Introducing パネライ　ラジオミール アニュアルカレンダー プラチナテック™にブティック限定の新色が登場

　ラジオミール アニュアルカレンダー ゴールドテック™（PAM01363）は、パネライ独自のゴールドテック™ケースにサンブラッシュ加工を施したブルーグラデーションダイヤルと、ブルーの手染めマットアリゲーターストラップを合わせ、ラジオミール アニュアルカレンダー エクスペリエンスエディション（PAM01432）は、サンブラッシュ仕上げのバーガンディグラデーションダイヤル、ブラックの手染めのマットアリゲーターストラップを、同じくブランド独自のプラチナテック™ケースに合わせたモデルだ。

　ちなみにパネライ ゴールドテック™は、ゴールドにプラチナと銅を配合し、強い赤みを与えたパネライ独自のゴールド素材。一方のプラチナテック™はプラチナならではの深い光沢を持ちながら、通常のプラチナよりも硬く傷がつきにくいという特徴を持つ。

　また、文字盤には“RADIOMIR PANERAI“の文字とともに、イタリア語表記で月と曜日、そしてアニュアルカレンダーを意味する“CALENDARIO ANNUALE“の文字がプリントされている。クッション型をした45mmのラジオミールケースには円錐型リューズを合わせ、サンブラッシュ仕上げのグラデーションダイヤルは、いずれもスーパールミノバ®を充填したサンドイッチ構造となっている。

　新作のラジオミール アニュアルカレンダー プラチナテック™（PAM01364）は、その名のとおり、プラチナテック™ケースを採用し、そこにサンブラッシュ仕上げのグリーングラデーションダイヤルとダークブラウンの手染めマットアリゲーターストラップを組み合わせた。既存モデルのバリエーションにすぎないが、本作はニューヨークとミラノに続いてパリのシャンゼリゼ通り120番地にオープンした3番目のカーサ パネライ（パネライのフラッグシップブティック）を祝って誕生した。

　ムーブメントには自社製の自動巻きキャリバーP.9010/ACを搭載。このキャリバーは既存モデルにも使用されているもので、秒・分針、9時位置にスモールセコンド、そして3時位置のふたつの小窓で日付と曜日を、そして3時位置にあしらわれた固定式の三角ポインターによって、月表示がプリントされた文字盤外周を回転するムービングディスクを指し示すことで表示する。月が変わるとムーブメント内のカムによりディスクが回転し、情報を瞬時に調整。もちろん2月の末日を除いて自動で日付調整が行われるアニュアルカレンダーのため、それ以外の大の月（31日までの月）と小の月（30日までの月）は自動的に表示が調整されて切り替わる。

　なお、月と日付をリューズ操作で設定したら、曜日はケース左側にあるプッシュ式コレクターでクリックごとに変更できる。

　本作はパネライブティック限定モデルで、776万3800円（税込）で購入が可能だ。表示が煩雑になりがちな複雑カレンダーウォッチだが、ダイヤルに必要な情報をすべて明確に表示し、素早く読み取れるように設計された極めてパネライらしい視認性に優れたアニュアルカレンダーといえよう。

　特に大きくイメージが変わったのは2018年以降。アンジェロ・ボナーティ氏に代わって、ジャンマルク・ポントルエ氏がパネライのCEOに就任してからだ。同氏の就任以降、ケース形状の違いで複雑化していたコレクションはルミノール、ルミノール ドゥエ、ラジオミール、サブマーシブルの4つに整理されてわかりやすくなったほか、新作で見られるプラチナテック™のように独自の素材を採用したモデル、そして伝統的な大ぶりサイズだけでなく40mmを切るような多彩な展開をするようになった。特に筆者のなかで印象的だったのは、パーペチュアルカレンダー（2021年初出）やアニュアルカレンダー（2023年初出）のような複雑カレンダーモデルがラインナップに加わった点だ。これまでにもトゥールビヨンやラトラパンテなどのコンプリケーションモデル自体は手がけていたが、ことカレンダー機能に関して複雑なものはほとんどリリースしていなかったのだ（例外的にルミノール イクエーション オブ タイムのような特殊なモデルは一部あった）。

　豊富なサイズ展開ももちろんだが、本作のような複雑カレンダーモデルの登場は、コアなファン向けのブランドからさまざまなユーザーをターゲットとするウォッチメーカーへとパネライのパブリックイメージを大きく変え、ユーザー層の拡大に寄与した象徴的な出来事だと思っている。果たして、この戦略変更はパネライにとって成功だったのか？　過去のインタビューでジャンマルク・ポントルエ氏が語ったように、新しい試みによってニューカマー、ニュージェネレーションの顧客が急激に増加したということからも成功だったと言っていいだろう。

　それと同時にパネライらしいスタイルは一切変えずに、筆者を含めて昔からのパネライを知る人にも配慮されているところは評価すべきポイントだと思う。得てして時計ブランドが大きな転換を迎える際にはそれまでのスタイルやデザインを捨て、ガラッと時計のイメージが変わることがよくある。それが奏功する例もないわけではないが、多くは既存ユーザーの拒否反応を招き、勢いを失っていくブランドというのを筆者はいくつか見てきた。だが新作を見る限り、アイコニックなラジオミールケースにワイヤー風ラグ、そしてサンドイッチ構造のダイヤルなど、複雑カレンダーにおいてもかつてのパネライらしいスタイルが貫かれているところは大きな魅力だと思う。

　ひとつ自身の反省点を挙げるとすれば、パネライのブティック限定モデルやこうしたコンプリケーションモデルの実機に触れる機会をあまり作れなかったということだ。やはり画像を見るだけでは質感などはわからないし、どんな思いを込めて作られているのかが掴みにくい。こうしたブランドにとって新しい方向性を示すモデルこそ、実際に手に取ることでさまざまなことが見えてくるのではないかと思うのだ。本作を実際に見れた暁には、実機レビューはもちろん、近年のパネライのものづくりについてもより深掘りした情報をお届けしたい。

ブランド： パネライ（Panerai）
モデル名： ラジオミール アニュアルカレンダー プラチナテック™（Radiomir Annual Calendar Platinumtech™）
型番： PAM01364

直径： 45mm
厚さ： 16.13mm
ケース素材： プラチナテック™
文字盤色： サンブラッシュ仕上げのグリーングラデーション
インデックス： サンドイッチ構造のアラビア数字とアワーマーカー
夜光： 時・分・秒針とスモールセコンドのインデックス、サンドイッチ構造のアラビア数字とアワーマーカー、月表示の三角ポインターにスーパールミノバ®
防水性能： 10気圧
ストラップ/ブレスレット： ダークブラウンの手染めマットアリゲーターストラップ、ポリッシュ仕上げのホワイトゴールド製BDRバックル（観音開きバックル）

キャリバー： P.9010/AC
機能： 時・分針、スモールセコンド、アニュアルカレンダー
直径： 36mm
厚さ： 7.87mm
パワーリザーブ： 3日間
巻き上げ方式： 自動巻き
振動数： 2万8800振動/時
石数： 40
クロノメーター認定： なし
追加情報：グリュシデュール®製テンプ。インカブロック®耐震機構。ダブルバレル。ゼロリセット機能。ハック機能。

価格： 776万3800円（税込）
発売時期： 発売中
限定： ブティック限定

詳細は、パネライの公式サイトをクリック。