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Auctions サザビーズが、ジョージ・ダニエルズとロジャー・スミスの時計との“史上最も歴史的に重要なペア”を今秋発表

これはダニエルズのミレニアムシリーズの最後を飾るダブルシグネチャーモデルであり、スミス氏がダニエルズのために製作したコーアクシャルアニバーサリーシリーズの最初のモデルでもある、英国時計製造の最高峰モデルだ。

オークションハウスは誇張表現が大好きである。そのため私自身を含めて、ほとんどの人は敬遠しがちだ。秋のオークションシーズンが近づき、各オークションハウスが今年の目玉商品を発表する今、私のひそかな関心を抑えるために懐疑心は自然と高まっている。しかし今回のマーケティングの話には反対しがたい。サザビーズが今発表したのは、決定的にではないにせよ、オークションハウス史上最も重要な腕時計の組み合わせのひとつだからだ。

 この秋、オークションに出品される歴史と友情によって表裏一体となったふたつの時計とは、ジョージ・ダニエルズ最後のミレニアムウォッチと、ダニエルズの名を冠し、彼の弟子であるロジャー・スミス氏が製作した最初のコーアクシャルアニバーサリーウォッチだ。私は時計にまつわる個人的なストーリーが好きだからかもしれないが、この発表に興奮しないわけにはいかなかった。このふたつの時計はともに、現代史において最も重要なふたりの英国人時計師の軌跡をたどることになるものだ。

Daniels Smith Millennium

 「このふたつの時計にはたくさんの思い出が詰まっており、私の初期のキャリアと、かつて、そして今なお私に大きなインスピレーションを与えてくれる指導者であるジョージ・ダニエルズとの関係を象徴しています。このふたつの時計は、私とジョージの物語を締めくくるにふさわしいものです」とスミス氏は言う。「ひとつは私がまだ未熟だった頃に彼の厳しい指導のもとで製作した最初のモデルであり、もうひとつは、それから10年以上経て製作したコーアクシャルアニバーサリーシリーズの最初のモデルです。この時計は、ジョージのために私がデザインし製作したもので、私自身の成長と技術の証明であり、彼との見習い期間を終えた証でもあります」と続ける。

 ある年、スミス氏はダニエルズの時計を欲しがり、ボーナスの代わりにミレニアムを要求した。それは取るに足らない頼みではなかった。ミレニアムシリーズは、ジョージ・ダニエルズ愛用の腕時計となったプロトタイプ1本を除き、1998年から2001年にかけてわずか60本しか製造されなかったからだ。スミス氏はこの要求だけでなく、文字盤に彼の名前を入れることも許可され、ダニエルズ唯一のダブルシグネチャーウォッチとなり、ロジャー・スミスのブランド名を冠した初の腕時計となった。彼のフルネームはホワイトゴールドのケースバックにも記されている。

Daniels Smith Millennium

 今や高い評価を得て長いウェイティングリストを抱えるスミス氏が、自身の工房を成長させるために2008年にこの時計を売却せざるを得なかったことは少々心が痛むことではあるが、あの資金注入がなかったら彼がここまで成長できたかどうかは誰にもわからない。そしてサザビーズが提供する2番目の時計を手にすることもなかったかもしれない。

Daniels Anniversary

 イエローゴールドのコーアクシャルアニバーサリーウォッチは、2010年にジョージ・ダニエルズの依頼で製作された。ミレニアムの発表からこの依頼を受けるまで10年近くを要し、スミス氏はダニエルズの“愛すべき子ども”ともいうべきコーアクシャルエスケープメントを改良し、ダニエルズの名を冠した時計に新バージョンを加えることをダニエルズから許可された。ダニエルズは他人の時計づくりに感心することはほとんどなかったため、それ自体が偉業のように感じられた。また、このシリーズのためにスミス氏が特別に設計した、まったく新しい英国製キャリバーも採用されている。全部で47本が製造される予定で、ダニエルズが亡くなったにもかかわらず、現在も製造が続けられている。しかしこの時計は最初に製造されたものである。

 サザビーズは、ロジャー・スミス氏がこれらの時計の重要性について語る素晴らしいビデオを作成した。また、これには巡回プレビューやオークションに先駆けて実物を見ることができるまでに十分な多くのディテールショットも含まれている。私は、彼が自分がまだ“未熟”だったと認めた頃の作品と、その後のアニバーサリー作品の作品を比較してみたいと思っているため、両方の時計がニューヨークを経由することを願っている。 それを同時に行える機会はあまりないからだ。

Daniels Anniversary

 WG製のミレニアムウォッチは100万スイスフラン(約109万ドル、日本円で約1億6175万円)以上、YG製のコーアクシャルアニバーサリーウォッチは50万スイスフラン(約54万6000ドル、日本円で約8105万円)以上と予想されている。叶うとは思えないが、これらの時計が一緒に保管されるのを見ること以上に、私はスミス氏の手に戻るのを見たいと思っている。スミス氏の懐中時計 No.2は今年、フィリップスで490万ドル(日本円で約6億8925万円)で落札され、英国時計の記録を打ち立てたばかりだ。どちらかの時計が単独でこの記録を塗り替えることはないだろうが、一緒の場合はどうだろう? それは誰にもわからない。

Photos courtesy of Sotheby's.

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詳しくはサザビーズのウェブサイトをご覧ください。