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Introducing ジャガー・ルクルト マスター・ウルトラスリム・パワーリザーブをアップデート

ジャガー・ルクルトはマスター・ウルトラスリムコレクションの新作で、パワーリザーブの大幅延長とケースのスリム化を両立してみせた。


クイック解説

 マスター・ウルトラスリムはその名のとおり、ジャガー・ルクルトのなかでも特に薄型でエレガントな時計がラインナップされるコレクションだ。20世紀初頭に登場した極薄の懐中時計に敬意を表し、ベゼルと裏蓋の外周をグッとシャープに仕上げた時計はどれもドレスシャツの袖口にも無理なく収まる。そんな同コレクションより、2024年の初めにふたつのモデルのアップデートに関するニュースが届いた。ひとつは、マスター・ウルトラスリム・トゥールビヨン・エナメル、そしてもうひとつが、今回紹介するマスター・ウルトラスリムのパワーリザーブ表示搭載モデルだ。名前もマスター・ウルトラスリム・リザーブ・ド・マルシェから変更され、よりわかりやすくマスター・ウルトラスリム・パワーリザーブとなっている。

 今回のアップデートに関するポイントは大きくふたつある。まずは、ダイヤルのデザイン変更について。シンメトリーを意識したパワーリザーブ、デイト、スモールセコンドの配置は変わらないものの、それぞれの要素は既存モデルと比較してかなり大ぶりに調整された(特にデイトは、日付のプリントもサブダイヤル内に収められることでスモールセコンドと同じ大きさまで広げられている)。また、細かなところではパワーリザーブの表記にも変更が入っており、10、20、30といった時間表示から4分の1、2分の1と残量を割合で示すようになっている。楔形のインデックスは細く長く、さらにシャープになり、ダイヤルの表面にはサンレイ仕上げと外周に向かって色が深まるブルーグラデーションが施された。なお、ストラップにはダイヤルと調和するネイビーブルーのアリゲーターストラップを採用している。

 そして、もうひとつの大きな改良点がパワーリザーブの延長だ。既存モデルが最長43時間であったのに対し、新作ではムーブメントの厚みを変えずに1.5倍以上の70時間に強化している。これはCal.938をベースに、香箱デザインの一新、シリコンパーツの採用による伝達効率の向上といった改善を加えることで実現したものだ。

 新作マスター・ウルトラスリム・パワーリザーブは、現在18Kピンクゴールド1型のみの展開となる。価格は税込308万円で、すでに受注を開始している。


ファースト・インプレッション

 既存モデルであるマスター・ウルトラスリム・リザーブ・ド・マルシェはダイヤル上の各要素の主張は控えめで、どちらかというとクラシカルな印象が強かったように思う。カラーバリエーションもSSケースにシルバーダイヤル、PGケースにエッグシェルベージュのエナメルダイヤルと、いかにもドレスウォッチらしい品のある色味で揃えられていた。それらと比較すると、今回のマスター・ウルトラスリム・パワーリザーブは総合的に見てスタイリッシュかつモダンな印象に仕上げられている。

 ブルーグラデーションのサンレイダイヤルとPGケースの取り合わせは、遠目に見ても華やかだ。また、パワーリザーブをはじめとしたサブダイヤルはマットに仕上げられたことで、ダイヤル表面とのコントラストが強調されている。なお、前述したように各サブダイヤルは既存モデルと比較してひとまわりもふたまわりも拡大された。これによってダイヤル上でかなりの面積を占有することになったが、シャープになったアワーマーカーとラグ、サブダイヤルの針の形状変更(ドーフィン針で統一)などの調整によってバランスがとられている。全体に一体感が生まれ、非常に洗練された顔立ちに仕上がった。

 そして色だけでなく、機能面のアップデートもこの時計を現代的な一本に押し上げている。時計製造技術の発展に伴ってパワーリザーブは年々改善され続けており、いまや比較的手の届きやすいレンジのモデルでも3日巻きどころか5日巻きをうたったものも珍しくない。これは時計に使い勝手と実用性を求める現代消費者の心理を反映してきた結果のように思えるが、薄さにこだわるドレスウォッチにおいてはまだまだ40時間、50時間あたりが一般的だ(もちろん例外として、ブルガリのオクト フィニッシモ エイトデイズやブランパンのヴィルレ ウルトラスリムのように、ロングパワーリザーブと薄さを圧倒的な技術力で両立させた時計もある)。そのなかにあって、70時間のパワーリザーブはこの時計を選ぶひとつの理由になる。この約3日間のパワーリザーブについてはよく“金曜の夜に時計をはずして置いておいても、月曜の朝に時刻調整をすることがない”と表現されるが、この便利さは実際に体験してみるとよくわかる。特に、オフの日の出番が少なそうなマスター・ウルトラスリム・パワーリザーブのような時計ならなおさらだ。なお、サブダイヤル上で“70”の数字を強調していない点に僕は好感を抱いた。割合による残量表示はひと目で把握しやすく、個人的に合理的だと思う。

 また、ムーブメント自体の信頼性は高めながらも4.97mm厚の薄型設計を維持した点は賞賛すべきだ。スペックの向上がケースの厚みに反映されてしまっては、ジャガー・ルクルトのドレスウォッチカテゴリを担うコレクションとしては本末転倒だろう。しかも今作においては、ケースの厚みは前作の9.85mm厚から8.95mmへと1mmも絞られている。このサイズダウンがどのようにして実現したか、実機を手に取るタイミングがあれば確認してみたいが、新作のエレガンスをより高める要因のひとつになっていることは間違いない。

 改めて、今回行われたのはマスター・ウルトラスリムコレクションのパワーリザーブモデルにおける現代的な洗練だ。フォーマルな場に合わせたい薄型時計としての魅力を維持しながら、スペック面で昨今の需要に配慮した純粋なアップデートが施されている。グッとモダンになったデザインについては好みが分かれるところかもしれないが、日常使いもできるドレスウォッチを検討しているならウィッシュリストに追加しておいて損はないだろう。


基本情報

ブランド: ジャガー・ルクルト(Jaeger-LeCoultre)
モデル名: マスター・ウルトラスリム・パワーリザーブ
型番: Q137258J

直径: 39mm
厚さ: 8.95mm
ケース素材: 18Kピンクゴールド
文字盤色: サンレイ仕上げのグラデーションブルー
インデックス: アプライド
夜光: なし
防水性能: 5気圧
ストラップ/ブレスレット: ブルーのアリゲーターストラップ


ムーブメント情報

キャリバー: Cal.938
機能: 時・分・センターセコンド、デイト、パワーリザーブ表示
パワーリザーブ: 約70時間
巻き上げ方式: 自動巻き
振動数: 2万8800振動/時


価格 & 発売情報

価格: 308万円(税込)
発売時期: 受注受付中
限定: ブティック限定

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