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Introducing タグ・ホイヤーがフォーミュラ1のメカニカルクロノグラフを刷新

タグ・ホイヤーがフォーミュラ1の新時代を感じさせる新デザインを発表。

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我々が知っていること

今年フォーミュラ1の75周年を迎えるにあたり、タグ・ホイヤーはいわば王座に就き、同名のモータースポーツの公式タイムキーパーに就任した。2024年、ロレックスに代わりLVMHがフォーミュラ1と10年契約を結んだことが発表されたことから、この展開は多くの人が予想していたとおりの結果と言える。タグ・ホイヤーは過去にもF1との深い関係を築いてきたのだ。

Tag Formula 1 Red Bull Racing Edition case profile

 ブランドがこの機会を活かし、フォーミュラ1コレクションに新作を投入するのも当然の流れだ。ダイヤルに記されたコレクション名は、今作においてより大きな意味を持つことになった。昨年のKithとのコラボモデルがレギュラーモデルとして復活することを密かに願っていたが、今回は新たに5つの自動巻きクロノグラフが登場した。そのなかには、オラクル・レッドブル・レーシングとの関係を引き続き感じさせる特別モデルも含まれている。

 新モデルのケースサイズは直径44mm、厚さ14.1mmで、直線的かつブロックのような形状が特徴だ。そのシェイプはトノーケースにも少し似ており、同僚にロールシャッハテストのようにこのケース(のシルエットだけ)を見せたところ、ポルシェデザインやチュチマ、そしてセイコーの“サムライ”を思い起こすとの意見が寄せられた。タグ・ホイヤーはこのケースラインについてF1カーの空力ライン、特にクルマのノーズ部分に触発されたデザインだと説明している。正直にいうと両者の関連性を理解するのは難しいが、全体的なデザイン文脈においてはこのケース形状に魅力を感じる。スペック上のサイズは大きいものの、ラグトゥラグが47.3mmと適度なため、想像以上に装着感は良好だと思う。

lime green case
case back
strap

 ケースはグレード2のチタン製で、うち3つのモデルはDLCコーティングによりダークなコントラストを強調する仕上げになっている。レギュラーモデルの4つにはDLCコーティングが施された固定式のアルミニウム製タキメーターベゼルが採用され、フラットなサファイアクリスタルで覆われている。また、DLCコーティングが施されたリューズとプッシュボタンを備えており、DLCコーティングのないケースを持つモデルではそのコントラストがさらに際立つ。ケースの内部には、ダイヤル上のクロノグラフ積算計のレイアウトからも確認できるように、ETA7750をベースとしたタグ・ホイヤーのキャリバー16が搭載されている。

dial closeup

 フォーミュラ1といえば鮮やかで大胆な色使いが特徴だが、今回の新作も例外ではない。各モデルには赤、ライトブルー、ライムグリーンといったアクセントカラーがセンスよく取り入れられている。黒い文字盤には、インデックスを囲むラッカー仕上げのミニッツトラック部分にこれらの色が用いられ、タグ・ホイヤーの盾型ロゴが配置されたベゼル、クロノグラフ針、5分刻みの目盛りにも同様のアクセントが施されている。

 DLCコーティングされていないモデルには鮮やかな赤いラバーストラップが採用されており、これが全体のデザインを引き締めている。一方、黒いケースのモデルには控えめな雰囲気を持つ黒いストラップが組み合わされているが、ストラップの中層部分には対応するアクセントカラーが仕込まれており、側面から見た際にさりげなくその色が現れる仕掛けになっている。ストラップの留め具は尾錠タイプだが、このデザインに合わせるならばデプロワイヤントクラスプのほうがより一貫性があったかもしれない。ケースの側面を見ると、チタンケースのカットアウト部分からはベゼルとケースの接合部に同じアクセントカラーがのぞくさまが確認できる。

red bull racing edition
caseback
dial closeup

 最後に紹介するフォーミュラ1 クロノグラフ×オラクル・レッドブル・レーシングエディションは、ほかのモデルと一線を画す仕様になっている。このモデルではケース、プッシャー、リューズにDLCコーティングが施されておらず、よりナチュラルな金属の質感が楽しめるが、すべてのパーツに見られるサンドブラスト仕上げによってモダンな雰囲気も醸し出している。ベゼルはフォージドカーボン製で、文字盤にはオラクル・レッドブル・レーシングチームのカラーリングが採用されている。ブルーの文字盤は直球ともいえる市松模様のデザインだが、完成度の高い仕上がりとなっている。さらにケースバックには、チームとコラボレーションのロゴがしっかりと刻まれている。

 DLCコーティングされていないレッドのフォーミュラ1 クロノグラフの価格は70万4000円(税込)、DLCコーティングされた3つのモデルはそれぞれ73万7000円(税込)となっている。オラクル・レッドブル・レーシングエディションは81万4000円(税込)だが、限定というわけではない。これらのモデルは年間を通じて順次販売され、レッドのアクセントを持つ2モデルとレッドブル・レーシングエディションはすでに発売中である。


我々が知っていること

これまでのモダンなフォーミュラ1の多くに同じことを言えるわけではないが、正直なところ今回のモデルは気に入っている。このコレクションは大きな進化を遂げたと言えるだろう。新しいケースフォルムは現在の一貫性のない製品ラインナップのなかで明確なアイデンティティを確立するための素晴らしい一歩であり、文字盤のカラーアクセントやプッシャーの形状、バイカラーのストラップなど細部への配慮には感心させられる。レッドブル・レーシングエディションを除けば、過去モデルではあまり見られなかった控えめなデザインが取り入れられており、これにより日常使いのスポーツウォッチとしての魅力が増した。自宅のテレビでグランプリを観戦する際だけにつける時計とは、大きく異なるものだ。

side profile of blue model

 手首にしっかりとした存在感をもたらす時計であることは間違いないが、ラグトゥラグの距離が適切なおかげで同価格帯のスポーツクロノグラフ、たとえばチューダー ブラックベイ クロノグラフやロンジン コンクエスト クロノグラフと比較しても、装着感という点では手首につけた際にコンパクトさが感じられるだろう。ケースのリデザインを伴う昨今のリリースで、タグ・ホイヤーが“装着感”や“ラグトゥラグの距離”を重視していることを繰り返し強調している点には好感が持てる。

 また少し話が逸れるが、今回のように色違いのモデルを異なる月に分けて発売する理由については少々疑問が残る。これはおそらく特定のモデルを該当するフォーミュラ1レースで目立たせる戦略ゆえなのだろうが、真相は時間が経たないとわからない。しかしこれらのクロノグラフがフォーミュラ1コレクションの将来を示すものだとしたら、確かに興味がそそられる。


基本情報

ブランド: タグ・ホイヤー(TAG Heuer)
モデル名: フォーミュラ1 クロノグラフ(Formula 1 Chronograph)
型番: CBZ2082.FT8096 (レッド)/CBZ2085.FT8093(レッド、DLCコーティング)/CBZ2084.FT8097(ブルー)/CBZ2086.FT8098(ライム)/CBZ2080.FT8091(オラクル・レッドブル・レーシング)

直径: 44mm
厚さ: 14.1mm
ケース素材: グレード2チタンケース(DLCコーティングを施したモデルもあり)、アルミニウム製またはフォージドカーボン製ベゼル
文字盤色: ブラック文字盤にカラーアクセント、オラクル・レッドブル・レーシングモデルのみブルーの市松模様
インデックス: アプライド
夜光: あり
防水性能: 200m
ストラップ/ブレスレット: 尾錠付きのラバーストラップ


ムーブメント情報

キャリバー: タグ・ホイヤー キャリバー16(ETA7750ベース)
機能: 時・分・秒表示、デイト表示、クロノグラフ機能
パワーリザーブ: 42時間
巻き上げ方式: 自動巻き
振動数: 2万8800振動/時


価格 & 発売時期

価格: レッド 70万4000円/DLCモデル 73万7000円/オラクル・レッドブル・レーシングモデル 81万4000円(以上すべて税込)
発売時期: レッド、レッドブル・レーシングモデルは発売中/ブルーとライムは年内発売予定
限定: なし

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