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Introducing カール F. ブヘラ マネロ フライバック クロノグラフ "ブルー・ホライズン" (編集部撮り下ろし) 2020新作

カール F. ブヘラのコアリファレンスの1つに新ダイヤルが追加。


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私がカール F. ブヘラの時計を初めて見たのは比較的最近のことで、同社が2008年にニューヨークで開催した最初のペリフェラルローター(ムーブメントのフチをローターが回転する)ムーブメント、CFB A1000ムーブメントの発表会でのことだった。ペリフェラルローターは、従来の全直径巻き上げローターよりも薄くできるだけでなく、ムーブメントを見やすくできるなど、多くの利点がある(いくつか見る価値があると仮定していたが、CFB A1000の場合も、もちろんそうだった)。

 以来、カール F. ブヘラは数々の高級な新しいキャリバーを導入している。おそらく、近年発売された中で最も興味深いのは、トゥールビヨン ダブルペリフェラルで、ペリフェラル巻き上げ機構と、ペリフェラル駆動のトゥールビヨンケージを組み合わせた(ペリフェラル機構をトゥールビヨンのキャリッジ外周部にも使用しているため、トゥールビヨンが宙に浮かんだように見える)一種のミステリートゥールビヨンだ。
 そうしたコンプリケーションやペリフェラルワインディングシステムのバリエーションは、もちろん常に大きなニュースであるが(他のマルチタイムゾーンウォッチを所有することは何よりも将来的な課題だと思っているものの、パトラビ・トラベルテックは、今のところ、私のお気に入りのマルチタイムゾーンクロノグラフの1つだ)、同社では同様に頑丈で非常に親しみやすい価格のダイバーズウォッチ、日常使いの腕時計、いくつかのコンプリケーションも製造しており、その中には100万円以下のアニュアルカレンダークロノグラフも含まれる。
 そして、ここ数年で最も人気の高いモデルのひとつが、このたび発表されたマネロ フライバック クロノグラフであり、深みのあるブルー文字盤が新たに採用された。

 マネロ フライバック クロノグラフは、ドレスとスポーツ用クロノグラフの中間に位置する、かなり大振りな腕時計だ。43mm×14.5mmの頑丈なケースは、豪華で堅い印象を払拭しようという意欲を表しているが、全体的なスタイリングは保守的で、2レジスタースタイルが時計の全体的な外観を無骨で煩雑な印象から遠ざけている。

 この時計は、かなり鋭く下にカーブした短いラグをもっており、時計が手首に沿うように馴染むのにひと役買っている。また、もう少し見た目のボリューム感を抑えたい場合は、ブルーのレザーストラップを選ぶことができるが、お揃いのブレスレットを希望する場合は、非常に美しいブレスレットも用意されている。9連リンクデザインで重量感があるが、小さいサイズのリンクと全体的な柔軟性のおかげで非常にしなやかだ(一般に、ブレスレットに何か気になることがない限り、できるだけブレスレット付きの時計を購入するべきという考えに私は賛成だが、この時計の場合は決してそうではない)。そのブレスレットは、パリッとしたエッジ、冴え渡る仕上げ、静かな信頼性と堅実さを感じさせる雰囲気など、時計と同じように控えめで高品質な印象を与える。

 カール F. ブヘラは技術的にも優れた自社製キャリバーによって高い評価を受けているが、より多くの人々に低価格で提供できるようにするため、供給されたムーブメントを改良して使用するという考え方も積極的に取り入れている(結局のところ、風変わりなトゥールビヨンだけでブランドを構築するというのは非常に難しいビジネスとなり、かなり気まぐれな限られた人々に頼ることになる)。
 マネロ フライバック クロノグラフは、ETA7750をベースとしたCal.CFB 1970を使用しているが、ベースムーブメントのカムとレバーの代わりにコラムホイールを採用し、フライバック機能が追加されている。 7750は、信頼性が高く、タフなムーブメントだ。1973年にエドモン・キャプトによって設計された最初のバージョンが発売されて以来、このムーブメントは世界中で最も多く生産されている自動巻きクロノグラフムーブメントであると私は確信しているし、さらに非常に多くのバージョン、手頃な価格のツールウォッチから正真正銘のグランドコンプリケーションまで、全ての基礎を形成しているのだ。

 もちろん、最新バージョンのマネロ フライバック クロノグラフにおける最大の話題はブルーの文字盤であり、本機に非常に多くの魅力を加えている。マネロ フライバック クロノグラフには、過去にいくつかの異なるバージョンがあったが、その中にはグレーブルーの文字盤を採用したものもあった(今回のモデルに加え、基本的なバリエーションは5種類あり、スティールモデルが2種類、18Kローズゴールドモデルが3種類、それぞれSSモデルが88万円、18KRGモデルが236万円。共に税抜)。マネロ フライバック クロノグラフの文字盤と針のクオリティは印象的であり、新しいブルーダイヤルモデルも例外ではない。 

 以前にも述べたように、カール F. ブヘラが提供する製品は、クオーツ危機以前のスイスにおける時計製造の根幹を成した、時間をかけてテストされた信頼性が高いムーブメント、たびたび改良される際立った性能、高品質なケースと文字盤にマッチし、付加価値を反映しながらも、消費者に価値を提供することの重要性を認識し、常識的な価格で提供されている。既存モデルの価格に言及したことで少し秘密をばらしてしまったが、新しいモデルでは何も変わっていないので、その点では良いニュースだ。テキスタイルストラップ仕様が88万円、ブレスレット仕様が94万円(共に税抜予価)である。 

 フライバック機能を追加して製作することの複雑さを考えると、この価格帯のフライバック・クロノグラフは数が少なく珍しいと推察されるが、その通り。アルピナとフレデリック・コンスタントは、4295ドル(日本ではフレデリック・コンスタントのみが展開。SSケース、レザーストラップ仕様で49万6000円。税抜)で、Cal.FC 710のベースムーブメントにフライバック クロノグラフモジュール(ベースキャリバーとフライバック クロノグラフモジュールは共に自社製)を使用したものを備えている。
 同じ括りにあるもう1つのモデルは、バーゼルワールド2018で発表された際にジェームズ・ステイシーが記事を書いてくれた、ジンの910 SRSで、マネロ・フライバック・クロノグラフと同様、ETAの7750をコラムホイール仕様に改造したムーブメントを搭載している。レザーストラップの910 SRSは3960ドル(日本では、67万円のカウレザーストラップ仕様、68万円のホースレザーストラップ仕様がある。共に税抜)。この3つの中でどれを選ぶかは、例によって、価格に敏感な人と個人的な好みによる。
 ジンは、魅力的で洗練されたツールウォッチとしての美学を備えながら、最高の価格を実現、フレデリック・コンスタント(最新バージョン)は、クリーンでミッドセンチュリーの影響を受けたデザインに加えて、モジュール式とはいえ、自社製のムーブメントを搭載している。マネロ フライバック クロノグラフは、文字盤の作り、針など、全てにおいて最高レベルの仕上がりを実現している(複雑なドーム型サファイアクリスタル風防も同様)。 

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 マネロ フライバック クロノグラフは、技術的には確かに優れているが、私を本当に魅了したのはその美学だった。ブルー文字盤がちょっとしたブームになっているのは知っている(というか、ここしばらくの間、その傾向が続いているので、いくつかあるブームの1つと言うべきかもしれないが)、しかし、時計は単なる部品の総和ではなく、おそらくそれよりも魅力的なものとならなければいけないし、私は少し大胆で明るく、青みがかったものを加えることで、マネロ フライバック クロノグラフは、手首にパンチを効かせる時計になり、控え目なデザイン言語を逆に強調することができると考えている。

 カール F. ブヘラの時計製造については、2019年のInside The Manufactureの記事をチェックして欲しい。

 カール F. ブヘラ マネロ フライバック クロノグラフ。ブルー文字盤。ケースは SS、43mm× 14.5mm、サファイアクリスタルの風防と裏蓋。3気圧(30mm)防水。ムーブメントはCal.CFB 1970、30.4mm×7.9mm、フライバック機能付き2レジスター自動巻きクロノグラフ、コラムホイール制御。振動数は2万8800振動/時。25石。42時間パワーリザーブ。日本ではテキスタイルストラップ仕様が88万円、ブレスレット仕様が94万円。共に税抜予価。10月頃に入荷予定。カール F. ブヘラ公式サイトのマネロ フライバック コレクションをクリック。