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Steal Vs. Splurge ジャガー・ルクルトとロンジンの超薄型時計、買うならどっち?

極薄時計を身につけるのは気持ちのよいものだ。では、約124万円の時計は約15万円の時計より6倍気分がよくなるのだろうか。今回は、ジャガー・ルクルトのマスター・ウルトラスリム・デイトとロンジン ラ グラン クラシックの対決だ。

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丸くて薄いドレスウォッチが欲しい? そう思うのはあなただけではない。たとえば、私もそうだ。

 私が超薄型時計のファンになったのは、リシャール・ミルのRM UP-01という画期的な時計を試着して以来だ。この時計を私が購入することは、モロッコの皇太子が今日私の家にやってきて、結婚を申し込まれでしもない限りはないだろう。となると、私はジャガー・ルクルトかロンジンのどちらかを選ぶことになる。

 この時計たちは、どちらも薄型の王者として君臨するフェラーリロゴの入った腕時計同様、1.75mmの厚みなのだろうか。いや、そうではない。ジャガー・ルクルトは7.45mm、ラ グラン クラシック ドゥ ロンジンは4.5mmで、UP-O1の世界観に近付けるためには、かなりのダイエットが必要だ。しかし、これらの時計はエレガントで洗練された雰囲気を醸し出すのに十分な薄さながら、ラウンドでシンプルかつクラシックなデザイン。健康的な輝きを失わない、程よい薄さなのである。

 まあ、124万800円(あるいは15万2900円。ともに税込)というのはけっしてお小遣いと言える額ではないのだが、愚かな私はリシャール・ミルの2億4750万円という価格を見たあとにはそれを忘れてしまう。

 どんなシチュエーションにも合う薄型の時計が欲しいとする。手頃な価格のものを選ぶか、それとも少し背伸びをするか。そして、少し背伸びをする余裕があるとして、それに見合うだけのものがあるだろうか。ここでその詳細を紹介するので、自分に合った薄型時計を選んでみて。


Steal(お手頃な選択肢)
Longines watch

ラ グラン クラシック ドゥ ロンジン

The Watch: ラ グラン クラシック ドゥ ロンジン

イケてる理由:私は、コレクターというほどではないが、かなり本格的な時計愛好家の奥方にお会いしたことがある。その時の彼女は、ロンジンを身につけ、かつ、とてもファッショナブルなヴィンテージドレスを身にまとっていた。彼女が言うには、ロンジンは彼女のニーズをすべてカバーしてくれる、許容範囲のブランドだという。彼女は特別に時計に入れ込んでいるというわけではないが、好きではある。だから、夫の隣で時計にまったく興味のない人のように見られるのは嫌だし、かといってすでに時計に大金を注いでいる人がいるのに、自分までそうしたくはない。そんな彼女にとって、ロンジンは理にかなった時計だったのである。よくできた、まったくもって立派な時計だ。

 こういうと貶めているように聞こえるかもしれないが、今は時計の話をしているということを忘れないで欲しい。そして、オーデマ ピゲを数本所有しているような人と結婚しているという文脈においては、立派なことはとてもよいことなのである。

 ロンジンのラ グラン クラシックは、シンプルでクリーン、かつ判読性のよい時計である。この時計は、いい意味で、真新しい黒いペンが置かれた白紙を思い起こさせる。その紙を自分の好きなもので埋め尽くすことができるように、この時計を身につけた人は、一日がどこまでも続いていくかのように感じられ、この時計を見るたびに頭をすっきりさせることができるのではないだろうか。

 また、サイズは24mm、29mm、36mm、38mmの4種類が用意され、よほど体格のよい人でもない限り、サイズが合わないことはないはずだ。とにかく、翼つきの砂時計型をしたケースと裏蓋のエングレービングがかわいらしい。かといって派手さやけばけばしさを感じさせるほどではない。黒いバトン針が機能的で、ペイントされたローマ数字が圧縮されて細長くなり、ケース自体のデザインとマッチしているところが気に入っている。

back of longines watch

 私の一番のお気に入りは、ホワイトダイヤルとステンレススティールブレスレット仕様だが、この時計はサイズが豊富なだけでなく、ホワイトダイヤル×ブラックアリゲーターストラップ、ブラックダイヤル×ブラックアリゲーターストラップ、ブルーダイヤル×ブルーアリゲーターストラップ、ブルーダイヤル×ステンレスブレスレットと、バリエーションも4種類ある。最後のものがおそらく2番目に素敵だと思うが、これはあくまで私見だ。この時計は、クォーツムーブメントを搭載している。

longines watch

手頃な理由:クォーツムーブメントは、当然ながら自動巻きムーブメントよりも安価である。しかし、信頼性は自動巻きより高い。これは、時計業界における不動のパラドックスの1つである。そして動力源は電池である。香箱やゼンマイといった、複雑で高価な部品ではない。自動巻きムーブメントのパーツは大きなスペースを必要とするため、クォーツムーブメントを採用することで、コスト削減はもちろん、薄型化も実現できる。

 また、この時計には日付表示がない。秒針すらないのだ。


Splurge(豪勢な選択肢)
JLC  watch thin

The Watch: ジャガー・ルクルト マスター・ウルトラ・スリム・デイト

イケてる理由: ジャガー・ルクルトのCal.899は、現存する最も薄い自動巻きムーブメントのひとつで、ジャガー・ルクルトだけでなく、ヴァシュロン・コンスタンタンやIWCでも使用されているCal.889をベースにしている。私は時計オタクが吊り下げ式香箱や回転ローターを薄くするための戦略に熱中する理由がよくわからない新参者であるが、この時計を薄くしている機構には純粋に畏敬の念を抱いている。そしてそれは電池ではない。

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 誤解しないで欲しいのだが、薄型でかっこいいクォーツ時計はたくさんある。たとえば、オメガ DINOSAUREなどは喉から手が出るほど欲しい。しかし、「大切なのは中身」とはよく言われることだ。超薄型時計というのは、おそらくこの言葉が真とする唯一の対象なのだ。そして、この時計の中身(精巧な機械)とロンジンの中身(電池)を比べれば、この時計がより興味深いものであることに疑いの余地はない。けっして安くはないが、まず飽きることもないだろう。


 この時計は、風光明媚な冷たい湖のような、勇壮な時計である。39mmと大きめではあるが、大きすぎることはない。ステンレススティール製の長いドフィーヌ針はすばらしくシャープで、アワーマーカーも同様だ。サンレイシルバーの背景、12時位置のダブルアワーマーカー、リューズに刻まれたJLのロゴなど、厳密には役に立たないディテールも、この時計が持つ本来の抑制された雰囲気を邪魔することなく、エレガンスを添えている。日付窓はなくても問題ない。

JLC watch side

高価な理由:一番の理由はムーブメントである。自動巻きムーブメントはクォーツよりも複雑であるため、より高価になる。ジャガー・ルクルトはそれをさらに推し進め、巧妙な形状のアワーマーカーや、時計を裏返すとサファイアケースバックから見えるコート・ド・ジュネーブの誇らしげな姿など、「グランド・メゾン」に期待されるレベルの仕上げを施している。38時間のパワーリザーブを持つジャガー・ルクルトは秒針と日付表示を備えているが、ロンジンは時刻表示のみでそれ以外はない。また、ジャガー・ルクルトは一流ブランドであり、友人がメーカー名を読み間違えたときに訂正できるという大きな喜びを得ることもできる。


どちらを選ぶべきか

 正直に言うと、こうした場合の判断基準はつねに、よりよいものを買うだけのお金があるかどうかという点につきる気がする。しかし、私が思うに、ロンジンは持っていて損をするような時計ではない。そして、クォーツムーブメントは、セクシーとは言えないとしても、より薄型化が可能となる。超薄型を求める理由が、科学的なものか美的なものか、あるいはその両方なのか、それは本当に人それぞれである。

 超薄型の時計がどのように作られているのかに興味を持つようになった者として、私はロンジンに満足することはないだろう。しかし、見た目と品質を重視するならば、この時計を選ぶという選択は完全に正しいものだと言える気がする。とても上品な、ロンジンを所有している私の友人が言うように、この時計は立派なものである。それに、サファイアクリスタルもついている。

 ジャガー・ルクルトは仕上げのよさもさることながら、私はこのすばらしい899ムーブメントを手に入れ、ケースバックからその動きを眺めたいのである。ジャガー・ルクルト マスター・ウルトラスリム・デイトは、確かに贅沢品であるが、このレベルの時計製造と、クールで歴史的に興味深いムーブメントという点を考えれば、124万円というのは魅力的な価格である。私はこの時計が好きだ。著名な時計評論家であるエリック・クー氏に「多額の学生ローンを抱えた法律事務所の新入社員が買うような時計だ」と評されたあとも、この時計は私のお気に入りであり続けている。なお、マスター・ウルトラ・スリム・スモールセコンドは、価格は同じだが1mmほど分厚いので、その点は注意が必要だ。

jlc small seconds
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Hodinkee Shopは、ロンジンの正規販売店です。コレクションを見るにはここをクリック。当店ではまた、ジャガー・ルクルトおよびロンジンの中古時計も販売しています。ジャガー・ルクルトおよびロンジンのより詳しい情報については、各ウェブサイトへ。