Introducing アーケン　アルテラムは気の利いたチタン製トラベルタイマーだ

　新型のアルテラムは厚さが13mm、ラグからラグまでの全長が46mmの40mm径チタンケース（ベゼル間は38mm）をベースにしている点で、インストゥルメンタム（下記参照）のフォルムを踏襲している。風防はサファイアクリスタル製で、夜光はBGW9スーパールミノバ、防水性能は200mとなっている。回転式ダイバーズベゼルから固定式ベゼルに変更されたアルテラムには、4時位置のねじ込み式プッシャーにより日付表示を変更するためのインターフェースも追加された。

　アルテラムがローカルタイムと第2時間帯を示す12時間針、そしてAM / PMを示す小窓（左がローカルタイム用、右がホームタイム用）を備えていることから、ねじ込み式のリューズはローカルタイムと第2時間帯の両方を制御できるようになっている。付加されたトラベルコンプリケーションはアーケンがミヨタの汎用ムーブメントであるCal.9015のために設計したもので、追加の針とAM / PM表示の追加に加えて日付の制御を分離させている。

　ミヨタが現在製造しているCal.9075（GMT機能搭載ムーブメント）は、基本的にCal.9015をGMTに対応させたものだ。アルテラムはCal.9075が発表される以前から開発を始めており、GMTモデルにアップデートするための解決策は非常にユニークで、実際に試してみたくなるようなものとなっている。アーケンはこのモジュールの開発のための資金提供を行った。このモジュールは基本的にリューズを時計回りに回すことで針とAM / PM表示が連動する第2時針のマウントとして機能するものだ。

　使い方としては、コーラー（Caller）GMTにもフライヤー（Flyer）GMTにも当てはまらない。ローカルタイムとホームタイムを同期させた状態で、ローカルタイムを新しいタイムゾーンに更新したい場合（例えば旅行中など）、リューズを引き出してローカル表示を後方修正し、ホーム針（別名GMT針）は差分（6時間としようか）が針に捉えられるまで固定されたままにしておく。その後、リューズを反時計回りに回して時針を進め、ローカルタイムが表示される（そして、差分によってホームタイムも表示される）まで、両方の時針を進める。要するに、追跡したいふたつのタイムゾーン間の時刻を設定し、アクティブなタイムゾーンのローカル表示を更新する、というわけだ。

　アーケンは、アルテラムをグレーまたはブラックの文字盤にクイックリリース式のナイロンストラップを付属して予約販売し、発売日（2023年7月1日）には700ドル（約9万7420円）、その後は745ドル（約10万3680円）で一般販売する。さらに、昨年インストゥルメンタムを購入した人のために設けられたプライベートな会員制プラットフォームを通じて、アルテラムの別バージョンも提供する予定だ。このために、ブラックのセラコートケースを使用したブラックダイヤルバージョンと、ホワイトダイヤルのバージョンが用意されている。限定品ではないものの、それぞれのカラーリングは200本ずつ生産され、2024年1月以降に配送が開始される。

　僕が時計に熱中するようになったのは、アーケンのような小規模で奥深いクリエイティブなブランドがきっかけだったし、僕がトラベルウォッチについて嬉々として書き続けていることは多くの人が知っているところだろう。

　もっと詳しく説明してもいいのだが（笑）、結論から言うと僕はアルテラムを絶対に購入する。価格は魅力的なマイクロブランドにおけるスイートスポットだし、僕は気の利いたトラベルコンプリケーションが大好物だ（言うまでもなく、僕はチタン製の時計にも手を出し続けている）。

　さらに、アーケン（実質的にケネス氏だが）が独自の美観を持ち、機能的なレイアウトを備えた時計を作ろうと決めたことも素晴らしい。このブランドの時計はどちらもその意図を感じられるモダンなデザインで、考え抜かれており、楽しく、僕の手首にとてもよくなじむ（おそらくあなたの手首にもだ）。ラグからラグまでが短い一体構造のデザインは装着感に優れ、手首への負担も軽い。また、アルテラムはイントゥルメンタムのチタン製ブレスレットと互換性を有している。

　グレー文字盤のモデルは、オレンジのトラベルハンド、ラグの形状および上記のブレスレットから、僕のお気に入りのトラベルウォッチのひとつであるヴァシュロン・コンスタンタン　オーヴァーシーズ・エベレスト デュアルタイム限定モデルのカラーパレットとフォルムからインスピレーションを受けているような気がしている。

　僕はほかの誰よりもヴィンテージ感のあるスポーツウォッチを愛しているが（もしくはそれ以上かもしれない）、マイクロブランドがすでに成功している時計を単にミラーリングするのではなく、その領域を開拓する努力をしているのは本当に素晴らしいことだと思う。新しいブランドを立ち上げるなら、新しいことに挑戦してみようじゃないか。そのスタイリングからカスタムメイドを施したムーブメントの採用まで、アーケンはインストゥルメンタムの後続機としてふさわしい、魅力的なものを作り上げたと思う。

　個性的なデザインと2015年水準の価格帯を実現したアルテラムは、アーケンのカタログに加わったハンサムな時計であり、この若くて有望なブランドの新旧ファンにとってはほぼ間違いなく満足できるモデルである。

ブランド: アーケン（Arken）
モデル名: アルテラム（Alterum） 
型番: Ref.1122

直径: 40mm
厚み: 13mm
ケース素材: 耐傷性加工を施したチタン
文字盤色: ブラック、グレー
夜光: BGW9 スーパールミノバ
防水性能: 200m
ストラップ/ブレスレット: クイックリリース式のテーパードナイロンストラップ

キャリバー: ARK-9015DT (ミヨタのCal.9015がベース)
機能: 時・分・秒、12時間表示の第2タイムゾーン、AM / PM表示、日付表示のサブダイヤル
パワーリザーブ: 42時間
巻き上げ方式: 自動巻き
振動数: 2万8800振動/時
石数: 24
追加情報: ムーブメントはデュアルタイム仕様に改良されており、日付は4時位置のねじ込み式プッシャーで操作可能

価格: 発売日（2023年7月1日）は700ドル（約9万7420円）、それ以降は745ドル（約10万3680円）
発売時期: 2024年1月
限定: なし

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