trophy slideshow-left slideshow-right chevron-right chevron-light chevron-light play play-outline external-arrow pointer hodinkee-shop hodinkee-shop share-arrow share show-more-arrow watch101-hotspot instagram nav dropdown-arrow full-article-view read-more-arrow close close email facebook h image-centric-view newletter-icon pinterest search-light search thumbnail-view twitter view-image checkmark triangle-down chevron-right-circle chevron-right-circle-white lock shop live events conversation watch plus plus-circle camera comments download x heart comment default-watch-avatar overflow check-circle right-white right-black comment-bubble instagram speech-bubble shopping-bag

Introducing ジャガー・ルクルト マスター・ウルトラスリム・トゥールビヨン・エナメルが新登場

2019年にリリースされた限定モデルをベースにしつつ、ディテールをアップデート。新たに世界限定20本のハイエンドコレクションとしてラインナップを魅力的に彩る。

ADVERTISEMENT

クイック解説

2024年(※)、マスター・ウルトラスリム・トゥールビヨンに新バリエーションが加わり、ラインナップが充実した。

※プレスリリースによると正確には2023年の新作となるようだ。

 ジャガー・ルクルトは、2019年にマスター・ウルトラスリム限定3部作として、3本の新モデルを発表した。そのひとつが世界限定50本のマスター・ウルトラスリム・トゥールビヨン・エナメルだった。本作はそのバリエーションモデルであり、前作と同様、ムーブメントには2009年に国際クロノメーターコンテストで賞を獲得したCal.978のアップデート版となるCal.978Fを搭載している。このCal.978Fはチタン製ケージを含む77個の部品で構成され、その重量はわずか0.5g未満。規則的な振動を得るべく取り付け部で一定の曲線を描くようにデザインされた平ヒゲゼンマイを備えており、これによって優れた精度を実現させたという。

 1946年に最初のトゥールビヨンムーブメントを制作して以来、ジャガー・ルクルトはジャイロトゥールビヨンに代表されるように多くの新型トゥールビヨンや、シリンダー型ヒゲゼンマイなど伝統的な時計づくりにだけ捕われることなく画期的な発明を実現してきた。特にヒゲゼンマイに関しては、自社で製造できる高度な専門技術を持つ数少ないブランドのひとつであったことから可能となったもので、前述の平ヒゲゼンマイもその賜物だ。前作はこのムーブメントをホワイトゴールドケースに収めたが、本作ではフルポリッシュ仕上げのピンクゴールドケースを採用した。

 トゥールビヨンと日付表示を際立たせる背景でもあり、手首が動くたびに光が反射してさまざまな表情を与えるのがダイヤルに施されたサンレイギヨシェ仕上げのパターンだ。手作業で施されたこの装飾は180本のサンレイから成り、それぞれ手動でロゼット模様機(ローズエンジン旋盤)を用いて6回加工する必要があり、計1080回もの加工が必要となる非常に手間のかかる手法で製作されている。ギヨシェ装飾職人は自身の目と手だけを頼りに、すべての線を真っ直ぐに等間隔でダイヤルの中心から端まで放射状に広がるよう描かなければならない。さらに日付が表示される12時位置のインダイヤルには手作業でサーキュラーパターン(フランス語でアズラージュ)のギヨシェ仕上げが施され、サンレイ装飾のなかで繊細な質感とコントラストを作り出している。この装飾もまた驚異的な精度を要するもので、最終的にはギヨシェ装飾職人の手による計1100回を超える作業を経てようやくダイヤルが完成する。

 メインダイヤルのギヨシェ仕上げが完了すると、今度はエナメル職人がグラン・フー エナメルを複数の層(1回に1層ずつ)に塗布。続いて800℃での焼成と冷却を繰り返すことで、希望の色合いや濃さを生み出す。新作では新開発のブルーの色合いを採用。この色は顔料をさまざまな割合で混ぜ合わせ、その結果を繰り返し検討することで生み出されたものだという。グラン・フーエナメルは焼成の結果が予測不可能であるため、完成までにはプロセスを繰り返し行う必要があり、完成までに長い時間を要する。

 そんな多くの時間とさまざまな工程を要するマスター・ウルトラスリム・トゥールビヨン・エナメルは前作が世界限定50本だったのに対して、本作はさらに少ない20本の限定モデルとしてラインナップに加わる。既存の日付表示を持たないマスター・ウルトラスリム・トゥールビヨンとともに販売されるが、日本での価格についてはともに要問い合わせだ。


ファースト・インプレッション

前述のとおり、本作は2019年に発表された限定版のマスター・ウルトラスリム・トゥールビヨン・エナメルのバリエーションモデルで、搭載キャリバーは同じ。加えてブルーエナメル仕上げのギヨシェダイヤルを採用しているところも基本的には同じである。では、見どころはどこかというと、ディテールのわずかな違いにある。

 12時位置に設けられた日付表示インデックスがダイヤルと同様のブルーになっていることに加えて、6時位置の60秒で1回転するワンミニッツトゥールビヨンの目盛りがケースや針・インデックスと同じくピンクゴールドになっているのだ。このおかけで日付表示はブルーのダイヤルになじみ、トゥールビヨンの存在感が強調されている。さらに前作では9時位置に配されていた“AUTOMATIQUE”表記も本作ではなくなったことで、よりダイヤルデザインがすっきりとした。

2019年版のマスター・ウルトラスリム・トゥールビヨン・エナメル。

 さらに注目したいのは、前述のワンミニッツトゥールビヨンの目盛りに立体的なエンボス加工が採用されているというところだ。プレスリリースによれば、トゥールビヨン開口部を際立たせる秒目盛りはレーザーで立体的に刻印されたものだという。ちなみに日付表示インデックスも単純なプリントではなく、アプライドのインデックスの上にエナメルで仕上げるという手間のかかる仕様。日付表示をダイヤルになじませ、トゥールビヨンの存在を強調しつつも、高い視認性が確保されているのだ。前作ではそれぞれプリント仕様とし、視認性は十分に確保されていたが、新作のディテールのほうがより洗練された印象を与える。

 これはあくまでも筆者が個人的に抱いてきた感想に過ぎないが、かつてのジャガー・ルクルトは“技術屋”“ムーブメント屋”というイメージが非常に強く、ムーブメントや機構は他ブランドと比べてアタマひとつ抜き出た印象があったものの、製造コストの多くを中身に注ぎ、ケースやダイヤルなど外装の作りはイマイチという印象が拭えなかった。

 もちろん本作が高額なハンエンドモデルであるからコストがかけられているという点は否定できないしまだ画像でしか確認できていないため断言はできないが、アップデートされたマスター・ウルトラスリム・パワーリザーブを見ても、近年のジャガー・ルクルトのダイヤルの質感はずいぶんよくなっているのではないだろうか。ムーブメントについては古くから定評のあるジャガー・ルクルトだけに、外装の質感の向上はより時計を魅力的にする歓迎すべき傾向だと思う。

ADVERTISEMENT

基本情報

ブランド: ジャガー・ルクルト(Jaeger-Lecoultre)
モデル名: マスター・ウルトラスリム・トゥールビヨン・エナメル(Master Ultra Thin Tourbillon Enamel)
型番:Q13224E1

直径: 40mm
厚さ: 12.13mm
ケース素材: 18Kピンクゴールド
文字盤色: ブルーのグラン・フー エナメル、サンレイギヨシェ仕上げ
インデックス: アプライド
夜光: なし
防水性能: 5気圧
ストラップ/ブレスレット: ブルーのアリゲーターストラップ、小さな鱗模様入り


ムーブメント情報

キャリバー: 978F
機能: 時・分表示、12時位置に日付表示、6時位置にトゥールビヨン
直径: 30.7mm
厚さ: 7.1mm
パワーリザーブ: 45時間
巻き上げ方式: 自動巻き
振動数: 2万8800振動/時
石数: 35


価格 & 発売時期

価格: 11万ユーロ(税抜。日本円で約1755万円)
発売時期: オーダー受付中
限定: 世界限定20本

詳細は、ジャガー・ルクルトの公式サイトをクリック。