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クイック解説
パルミジャーニ・フルリエには、大きく分けて四つの特徴的なコレクション(トンダを筆頭に、トリック、カルパ、オーバル)があるが、その中でも最も豊富なラインナップを誇るのがトンダコレクションだ。
トンダとは、イタリア語の「円」という言葉に由来したコレクション。例えば、丸いトゥールビヨンキャリッジと自動巻きマイクロローター(ムーブメントをローターで覆うのではなく、ムーブメントのベースの一部にローターを組み込んだ自動巻き機構)を組み合わせた「トンダ 1950 トゥールビヨン」、あるいはラウンド型のシンプルなスモールセコンドウォッチ「トンダ 1950」など、名前の由来となっている円というキーワードを、様々なデザインやスタイルに落とし込んだモデルを展開している。
これまでパルミジャーニ・フルリエが手がけてきた腕時計の多くは、エレガントなスタイルや薄型トゥールビヨン、スプリットセコンドクロノグラフのように複雑な機能を追求したドレスウォッチが中心。一方、この度新たに加わった「トンダ GT」と「トンダグラフ GT」という二つのモデルは、これまでとは打って変わって、アクティブでスポーティ、そして日常のあらゆる場面にフィットするようなデイリーユースを強く意識したモデルとなっている。
トンダ GT、18Kローズゴールドモデル。
トンダグラフ GT、ステンレススティールモデル。
新しいGTラインは、既存のコレクション同様、ベゼルの幅とケースの直径や、メインダイヤルとインダイヤルのサイズ、そして時針と分針の長さなど、いずれもブランド創業以来のテーマとなっている黄金比に則ってデザイン。なお、ケース形状は2017年のジュネーブグランプリ、クロノグラフ部門賞を受賞したトンダ クロノールを継承した。
一方、全体のデザインには、ディノ・モドーロ氏を起用。氏はヴァシュロン・コンスタンタンの初代オーヴァーシーズやコルムのゴールデンブリッジのデザインに携わったことでも知られている著名な時計デザイナーの一人だ。
GTラインではトンダのデザインコードを再編し、ラグをアップデート。人間工学に基づいて設計された一体型ブレスレットを備えたケースを実現した。
また、ブランドのアイコンデザインともなっている、古代ギリシャ建築の柱から着想を得たローレット加工(金属表面に細かい凹凸を施す加工方法)による縞模様のゴドロン装飾ベゼルを採用。ダイヤルにはクル・トリアンギュレールとよばれる三角形の杭をモチーフにしたギヨシェ装飾を施し、光沢のあるサテン仕上げのブレスレット、またはダイヤルに合わせたギヨシェパターンモチーフのラバーストラップを合わせた。
トンダ GTは6位置にスモールセコンド、12時位置にビッグデイト表示を備えたベーシックなモデル。45時間のパワーリザーブを備えた自動巻きムーブメントを搭載し、ネジ込み式リューズにより10気圧防水を確保した。なお、ケース素材により限定数は異なり、18KRGモデルは150本限定、 SSモデルは250本限定となっている。
一方のトンダグラフ GTは、1年に1回、3月1日に調整するだけで翌年2月の月末までカレンダー表示を自動調整するアニュアルカレンダーに、クロノグラフを組み合わせた高機能なモデルとなっている。ダイヤルには多くの情報が表示されるが、「ANNUAL CALENDAR」のプリントと3時位置のスモールセコンドの下にレイアウトされた月表示、12時位置のビッグデイト表示に鮮やかなオレンジカラーを採用。アニュアルカレンダーに関連したカラーリングを統一することで視認性が追求されている。
トンダ GT同様、ネジ込み式リューズにより100m防水を確保。また、トンダグラフ GTはSSのみの展開で、200本限定だ。
ファースト・インプレッション
トンダコレクションに新たに加わったGTライン。待ってました、と思った方は少なくないのではないだろうか。少なくとも筆者個人とっては、待ちに待ったコレクションだった。
というのも、前述したようにパルミジャーニ・フルリエのコレクションはドレスウォッチが中心だ。
ミシェル・パルミジャーニによる最初の時計を現代的なデザインで蘇らせた原点回帰的なアイテム、トリック クロノメーターなどは筆者が憧れた逸品だが、今のところドレスウォッチを身に着けることがないため、パルミジャーニ・フルリエの時計には縁がないと思っていた。
だが、新しいGTラインはどちらもデイリーユースを想定した時計だ。筆者が時計を選ぶ場合、水を気にせず日常的に身に着けられるか、ということを一番に考えるが、パルミジャーニ・フルリエらしいエレガントなスタイルでありながら、100m防水を確保したGTラインは普段使うのに十分な心強いスペックを実現した時計だといえる。
カテゴリーとしては、ブランド各社が続々と市場に投入している、いわゆるラグジュアリースポーツウォッチに属するモデルと言えよう。
近年、というより特に2020年は、このラグジュアリースポーツウォッチに属するコレクションがブランド各社から続々と発表されている。そんな人気のカテゴリーに新たな選択肢が加わり、選ぶ楽しみが増えただけでも筆者としては純粋に嬉しい。
なお、ブランドでのトンダ GTのフォーカスモデルは18KRGモデルだが、SSモデルの画像も入手できたのでこちらも掲載した。画像で見る限り、スポーティでありながらエレガントな雰囲気もあり、SSモデルのほうが人気が出そうだ。後日実機に触れる機会があれば改めて情報をアップデートしたい。
トンダGT、SS&ラバーストラップ。
トンダ GT、SS&ブレスレット。
基本情報
ブランド:パルミジャーニ・フルリエ(Parmigiani Fleurier)
トンダ GT(Tonda GT)
型番:
PFC910-0000210-X01482(SS&ラバーストラップ)
PFC910-0000210-B00182(SS&ブレスレット)
PFC910-1500340-X03182(18KRG&ラバーストラップ)
PFC910-1500340-B00782(18KRG&ブレスレット)
直径: 42mm
厚さ: 11.2mm
ケース素材: SS、または18KRG
文字盤色: ブラック(SS)、ブルー(18KRG)、クル・トリアンギュレールギヨシェ
インデックス:バー(ロジウムプレート)、または 18KRG、ブラック夜光塗料コーティング、アプライド
夜光: あり。ブラック夜光塗料付きのデルタ型針
防水性能: 100m
ストラップ/ブレスレット: ブルーラバーストラップ、ポリッシュ&サテン仕上げの18KRGブレスレット、フォールディングバックル
追加情報: サファイアクリスタル、シリアルナンバーの刻印
トンダグラフ GT(Tondagraph GT)
型番:
PFC906-0000210-X01482(SS&ラバーストラップ)
PFC906-0000210-B00182(SS&ブレスレット)
直径: 42mm
厚さ: 13.7mm
ケース素材: SS
文字盤色: ブラック、クル・トリアンギュレールギヨシェ
インデックス:バー(ロジウムプレート)、ブラック夜光塗料コーティング、アプライド
夜光: あり。ブラック夜光塗料付きのデルタ型針
防水性能: 100m
ストラップ/ブレスレット: ブラックラバーストラップ、ポリッシュ&サテン仕上げのSSブレスレット、フォールディングバックル
追加情報: サファイアクリスタル、シリアルナンバーの刻印
ムーブメント情報
トンダ GT
キャリバー: PF044
機能: 時、分、6時位置にスモールセコンド、12時位置にビッグデイト表示
直径: 30mm
厚さ: 5.3mm
パワーリザーブ:45時間
巻き上げ方式: 自動巻き
振動数: 2万8800振動/時
石数: 33石
追加情報: 自動巻きローターは22Kゴールド
トンダグラフ GT
キャリバー: PF043
機能: 時、分、3時位置にスモールセコンド、クロノグラフ(センターにクロノグラフ秒針、9時位置に30分積算計、6時位置に12時間積算計)、アニュアルカレンダー(12時位置にビッグデイト表示、3時位位置のスモールセコンドの下に月表示)
直径: 30mm
厚さ: 7.4mm
パワーリザーブ:45時間
巻き上げ方式: 自動巻き
振動数: 2万8800振動/時
石数: 56石
追加情報: 自動巻きローターは22Kゴールド
価格・発売時期
トンダ GT
価格: SS&ラバーストラップは156万円、SS&ブレスレットは167万円、18KRG&ラバーストラップは287万円、18KRG&ブレスレットは価格未定(全て税抜)
販売時期: 2020年秋発売予定
限定: SSは世界限定250本、18KRGは世界限定150本
トンダグラフ GT
価格: SS&ラバーストラップは213万円、SS&ブレスレットは225万円(全て税抜)
販売時期: 2020年秋発売予定
限定: 世界限定200本
詳細は、パルミジャーニ・フルリエ公式サイトをクリック。
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