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Introducing セイコー プレザージュ プレステージライン Sharp Edged Series 2020年新作

セイコー プレザージュのプレステージラインに、エッジを効かせてシャープなシルエットを際立たせた新デザインが追加される。

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クイック解説

 日本の美意識を世界に向けて発信するブランドとして、2011年に誕生したセイコー プレザージュ。その中でも漆や琺瑯(ほうろう)など、日本の伝統技術に根ざした、ユニークな素材やデザインを融合させた製品を展開しているのが、プレステージラインである。そんな同ラインに、この度、「Sharp Edged Series」 と名付けられた新デザインが加わった。

 本作は、華美な装飾をそぎ落とすことで物事の本質を表現する、日本独自の美学を取り入 れた新シリーズだ。
 特徴はいくつもあるが、特に注目しておきたいポイントは主に2つ。1つはケースとブレスレットに見られる、切れ味の鋭いエッジの立ったディテールだ。シャープなシルエットが力強い印象を与えると共に、艶のあるポリッシュ仕上げと繊細なヘアライン仕上げのコントラストが、際立った立体感を生み出している。

 そして、もう1つがダイヤルデザイン。同シリーズでは、交差する直線により、日本の伝統的な“麻の葉紋様”が立体的に表現されている。麻の葉紋様とは、正六角形を基本とした幾何学紋様で、平安時代から仏像の装飾などに使われてきたほか、江戸時代には着物の図柄として流行するなど、古来より親しまれてきた。
 本作では、厚さ0.4mmの金属板にわずかな高低差を付けることで、麻の葉紋様を表現。同時に、この高低差が光を異なる方向へ反射させ、ダイヤルに深い輝きをもたらしている。

 さまざまなシーンにマッチするように、本シリーズでは4つのダイヤルカラーが用意された。藍色がかかった鉄色を表現した藍鉄(あいてつ)、光沢のある真っ白な絹の色である白練(しろねり)、常緑樹に着想を得た常盤(ときわ)、そして煙に燻されて濃い茶褐色に変化した竹のような煤竹(すすたけ)と、いずれも日本の伝統色の中でも、特にシックな色味が採用されている。
 なお、藍鉄、白練、常盤の3モデルはステンレススティール(SS)ケースにSSブレスレット、煤竹のみ、ダイヤルの色味とマッチする、ピンクゴールドカラーメッキのSSケースとホースレザーストラップの組み合わせとなっている。

 ムーブメントには、約70時間のパワー リザーブを備えた自動巻きのCal.6R35を採用。その魅力については、後ほど詳しく紹介したい。
 本シリーズは質感に優れた外装をもち、実用性の高い機械式ムーブメントを搭載するなど優れた仕様だが、価格は全て10万円(税抜)と非常に値頃感のある価格を実現。9月11日から販売開始予定だ。 

ファースト・インプレッション

 Sharp Edged Seriesでは、前述の通り、ダイヤルカラーにそれぞれ日本らしい呼び名が与えられている。
 おそらく筆者だけではないと思うが、これが少々分かりにくい。馴染みのあるカラーで表現するならば、藍鉄はブルー、白練がホワイト、常盤がグリーン、そして煤竹がブラウンだ。最も需要がありそうなブラックに当たるものがないのは少々残念だが、いずれのもトレンドといえる注目度の高いカラーリングがセレクトがされており、現在の市場のニーズを的確に捉えているという印象だ。

左が藍鉄(あいてつ)ダイヤルのSARX077、右が白練(しろねり)ダイヤルのSARX075。

左が常盤(ときわ)ダイヤルのSARX079 、右が煤竹 (すすたけ)ダイヤルのSARX080。

 ダイヤル以外のディテールについても細かく見ると、本シリーズが極めて挑戦的なモデルであることが分かる。Sharp Edged Seriesの価格は10万円(税抜)で、これはプレステージラインの中でも手の届きやすい価格設定だが、その外装はエントリーモデルとは思えないほど、手の込んだ作りである。(ただし、実機をこの目で見ることができていないので、提供された画像と資料から読み取れる情報に従えば、であるが……)
 これは筆者の個人的な感想であるが、これまでの同ラインのモデルは、ダイヤルにこだわる一方、ケースやブレスレットは比較的シンプルなスタイルか、もしくはエッジの緩いものが多かったように思う。

 だが、前述のように本シリーズの売りの1つは、エッジが立ったケースとブレスレットだ。どちらもキチッと整った面で構成され、1960年代のGSセルフデーターや44GS(現代のグランドセイコーまで連綿と受け継がれる、セイコースタイルを確立したモデル)、あるいはロードマーベルなど、往年の名作を思わせる立体感を感じさせる。
 また、インデックスも多面カットのアプライド仕様となっており、初見でこの時計の価格を言い当てられる方は、よほどの時計好きでも、そう多くはないのではないだろうか。

セイコーメカニカルムーブメント Cal.6R35

メカニカルムーブメント Cal.6R35。

 そして、最も興味を引かれたのはムーブメントだ。筆者は決してムーブメントマニアというわけではないが、搭載されたCal.6R35は、極めて魅力的な機械だと感じている。

 まずは、ロングパワーリザーブである点。本シリーズでは70時間(3日間弱)あるので、例えば、フルで動力ゼンマイが巻かれた状態であれば、金曜の夜に時計を外して週末の2日間放置しても、月曜の朝に巻き上げ不足を気にすることなくすぐ身に着けることができる。40〜50時間パワーリザーブでは、こういった着け方は難しい。

 70時間パワーリザーブの実現に関して、ムーブメントのエスケープメントにMEMS(Micro Electro Mechanical Systemsの略称で、半導体などの超精密部品に用いられる最先端加工技術)で成形されたパーツが使われているという話があった。実際にセイコーウオッチの広報担当者に確認したところ、まさにその通り。
 Cal.6R35のガンギ車とアンクルには、MEMSで加工されたパーツが使用されているという。MEMS成形パーツにはいくつかメリットがある。まずは表面を平滑にできるため摩擦が少なく、パワーロスを抑えることができること。そして、パーツを肉抜きして軽量化することもできるのも利点。これらが長いパワーリザーブの確保に寄与している。
 

 このMEMSの技術、以前はグランドセイコーやクレドールといったハイエンドなブランドでしか用いられていなかった。そんな優れた技術を、エントリーモデルのムーブメントにも惜しみ無く用いるというのは何とも驚きだ。ちなみに、これは本シリーズのみの仕様という訳ではなく、Cal.6R35全てにMEMS成形パーツが投入されている(これも広報担当者に確認済み)。
 

 セイコーに限らず、近年、ハイエンドなブランドやコレクションでしか手にできなかったような優れた技術が、投入された時計がエントリープライスゾーンでも見られるようになった。もしかしたら、今、最も面白いのは、本シリーズに代表されるような、10万円前後で購入できる機械式時計かもしれない。

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基本情報

ブランド: セイコー プレザージュ(Seiko Presage)
モデル名: プレステージライン Sharp Edged Series(Prestige Line Sharp Edged Series)
型番:SARX077、SARX075、SARX079、SARX080

直径: 39.3mm
厚さ: 11.1mm
ケース素材: ステンレススティール(ダイヤシールド加工)
文字盤色:藍鉄(SARX077)、白練(SARX075)、常磐(SARX079)、煤竹(SARX080)
インデックス: アプライドバー
夜光: あり(時・分針)
防水性能: 10気圧
ストラップ/ブレスレット:SSブレスレット(SARX077、SARX075、SARX079)、ホースレザーストラップ(SARX080)


ムーブメント情報

キャリバー: 6R35
機能: 時・分表示、センターセコンド、3時位置にデイト表示
パワーリザーブ: 約70時間
巻き上げ方式: 自動巻き
振動数: 2万1600振動/時(3Hz)
石数: 24


価格・発売時期

価格: 全て10万円(税抜)
販売時期: 9月11日
限定:なし、通常モデル

詳細は、セイコー プレザージュ公式サイトへ。