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Four + One 時計に関するくだらない質問をしていたところから、スマートな時計百科事典サイトを設立した女性

ラグジュアリーライターのクリステン・シャーリーさんのコレクションは、シリアスかつ女性的。もうひとつの宝物はなんと、武器だ。

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ラグジュアリーの専門家で作家のクリステン・シャーリーと話している間中、彼女が里親の猫がライトグレーのソファの背もたれを這いずり回っていた。「クリスタル という名前で、全世界で一番人懐っこい猫なんです」と話す彼女も非常に人懐っこい。例えば、ブルガリの発音を何度も尋ねても、彼女は笑ったりしない。"BULL-gari "と言って、何度も繰り返す。その笑顔の優しさは、ズーム上でも劣らない。

 「時計にまつわるバカな質問は全部したわよ」と、シャーリーは断言する。「バーゼルワールドに初めて行ったとき、時計師さんに "石って何?"って聞いたの。ここにあるムーブメントにはすべて"ジュエル"と書いてある。と聞いたら、『そういうことじゃない』って言われたのよ」

 シャーリーに、幼少期や就職前の人生について少し話して欲しいと頼むと、どこまでさかのぼるか聞かれた。私は、関連性があると思うことは何でもと言った。シャーリーが話してくれたことは、正確でありながら完璧で、明らかに生活のために物語を作っている人の話だった。彼女は、父親の仕事の関係で一家が世界中に散らばっていたため、ほとんど海外で育ち、フランス語、イタリア語、スペイン語を勉強した。父親から「フランス語は役に立たない」と言われていたが、そんなことはないと思っていた。実際、時計職人と話すときや、マニュファクチュール見学のときには、かなり重宝しているという。ジョージタウン大学を卒業後、「『プラダを着た悪魔』のようなライフスタイルを送る」と決意して、ELLEを皮切りに、Bloomberg Businessweek、DEPARTURES、Travel + Leisureなどでフリーランスとして活躍した。現在はForbes.comのコントリビューティングエディターとして、旅行、食、ワイン、スピリッツ、スタイル、美容、時計、ジュエリー、ライフスタイルなど、ラグジュアリーに関する記事のみを10年来執筆している。

 彼女は現在38歳でマンハッタン在住。キャビアと牡蠣が大好きで、宝石が何であるかはもちろんのこと、それ以外のこともよく知っている。「バーゼルワールドに初めて行ったとき、時計の虜になったわ。ハリー・ウィンストンのプレミア・コレクションは、自動巻きムーブメントにメティエ・ダールを施した、とても美しい文字盤が特徴的で、最も引かれたわ。そして、ルイ・モネのような独立系ブランドの作品を見たとき、時計職人の能力にはとても驚かされた」

 彼女は、時計について学び、執筆した経験を「試練の旅」と表現している。(今年、オンライン高級百科事典「La Patiala(ラ・パティアラ)」を立ち上げたことで、他の人たちの学習曲線が少しでも緩やかになればと彼女は願う。パティアラのマハラジャが所有した由緒あるジュエリーコレクションにちなんで名づけられたこの「ラ・パティアラ」は、ラグジュアリー業界、特に時計について、常に最新の情報を提供することを目指して作成された。

 元々時計の初心者である彼女にとって、サイトの初年度に充実した時計百科事典を立ち上げることは重要なことだった。シャーリーは、自分のウェブサイトが、時計について学ぶ際の苦痛を少しでも軽減できればと語る。「時計を理解すると、時計について学んだり、収集したりすることにもっと興味を持つようになると思います。私は、特に女性にとって、時計をもっと身近なものにしたいのです」

woman wearing a watch

 この百科事典に目を通し、多くのことを学んだ。ローターとは何か、そしていくつかの種類を知ることができた。また、超ロングパワーリザーブの時計の存在にも啓発されたり、アベンチュリンダイアルがなぜそう呼ばれているか、その名前があることも知らなかったけれど、自分がそのファンなんだと確認もできた。

 シャーリー自身のコレクションは、シリアスでありながらフェミニンでもある。多くの時計コレクターがそうであるように、彼女の時計も人との大切なつながりやキャリアのターニングポイントを映し出している。「時間を見ようと手首を見るたびに、なぜそれを買ったのか、誰からもらったのかを思い出します。また、自分が気に入った時計であることも重要です。リセールバリューは気にせず、職人の技が光る美しいものを身につけ、喜びを感じたいのです。私は、時計を投資としてしか扱わない人たちを理解することができません」

 では、彼女が次に買う投資ではない時計は何だろう? 「独立系ブランドで少し大きめのドレスウォッチを手に入れたい。たぶんH.モーザー。フュメダイヤルに夢中なの」。 彼女のお気に入りの4つのアイテムと、時計以外の嬉しいサプライズについては、続きをお読みください。

watch collection

The Four
ボーム&メルシエ
baume and mercier watch

 シャーリーは、この時計がハンプトンの古いモデルだと信じている。この時計は、彼女が初めて手にした "本物 "の時計だった。「幼い頃から時計は持っていましたが、大事なものはありませんでした。これは祖母が亡くなったときに譲り受けたものです。祖母は母とパリに行ったときに買ってくれたんです」

 これはシャーリーが長年愛用していた唯一の時計で、毎日何にでも合わせていた。今はもっと多くの時計を所有し、以前よりも時計のムーブメントに興奮するようになったとはいえ、彼女は今でもこれをいつも身に着けている(この時計はクォーツムーブメントで、シルバーのオパーリン文字盤、スティール製のブレスレット、2列のダイヤモンドがついて、約18mm径だ)。「これをつけるたびに、祖母のことや祖母と私の母の関係、そして私と母の素晴らしい関係を思い出します」

ブルガリ セルペンティ
bulgari serpenti

 これは、シャーリーにとって初めての極めてファンシーな時計である。ステンレススティール製のケースは約22mmで、クォーツムーブメント、ギヨシェ文字盤、2列のダイヤモンド、2重巻きのテュボガスブレスレットを備えている。「Elite Travelerで働いていたときに手に入れたものですが、今でも初めて身につけたときと同じように、この時計に夢中になっています。とても象徴的で個性的なデザインです。使い心地も最高です。主張があり、人々が引きつけられる。会話が弾むんです」

 彼女がこの時計と合わせるのに気に入ってつけているものについて聞いた。「フォーマルな場面に最適なのは明らかです。素敵なレストランや結婚式、パーティに行くときは、どんなドレスにも合わせます。去年、アマルフィ海岸に旅行したときなんかは、ブルガリはイタリア製だから、何にでも合わせられるし、まるで自分の家にいるような気分だったわ」

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ジャガー・ルクルト レベルソ・デュエット

 この時計は手巻きムーブメントを搭載しており、表ダイヤルはシルバーグレーで中央にギヨシェ模様が施され、バトン針が配されている。裏側の文字盤はブラックサンバースト・ギヨシェにドーフィン針、ケースはスティール製で裏蓋に2列のダイヤモンドが施されてる。「この時計は、今年の夏、5番街のヴェンペで、ラ・パティアラを立ち上げた自分へのプレゼントとして購入しました 」とシャーリーさん。彼女は小型の時計が好きで、小型の機械式時計はそれほど多くないなかでこれはベストの1本だと思っている。「レベルソ のデザインは100年近く前のものですが、発売当初と変わらず今もアイコニックでシックだと思うんです。もっと多くの人に持ってもらいたいですね」

 彼女はそれをひっくり返して「夜間」の文字盤を見せると嬉しそうに笑い、私は息をのんだ。私は、このブランドのファンでありながら、この素晴らしい時計を知らなかった。「身につける ことが好きなんです。巻き上げることも好き。というのも、人前でこの時計を見せると、みんな『すごい!』って驚くの。時計があんなふうに反転して、文字盤が2つあるなんて信じられない』ってね」

 彼女の「サイト立ち上げお疲れ様」お祝いの時計の候補は他になかったのかと聞くと、「それはこれ以外にないわ」と言う。

ピアジェ ヴィンテージ
small gold watch

 この夏、オークションハウスのボナムズで、アフォーダブルウォッチオークション(時計が記録的な高値で落札されないオークション)が2回開催され、シャーリーはそのことを記事にしたいと思ったという。「しかし、その記事を書くために、時計のスペシャリストに会い、彼らのコレクションをいくつか見せてもらったところ、ピアジェの小さな時計が2つあることがわかったんです。そこで、ついでに出してくださいとお願いしたんです」

 1個目はサイズが合わなかったのですが、もう1個はぴったりだった。 フィットするとはどういう意味かと聞くと、ブレスレットウォッチで、外せないリンクがあるのだと説明してくれた。今日は勉強になることが多い!

 彼女はその後記事を書いたが、やはり時計のことが気になり、入札して、結局落札した。「信じられませんでした。私が書くには高価な話でしたから」。でも、名だたるブランドのヴィンテージウォッチを手に入れるチャンスをものにしたわけで、まったく後悔していないそうだ。「ピアジェの時計は小さくて、ゴールドで、美しいのに、機械式ムーブメントを搭載している。今、小売店でこの時計を買うとしたら、とてもじゃないけど買えないし、クォーツムーブメントが搭載されているでしょうし」


The One
カリフォルニア・シャンパン・セイバー・カンパニーのブラックウッド・ハンドルセイバー
a sword/saber

  一方で、シャーリーはシャンパンのサーベルに夢中だ。彼女はニューヨークのセントレジスでその使い方を学んだ。「世界中のセントレジスでは、毎晩シャンパンをサーベルで開けるの。私はそのやり方を学ぶために招待され、その魅力にとりつかれたのです」

 シャンパンサーベルは、これともうひとつ、彼女の父がウィリアムズ・ソノマで買ってきてくれたものがあるんだそう。実家に置いてあり、家族のイベントごとにシャンパンを簡単にサベラージュすることができる。「シャンパンのサベラージュはいつもしています。そのシャンパンのコルクには、誰と飲んだのか、日付や記念日を書いて、ガラスの花瓶にしまっています。そのなかにある思い出や特別な日付を見るのが楽しいんです」

 シャンパンのサベラージュを覚えるのに、どのくらい時間がかかったのだろうかと尋ねた。

 "2秒 "と彼女は言う。彼女のサイトには、それを教えてくれる動画がある。「つまり、自分で学ぶことができるんです。ただ、鋭利なものや飛んでくるガラスには十分注意してください。怪我をした人がいても、私は一切責任を負えないので」

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Hodinkee Shopでは、ボーム&メルシエ、ジャガー・ルクルトの中古品を販売しており、ブルガリの正規取扱店でもあります。
ブルガリはLVMHグループの一員です。LVMH Luxury VenturesはHodinkeeの少数株主ですが、編集上の独立性は完全に維持されています。