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Hands-On ドクサ サブ 200Tを実機レビュー

より小さく、より多くの選択肢があり、そして...より少額で?

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前回メモを確認したとき、時計はほかの多くのものと同様に安くなっていなかった。過去数年間は、市場の圧力、ハイプサイクル、熱狂的なファンの注目という一般的な流れに合わせて、ブランドは価格を徐々に上げてきた。しかし時計業界で最大かつ最も豪華な見本市からわずか数週間後のいま、僕が今年最も気に入った新作のひとつがドクサ サブ 200Tである。このダイバーズウォッチは、ブランドの象徴的な60年代のデザイン言語をベースにしており、サブ 300シリーズのプロポーションを小さく、よりウェアラブルなパッケージに凝縮したものだ。多数のニューカラーオプションと、セイコーやシチズンの人気モデルに近い価格帯のサブ 200Tは、ドクサのコアな魅力をこれまで以上に身近なものにした。

doxa sub 200T

シーエメラルド文字盤のサブ 200T(左)とアイコニックバージョンのダイビングスター(右)。

 今月初め、このモデルが最初にリリースされた際お伝えしたように、サブ 200Tのサイズは39mm径×10.7mm厚、ラグからラグまでが41.5mmだ。参考までに、このデザイン言語の核とされるサブ 300は(サブ 300Tについては後ほど触れる)、42.5mm径×13.1mm厚、ラグからラグまで45mmである(この厚さにはサブ 300が持つ際立ったバブル風防が含まれる。なおこの物語の後半で両者を比較している)。ここで強調しておきたいのは、サブ 200Tのサイズを考慮する際、サブ 300は42.5mmというサイズから想像されるよりもずっと小さいということだ。短いラグトゥラグと小さなダイヤル比、そしてレイヤードケースは、時計が持つ視覚的な重量を低く保ち、手首にぴったりとフィットしてくれる。

 ドクサは僕自身のダイバーズウォッチやスポーツウォッチの好みの中心に位置しているため、ドクサが発表する新しいものは何でも体験してみたいと思っている。2020年にリフレッシュされたサブ 300や2022年の600Tアーミー、そして2023年のクライブ・カッスラー 300Tなどなんでもだ。サブ 300(2017年の50周年記念モデルを含む)の“薄型ケース”デザインの純粋主義者として、サブ Tはここ数年で最も注目すべき新製品のひとつだと思う。300のモデルチェンジは、50周年記念モデルであるカーボン製サブ 300に大きく影響された。そして、アーミーと600Tがドクサのフォーマットを拡張してデザインを派生させたのに対し、200Tはブランドの核であり、往々にしてカルト的な魅力から逸脱することはない。

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サブ 200T カリビアン(アイコニックバージョン)。

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 ここでは、読者が以下の条件を満たしていることを前提とする。1.少なくともドクサに興味を持っている。2.サブ 200Tが最初に発表されたときの最初のIntroducing記事を読んでいる。というわけで、この記事は最小限にとどめることにする。新しいプロポーション以外にも、サブ 200Tは効果的に300と300Tを適用している。風防はフラットなサファイアでラグ幅は18mm、ブレスレットまたはフィット感のあるラバーから選ぶことが可能だ。内部のムーブメントは自動巻きのスイス製セリタSW200-1で、パワーリザーブは約38時間、2万8800振動/時で振動し、3時位置に日付表示を備える。

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サブ 200Tのほぼ全シリーズ。グループ画像にはない、残りのWatches of Switzerlandエディションはすぐ下のリンクから。

 サブ 200Tで特に新しく、ドクサのラインナップのなかでユニークなのは、カラーバリエーションがあることだ。サブ 200Tのダイヤルカラーは全14色から選ぶことができ、ドクサの主力商品(いわゆる“アイコニック”ダイヤル)は多くのカラーバリエーションに加え、新しい“サンレイ”バージョンや、Watches of Switzerland限定の特別なシーフォームグリーンが用意されている。各例についてはキャプションをご覧いただきたいが、わかりやすくするため、シーランブラー(シルバー)、ホワイトパール(ホワイト)、シーエメラルド(グリーン)以外の各色についてはバージョン違いのペアがあるとお伝えしておく。

 プロフェッショナル(ドクサがオレンジダイヤルに付けた名前)のようなクラシックなモデルでは、“アイコニック”はフラットなマットオレンジであり、“サンレイ”はより光沢のある放射状のサテン仕上げである。イエローダイヤルのダイビングスターのように、ふたつの仕上げの違いは昼夜を問わないものもあれば、もっと微妙なものもある。(シャークハンターのあるバージョンと別のバージョンは、明るい日差しの下で見ない限り、すぐに見分けることはできないだろう)。

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サブ 200T シーランブラーを7インチ(約17.8cm)の手首に装着。

 基本的なことは以上だが、非常にDoxaらしいこの時計について、ひとつの大きな疑問が残る。腕への装着感はどうなるかということ。そして、少し(または、より小さな観点から見た)重要な問題として、39mmはドクサ サブにとって小さすぎるだろうかということだ。

 サブ 200Tのほぼすべてのモデルをスティールの“ビーズ・オブ・ライス”ブレスレットと成形ラバーの両方で試す機会があったが、それらは美しく、その着用感は決して小さすぎるとは感じられなかった。どちらかといえば、明確にノンヴィンテージなサブ 200Tは、ドクサのデザイン言語に対するよりヴィンテージ風なアプローチのように感じられる(サブ 300は1967年のオリジナルサブ 300をほぼ完ぺきに再現しているにもかかわらずだ)。

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サンレイダイヤルのサブ 200T アクアマリン。

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サブ 200T ダイビングスターのアイコニックバージョン(左)とサブ 300 プロフェッショナル(右)

 確かにサブ 300や少し大きめのサブ 300Tよりはコンパクトだが、ケース幅に関しては4mmも小さいとは感じられない。その兄弟モデルと同様に、200Tは手首の低い位置に収まり、ケースの形状が時計を適切な位置へとキープしてくれる。私は長いあいだ、ドクサのブレスレットもラバーストラップも特に気にしていなかったが、どちらも200Tには快適にマッチしており、ブレスレットは手首の存在感に歓迎すべき重みを加えていると思う。個人的には、シャークメッシュタイプを選ぶだろう。

 また僕のように、アイコニック文字盤とサンレイ文字盤の争いに強い感情を持っている人でも、ブランドがクラシック(シャークハンター、プロ、シーランブラー、ダイビングスター、カリビアン)を提供し続ける一方で、商品の最終的な消費者に幅広い魅力と選択肢を提供するために事業を拡大しているため、必ずしも敗者がいるわけではない。個人的には、前回の記事で予想したとおり、ダイビングスターの明るく陽気な雰囲気に引かれずにはいられなかった。イエローは時計のダイヤルで正しく取り扱うのが難しい色だが、ドクサはアイコニックなダイヤルのダイビングスターでそれを見事に表現した。それとは対照的に、サンレイダイヤルのダイビングスターは私の好みに合わなかった。これこそ非常に多くのカラーバリエーションを持つことの価値である。(たとえシャークハンターを選んだとしても)誰もが楽しめるものがあるのだ。

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サブ 200T プロフェッショナル(アイコニックバージョン)。

 はっきり言って、僕はドクサの多くのモデルが好きだ。いくつか所有しているし、近い将来必ずサブ 200Tを手に入れるだろう。その理由のひとつはサイジングと豊富なカラーバリエーションだが、もうひとつ無視できないのは価格だ。ドクサは新しいサブ 200Tのラバーストラップモデルを1550ドル(日本円で約23万7500円)、SSモデルを1590ドル(日本円で約24万3600円)で発売した。これによりサブ 200Tは、300Tよりも約300ドル(日本円で約4万5900円)、サブ 300よりも約900ドル(日本円で約13万7900円)安く手に入れられ、本質的にはドクサの核となるルック&フィールの入門点となる。サブ 300のようなユニークなデザインにおいて、最も重要な競争相手はファミリー内で起こるものだ。それがサブ 200Tにも当てはまるため、これははっきり言っておくべきである。

 ドクサの中核モデルを小型化するというアイデア自体は目新しいものではないが(コララインなど過去のモデルをGoogleで検索してみて欲しい)、現代のドクサが需要(~39mmは、いまとてもホットだ)に応えようとする姿勢を示しており、比較的ずんぐりしたサブ 300Tに代わる、現代的かつ完全にアドベンチャーに対応した選択肢を提供しているからだ。

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サブ 200T シーエメラルド。

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サブ 200T シャークハンター(アイコニックだと思う)。

 下の写真にて、新しいサブ 200T(シルバーのシーランブラーモデル)と、すでに薄くて非常に着用しやすいサブ 300を直接比較している。確かにサブ Tのほうがより直接的な比較になるだろうが、ジュネーブで行ったミーティングのテーブルには300があったので、それにした。確かにケースは薄くなっているが、手首にしっかりとフィットするのに役立つボリュームを犠牲にすることなく、ラグトゥラグの距離がどれだけ短くなっているかがわかるだろう。

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サブ 300 プロフェッショナル(左)とサブ 200T シーランブラー(右)。

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サブ 300(上)とサブ 200T(下)。

 200Tと300Tで選ぶとしたら、考えるまでもない。200Tのほうが手首にフィットし、価格も安く、カラーバリエーションも豊富である。300と比べると価格差が大きい(前述した約900ドル)ためその点は少し厄介だが、サブ 300は、バブル風防をはじめとするデザインの細かな変更により、ヴィンテージ風の美学を備えてオリジナルのSub 300に近づけている。

 ドクサファミリー内での競争以外に目を向けよう。セイコーの最新ダイバーズであるSBDC197の17万6000円(税込)や、ドクサの美的感覚に似ている数少ない時計のひとつであるブローバ オーシャノグラファー GMT(僕が言及したのはこの時計のことだ)より、サブ 200Tのほうがわずか300ドル(日本円で約4万5900円)高いことを無視することはできない。17万6000円(税込)の時計からすれば、300ドル(日本円で約4万5900円)はそれなりの大金だが、ドクサのファンは純正サブを手に入れるために、はるかに高額な金額を支払うことに慣れており、また有名なスイス製自動巻きムーブメントも手に入る。

サブ 200T アクアマリン(サンレイダイヤル)。

サブ 200T ホワイトパールを着用。

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サブ 200T ダイビングスター(アイコニックバージョン)。

 この記事の冒頭で述べたように、200Tは微妙な進化のように見えるかもしれないが、ブランドにとっては大きな1歩でもある。商業製品の観点から見ると、今年発売された時計のなかで最も気に入ったものであり、最小限のハイプで発表され、すでに出荷されており、最高のひと夏(ドクサの夏)に間に合うようになっている。

詳しくはドクサ公式サイトにて。