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Introducing オリス カリスフォートリーフ リミテッドエディション (編集部撮り下ろし)

この限定版のGMTダイバーは、アームチェアの旅人を魅了します。

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去年の冬(5ヵ月前というより5年前のような気がするが)、私はフロリダキーズで絶滅の危機に瀕しているサンゴ礁への注目を呼びかけるオリスのGMTダイバーについて書いた。そのカリスフォート リーフ リミテッドエディションは、アクイスGMTのゴールドケースを使用したモデルで、価格は210万円(税抜)とオリスらしくない価格であり、わずか50本しか生産されず、そのうち3本はサンゴ礁保護基金(Coral Restoration Foundation)に寄付された。それが発表されたとき、北の冬の終わりに、サンゴの上の間でとらえどころのないサメを追いかけていた、キーズでの暖かいダイブの記憶を呼び起こされた。さて、6月末になった今、私はこれまで以上にダイビングへの脱出を切望している。ちょうどいいタイミングで、スティールバージョンのカリスフォート リーフ リミテッドエディションが登場したのだ。

 以前の記事では、オリスとサンゴ礁保護基金(CRF)やカリスフォートリーフとの関係の始まりを取り上げたうえ、グレーNATOポッドキャストのエピソード99ではCRFのチーフディベロップメントオフィサーにインタビューしているため、そちらの情報もご参照いただきたい。ここでは、この新しいSS製モデルを実際に手に取ってみた感想を紹介したいと思う。ネタバレ注意:私は "2019年のベストダイバーズウォッチ "のリストにアクイスGMTを含めたという事実から、それをベースにしたこの限定版にはほとんど欠点がないと言っていいだろう。

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 繰り返しになるが、ダイバーズウォッチとGMT機構の組み合わせは、まさに天上のマリアージュだ。ニューヨーク、トロント、ミネアポリスなどで腕にはめていると、遠く離れた環礁などを思い浮かべてしまう。玉虫色に輝くブルーの文字盤、オレンジ色のマーキング、そして世界のタイムゾーンをダイヤル上の24時間表示と、第3時間帯を表示する回転ベゼルによって選択できる機能を搭載したこのカリスフォート リーフ限定版は、まさにそれを実現しているのだ。

クラスプは全ての冒険の傷を刻む、真っ白なキャンバスと考える。

 オリスから借り受けた時計には、スティール製のブレスレットにねじ込み式のリンクが付いていた。このブレスレットは、折り畳み式クラスプが付いたオレンジ色のラバーストラップでも使用可能だ(1万5000円安い)。私の目には後者の方がよりスポーティで、 "フロリダ "的印象を受けたが、SSブレスレットの方が汎用性が高くクラシックなデザインで、汗だくになる夏の手首にもよく似合うだろう。ダイバーズ65 ファミリー以外の、オリスのダイバーズウォッチのほとんどと同様に、独自のラグシステムによりNATOストラップなどを装着することはできない。バンドの取り付けシステムが狭いため、エンドリンクがなく、最近流行の一体型ブレスレットのような外観になっている。
 クラスプは2つのボタンで折りたためるタイプで、ダイブ・エクステンションが隠されている。クラスプの表面が滑らかなため、傷が付きやすいが(写真は着用テスト前に撮影したもの)、これはメタルブレスレットのクラスプの特徴であり、冒険の思い出の保管場所でもある。"そのクラスプの傷は? カリスフォートで荒々しいライオンフィッシュを釣り上げていた時に付いたんだ..."といった具合だ。

ブルー文字盤は、熱帯の水を透過して降り注ぐ陽光の揺らぎのように放射している。

 文字盤はこの時計の真の見せ場となる。オリスはここ数年、スタンダードなアクイスGMT、ゴールドのカリスフォート エディション、最後のグレートバリアリーフ限定など、様々なブルーの色合いを上手に使ってきた。このブルーの色合いは、同社にとってはちょっとした代名詞になっていて、他のブランドよりも上手に使っていると言える。本機では、熱帯の水を透過して降り注ぐ太陽の光のように輝きを放ち、24時間リングの内側には昼間の時間がオレンジ色で、夜間の時間が白で表示されている。大きなポリッシュ仕上げのアワーマーカーが、全体の輝きをさらに高めている。

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 GMT機構(セリータをベースにしたCal.798を搭載)、オレンジ色の4本目の針、そしてこのインナーアワーリングを備えた本機は、ベゼルに標準的な回転リングを採用し、2つの全く異なるタイムゾーンの時刻を表示できる機能をダイバーズとなっている。しかし、本機にはアクイスGMTと同様に、バイカラー(ブルー/ブラック)のセラミックベゼルに、強調された24時間目盛が配されており、これには長所と短所がある。

セラミックを用いた、双方向回転式のバイカラー24時間リング。

 24時間表示リングを双方向回転ベゼルに搭載することで、本機は時分針、インナーリング、ベゼルで3つのタイムゾーンを同時に表示することが可能であるが、私はというと、一度に3つのゾーンを追跡する必要性を感じたことはほとんどない。

カリスフォート リーフ限定は、3つのタイムゾーンを同時にトラッキングすることが可能。

 ベゼルを使用して別のタイムゾーンを表示する場合は、ダイビング用タイマーとしての使用はできない。また、24時間計では、分針をセットすることで経過時間を把握することが可能だが、60分ベゼルのように「分まで」正確には分からない。私は、真の汎用性のためにダイブベゼルを備えたアクイスGMTを望んでいる。
 内側の24時間リングは、第二時間帯にGMT針をセットするとベゼルを使ってダイビングの時間を計ることができる。しかし実際には、最近のダイブコンピュータの圧倒的な普及は、300m防水のGMTウォッチを持つことは、湾曲を避けるというよりも、メキシコ湾に転がり込むときに時計を外す必要がないことを意味する。

ケースバックには、3種類のサンゴを表現した美しいエングレービングが施されたメダリオンが付いている。これは、サンゴ礁保護基金が再繁殖に取り組んでいるサンゴ礁で、時計の名前の由来にもなっている。

 カリスフォート リーフを裏返してみると、通常のアクイスとは一線を画すケースバックを見ることができる。中央の "メダリオン "には、この時計の名前の由来となっている3種類のサンゴのエングレービングが見事に表現されている。これは、サンゴ礁保護基金が再び繁栄するように取り組んでいるサンゴ礁が元になったもので、私は、無味乾燥な自動巻きムーブメントのディスプレイよりも、1960年代からの偉大なダイバーズウォッチのエングレービングのいくつかを思い出させてくれる、美しくも複雑なこのエングレービングが素敵だと思う。時計をタイトに着用することで、あなたの手首にもこの楽しいマークを、一時的ではあるが得ることができる。

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 ケース径43.5mmの本機は、"ビッグダイバーズ "と呼ばれるゾーンに位置している。決してスリムなレトロダイバーではないが、とはいえ、ラグが太くて下向きに傾斜しているため、手首に巻いたサイズは49mmと、身に着けやすいサイズ感になっている。

 ちなみに、ブレスレットやラバーストラップのサイズは、手首上で時計があまり動かず、重さを感じないようにすべき。あなたが緩いサイズ感で時計を身に着けているのが好きならば、その重量をより感じているだろう。ちなみに、この時計に付いているクラスプの3つのマイクロ調整ノッチは、十分な余裕を与えてくれる。

堅牢で下向きに傾斜したラグをもつこの時計は、手首周りで49mmという非常に身に着けやすい寸法になっている。

 オリスはブランドとして、最近、よりエコロジーに配慮した企業になろうと真剣に取り組んでいる。時計はその性質上、長持ちするため使い捨てるようなものではないが、ストラップやパッケージなどはそうではないことが多いためだ。同社は、ストラップに化学的になめした革の代わりに植物性のなめし革を使用したり、リサイクル素材の箱を使用したりしている。カリスフォート リーフ 限定版のボックスは、プラスチックやレザーの代わりに持続可能な海藻類を圧縮したものが用いられている。サンゴ礁保護基金をはじめとする、きれいな水と海のための募金活動や意識向上キャンペーンを行っている同社は、大局かた見た企業理念をもっているのだ。

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 本機は、アメリカ南部の海岸に広がる珊瑚礁をモチーフとしており、スイス製ダイバーズウォッチの限定モデルとしては珍しい選択をしたと思える。大手ブランドの多くは、よりドラマチックな場所、例えばガラパゴスなどを選びがちだ。しかし私にとってオリスは、手に取りやすい価格、良心的な機構、職人的なムーブメントなど、常により "ヒューマンスケール "である時計メーカーの代表格だった。また、非常に人間的なスケールで行われているのが、サンゴ礁保護基金によって、一本ずつ手作業でサンゴの茎を植えていく作業だ。カリスフォート リーフは地球の海洋環境の縮図であり、シュノーケリングをしながら見ることが可能である。浅瀬の海は暖かく澄んでいるが、アメリカで最も人口の多い州の一つからの流出水や浅瀬のサンゴの白化の影響を受けやすく、その両方の結果をダイブマスク越しにはっきりと目にできる。

 フロリダキーズでは何年にもわたって何度もダイビングをしてきたが、良い思い出がある。そこは、全盛期を過ぎたノスタルジックなアメリカのバケーションランドだ。アメリカのレクリエーション・ダイビングが始まった場所であり、フリッパーが撮影された場所であり、歴代大統領が釣りをした場所でもある。私の最初の難破船ダイビングは、沈没したスピーゲルグローブでのダイビングだった。キーズにある、1つではなく2つの海中居住施設(アクエリアスとジュールズアンダーシーロッジ)で過ごし、このオリスが敬意を表しているカリスフォートリーフでは、ゴライアスハタやグレイリーフシャークとかくれんぼをしてきた。もう、すぐにそこに行くことはないが、この時計を着けて過ごした数週間は、過去の冒険の思い出をよみがえらせ、将来の冒険への憧れを駆り立ててくれた。


基本情報

ブランド: オリス(Oris)
モデル名: カリスフォートリーフ リミテッドエディション (Oris Carysfort Reef Limited Edition)
型番: 01 798 7754 4185-Set MB(ブレスレット)、01 798 7754 4185-Set RS(ラバーストラップ)

直径: 43.5mm
ース素材: ステンレススティール
文字盤色: ブルーグラデーション
インデックス:バー
夜光: あり
防水性能: 30気圧
ストラップ/ブレスレット: ステンレスブレスレット、もしくはラバーストラップ


ムーブメント情報

キャリバー: Oris 798(SW 330-1ベース)
機能: 時、分、秒、GMT、日付表示
パワーリザーブ: 42時間
巻き上げ方式: 自動巻き
振動数: 4 Hz (2万8800 振動/時)
石数: 25


価格・発売時期

価格: 30万円(ブレスレットモデル)、28万5000円(ラバーストラップ)(全て税抜)
販売時期: 7月中旬
限定: 2000本限定

詳細は、オリスの公式サイトをご覧ください。

写真:ギシャニ・ラトナヤケ