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Illustration by Andy Gottschalk
ジュネーブ・ウォッチ・デイズ 2022が閉幕したということで、いよいよ本題のベストウォッチの議論に突入したい。そこで、HODINKEE編集部の面々を集め、ショーで発表された新作、あるいはショーに関連したもので、最も印象に残ったモデルを選んでもらった。もし、あなたのお気に入りの新作がここにない場合、ぜひコメントで教えてほしい。それでは、さっそくご紹介しよう。
クレヨン エニィウェア
スイスの地で見たお気に入りの時計は、まったく新しい時計というわけではなかった。クレヨン(Krayon)のレミ・マイヤ(Rémi Maillat)氏の時計は初めてだったが、彼の小さな会社が作り出すユニークな日の出/日の入りコンプリケーションの利便性、快適性、複雑性にすっかり魅了されてしまったのだ。私は、2020年にデビューしたエニィウェアを初めて取材して以来、クレヨンのクリエーションに興味を抱いてきた。これは、私が長いあいだ見てきたなかで最もスマートな時計であり(ある地点の年間の日の出/日の入り時刻を正確に計算できる)、また私が1週間試着したなかで最も快適な作品のひとつでもある。特筆すべきは、マイヤ氏がその複雑な機能を10mm以下のケースに収めたという点だ。-ローガン・ベイカー(Logan Baker)、ブランド・エディター
ドクサ アーミー
最近、同僚のひとりがオレンジダイヤルのドクサ サブをつけているのを見つけた。この時計の一般的なスタイルは以前から気に入っていたけれど、同僚の女性がつけているのを見ると、超カッコ良く感じたわ。それからほどなくしてジュネーブ・ウォッチ・デイズが開催され、ドクサが発表したのがこの美しい時計。ただ欲しいだけではないの。何がなんでも手に入れなければならない時計よ。-ティファニー・ウェイド(Tiffany Wade)、フォトグラファー
オーデマ ピゲ ロイヤル オーク パーペチュアルカレンダー ブルーセラミック
今回は、ちょっと自分の殻を破ってみた。セラミックケースのロイヤル オークの“実物を見る”機会はめったになければ、そのロイヤル オークがパーペチュアルカレンダー(QP)であることは、さらに希だ。私は新しい(そして非常に青い)セラミッのAP QP(レビューは近日公開予定)を目にし、手にする奇跡に遭遇した。QPの場合、何日も使用しないうちに設定を忘れてしまい、ちゃんと動作するように戻すのに残りの人生の時間を費やしてしまうのではないかと心配させられるものだ。しかし、このようにクールな時計であれば、そんな些末なことは気にならないのではないだろうか。実際に手に取ると、ブルーの発色は実にポップだ。発表された時計のなかで、最も注目度の低い時計かもしれない。私はこの時計にほんの数時間しか触れることができなかったうえ、私の予算は完全に“価格は応相談”の領域外にあるが、それでもまだこの時計が頭から離れない。-ダニー・ミルトン(Danny Milton)、シニアエディター
H.モーザー ストリームライナー トゥールビヨン ベンタブラック
11万9900ドル(日本国内定価は税込1677万5000円)という、まるで桁が狂ったような価格のモーザーは、多くの人と同様、私には到底手が出せない代物だ。このような時計を購入するためには、どのような人生の選択をしなければならないのか(あるいはどれほど金持ちの家庭に生まれなければならないのか)、私には想像もつかない。しかし、私たちのお気に入りの時計を語り、衝撃を受けるような新作を挙げ、かつデザインにおける功績と素材における革新を称え、そしてできることならどんな時計をつけたいか自分に正直に考えるとしたら、私にとってこの時計はほど遠い存在に思える。それだけH.モーザーのストリームライナー トゥールビヨン ベンタブラックは完璧な時計なのだ。-ニック・マリノ(Nick Marino)、コンテンツ部門副社長
トリローブ ユヌ・フォル・ジュルネ
私はトリローブ ニュイ・ファンタスティックが大好きです。この新しいデザインは、その旧来の控えめなデザインを、ドーム型のクリスタルとその下にある独自ムーブメントを眺めることができるよう一新し、パワーアップさせたのです。私はコンセプトウォッチがあまり好きではないのですが、これは私の好みに合う、十分に控えめなデザインに仕上がっています。独創的でありながら、クラシックさを感じさせるほど抑制が効いています。この時計メーカーは創立からまだ数年しか経っていないので、トリローブの初期の時計を所有するひとりになれることは、この時計と同じように先見の明があると感じさせられますよね。-サラ・ミラー(Sarah Miller)、シニアライター
ドクサ アーミー
これを読んでいる多くの読者と同じように、私はヴィンテージにインスパイアされたダイバーズウォッチが好きだ。趣味として(そして仕事として)時計にのめり込むきっかけとなったカテゴリーなので、この種の時計は私の心のなかで特別な思い入れがあるのだ。ドクサは特にツボを押さえたブランドだと思うし、現在定番となったアーミーは、ブランドを体現したモデルだと思っている。特にラバーストラップ、ブロンズベゼル、グリーンセラミックインサートに引かれている。針の色といい形といい、ファンキーでおもしろい個性がありながら、落ち着きと慎重さも感じられる。ダイヤルにも入念な配慮が感じられ、ベゼルの素晴らしい書体は、まさにデザートのようなものだ。この価格帯で私がいちばんに求めているのは、堅牢な構造だ(300m防水だったっけ?)。この時計が限定品でないことに感謝する。-ジョナサン・マクホーター(Jonathan McWhorter)、ビデオプロデューサー
H.モーザー ストリームライナー トゥールビヨン ベンタブラック
先週、この時計についての記事を書いたが、私はまるでベンタブラックの世界のなかに閉じ込められたという表現以外にうまく自分の気持ちを表せないでいる。この時計の重量感、レッドゴールドとブラックダイヤルの組み合わせ、そして小さなトゥールビヨンの催眠術をかけるような回転は、何か特別なものを眺めているような気分になる。この時計をもう一度直接見ることができる日を楽しみにしている(それはいつになるのだろうか? 買った人で私と友達になりたい人はいるだろうか?? どんなアイディアも採用する)。そして、モーザーが今後どのようにこの時計を仕上げてくるのか、楽しみでならない。-ノラ・テイラー(Nora Taylor)、副編集長
ウルベルク UR-100V
新しいバイオレットの色合いを持つ、このUR-100Vの新バージョンをとても気に入っている。新型ムーブメントを搭載しているのも魅力だ。また、この時計はこれまでの全バージョンと異なり、限定モデルでないこともありがたい。ウルベルクは、生産能力の課題がこの時計の生産数を制限する唯一の要因であると明言している。-コール・ペニントン(Cole Pennington)、編集者
トリローブ ニュイ・ファンタスティック
トリローブのニュイ・ファンタスティックは、直径38.5mmのケースに、グレイン加工を施したブルーダイヤルが目を引く。トリローブはフランスの独立系ブランドで、“X-Centric”と呼ばれる独自ムーブメントを搭載し、エキサイティングなイノベーションを生み出している時計メーカーだ。この時計は非常に型破りだが、だからこそ私は気に入っている。9000ドル(約130万円)以下で、これだけ繊細でスタイリッシュ、かつ独創的でハイエンドな時計が手に入るのであれば、検討する価値があるだろう。-ジョー・ワイアット(Joe Wyatt)、ビデオエディター
チューダー ペラゴス 39
僕が何を選ぶと思っただろうか? チューダーのペラゴス最新作じゃないのか? そう、ペラゴス39はペラゴスのフォーマットを踏襲し、サイズを数mm落として、39mm×11.8mm×47 mmという非常にチューダーらしいサイズにしたモデルだ。以前より小さくなったとはいえ、チタン製であることに変わりはなく、フルチタンブレスレット(このモデルではT-Fitと25mmの折りたたみ式ウェットスーツ用エクステンションを装備)とチタン製エンドリンクと尾錠が付いたラバーストラップが付属する。小型化されたペラゴスの防水性能は200mで、先代ではケースサイドに収納されていたヘリウムエスケープバルブは今作では見当たらない。
サテン仕上げのセラミックベゼル、ディープブラックダイヤル、スクウェアマーカー、光沢のある赤い文字で書かれた“Pelagos”表記など、この新しいペラゴスは、よりライトなフォーマットに仕上がっている。ブラックベイ フィフティ-エイトのスタイルと、技術力を全面に押し出したスタンダードなペラゴスのあいだの架け橋のように感じられるペラゴス 39は、真のダイバーにも陸ダイバーにもヒットすること間違いなしだ。-ジェームス・ステイシー(James Stacey)、シニアライター
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