスケジュールが違っていたら、バンフォードモデルがプロフェッショナル 300よりも多くの時間を記録していたかもしれない。ハイキング、ボート、サイクリングなどのアウトドアでは、より頑丈で存在感のある時計を選ぶことが自然だと思う。

 この2つのサマーウォッチの選択は、最終的には気分の問題になるかもしれない。プロフェッショナル300はより洗練されたデザインで、グリーンのダイヤルが穏やかな明るいエネルギーを与えてくれる。長袖シャツの袖口の下に自然に入り込むような、より小さく感じられる時計だ。バンフォードモデルはより力強く、よりアグレッシブな印象を与える。エッジーで派手で、目立つ時計だ。

 そこで、夏のカレンダーを考えてみよう。あなたはどのように過ごすだろうか? 屋内、それとも屋外? 泳ぐか、それとも陸の上か? 長袖か半袖か?

 同様に重要なのは、時間を確認するときに何を見たいか、どう感じたいかという問題だ。 バンフォード リミテッドエディションは興奮を伝え、冒険のためのツールとなる。グリーンのプロフェッショナル 300はエレガンスを表現し、お祝いの席にも最適だ。バンフォードは暑い日をさらにホットなものに。グリーンのモデルは、いろいろな意味であなたをクールにしてくれる。

ジェフ・ステインは、ヴィンテージと現行のタグ・ホイヤーを収集しており、2003年からウェブサイト、OnTheDash.comを運営している。2016年、彼と彼のコレクションは、ベンジャミン・クライマーとともにTalking Watchesのエピソードに登場した。