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Introducing パテック フィリップ 希少なハンドクラフトの傑作コレクション 2021年新作

希少なハンドクラフトピースの数々。

コンプリケーションやステンレススティール製のスポーツウォッチは、パテック フィリップのなかでも最も刺激的な存在だ。しかし、バーゼルワールドを訪れたときの個人的なお気に入りは、同社の「希少なハンドクラフト」を見ることだった。毎年パテック フィリップのブースでは、ユニークピースや限定品のクロックなどが展示されており、同社のアポイントメントを取った際には必ず見るべきものたちだった。誇らしげに陳列されたこれらの時計は通常の展示会で見られるようなものではない。特にエナメル文字盤は、ミッドセンチュリーの黄金時代に見られた見事なクロワゾネを彷彿とさせるものだ。

 今年、パテック「Rare Handcrafts 2021」をこれまでで最も豊富なバリエーションで発表。2021年6月16日から26日まで、ローヌ通りの同社のジュネーブサロンにおいて展示される。なぜこれほどまでに豊作なのか? それは、2020年の未公開作品が含まれているからで、2年間の創作活動が1つに凝縮されているためである。

 この記事では、カラトラバとゴールデン・エリプスコレクションの希少なハンドクラフトの腕時計と、最後には豪華絢爛なノーチラスをご紹介する。プレス写真だけではよくわからないため、ジュネーブに行く機会があるのであれば、ぜひご自身の目でお確かめいただきたい。


カラトラバ

5077/100G-043 “緑のワックスプリント”

 まず最初にご紹介するのは、ホワイトゴールドのカラトラバだ。文字盤は、アフリカの伝統的なワックスプリントと呼ばれる鮮やかな生地の色合いからインスピレーションを得ている。本モデルは、ホワイトゴールドの文字盤に手作業でギヨシェ模様の曲線を描き、その上に透明なフランケエナメルを重ねている。エナメル職人は、24金のゴールド・ワイヤーを使ってクロワゾネ装飾を形成し、グリーン、ブルー、ホワイトを組み合わせた9色のエナメルを重ねていく。1つの文字盤が完成するまでに、8~10回の焼成が必要となる。文字盤の下には、超薄型の自動巻きムーブメントCal.240が搭載されており、サファイアケースバックから鑑賞できる。

5077/100R-049, 5089G-101, & 5177G-028 “魚の群れ”

 エナメル文字盤のカラトラバのトリオは、魚の群れがひとつの大きな生命体のようになって外敵から逃れながら、一斉に身をよじり、方向を変える動きからインスピレーションを得ている。この3本は先述のモデル同様に、ゴールド・ワイヤーで異なる色のエナメルを区切ったクロワゾネ七宝を採用。文字盤は、約800℃のオーブンで12〜15回焼成されたもので、内部には極薄のマイクロロータームーブメントCal.240を搭載する。また、ケースはカラトラバの伝統的なデザインにそれぞれアレンジを加えたものだ。Ref. 5077/100R-049はローズゴールド製で、ベゼルとラグにダイヤモンドをセッティング。Ref. 5089G-101は、ヒンジ付きダストカバーを備える。Ref. 5177G-028は、ホワイトゴールド製で、ベゼルにパテックの特徴であるギヨシェによるクルー・ド・パリ(ホブネイル・パターン)が施されている。

5177G-023 “中世の装飾品 I”

 ここでは、中世の写本に見られるような装飾的なモチーフにインスパイアされた、グラン フー・クロワゾネエナメル文字盤を搭載したカラトラバをご紹介する。この文字盤上のねじれたり回転したりしている模様は、正確に形成されたゴールド・ワイヤーの中に収められており、私が見たクロワゾネエナメルのなかでも最も精巧で野心的な作品の一つだ。ケースはホワイトゴールド製で、ベゼルには古典的なギヨシェ模様のクルー・ド・パリ(ホブネイル)装飾が施されている。内部には、こちらも自社製のCal.240を搭載。

5177G-024 “ハヤブサの頭”

 これまではクロワゾネエナメルのモデルの数々だったが、ここでは少し違ったものをご紹介する。5177G-024 "ハヤブサの頭"は、非常に緻密でリアルなハヤブサの姿を木象嵌(もくぞうがん、別名ウッドマルケトリー)で表現している。文字盤に描かれた絵を作り上げるために、アーティストによって、168個の極小の木片が切り出され、メープル、ボックスウッド、バーウォールナット、グレーポプラなど20種類の木を使って200個のインレイが施されている。ホワイトゴールド製ケースにベゼルはホブネイルパターン(クルー・ド・パリ)で飾られており、内部には自社製のCal.240ムーブメントを搭載している。


ゴールデン・エリプス

5738/50G-017 “中世の装飾品 II”

 そして、このゴールデン・エリプスでは、カラトラバでも用いられた装飾的なデザインをクロワゾネエナメルで表現。この文字盤を作るためには、750〜780℃に加熱した炉で9回にわたり焼成する必要がある。

Ref. 5738/51G-001 ゴールデン・エリプス

 今回のコレクションで発表されたゴールデン・エリプスの文字盤には、シャンルべ七宝と呼ばれる別のエナメルが使用されている。18Kゴールドの文字盤に作られた凹みを黒のグラン フー・エナメルで埋め、その上の盛り上がった部分を見せるのだ。その部分には手彫金で植物や花のモチーフが描かれている。出来上がったのは、精巧なアール・ヌーヴォーの門構えのような繊細さと力強さを兼ね備えた、魅惑的な文字盤だ。このモデルにも、マイクロローターを搭載した極薄のCal.240が搭載されている。


ノーチラス

ノーチラス・ハイジュエリー Ref. 7118/1450G-001

 このホワイトゴールド製のレディス・ノーチラスのケース、ダイヤル、そしてブレスレットに一体いくつのピュア・トップウェッセルトン・​ダイヤモンドがスノーセッティング(別名ランダム・セッティング)されているかわかるだろうか? 答えは2553個だ。合計すると13ct弱にもなる。数える人なんているのだろうか。ランダム・セッティングされたダイヤモンドは、宝石職人がインスピレーションを自由に発揮して、さまざまなサイズのダイヤモンドを隙間なく並べていき、あともうひと粒も入らないほど緻密にセッティングされている。このホワイトゴールドのジュエリーは、現在のコレクションとして発売されており希少価値は間違いなく高いだろう。

 今回ご紹介した希少なハンドクラフトの他にも、テーブルクロックや複雑機構を搭載したモデルも多数展示されている。ジュネーブに訪れる際は、ぜひパテック・サロンへ。