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Hands-On ドクサ サブ 600Tで学ぶプロポーションとフィット感

この80年代のチャンキーなデザインは、現代の手首に合うだろうか?


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僕の個人的な時計に対する考え方では、ドクサほど尊敬し楽しめるブランドはほかにあまりないと思う。スキューバダイビングの黄金時代に生まれたレガシー、クストーにまつわるプライスレスな歴史、そして今日に至るまで真にユニークで限りなく楽しいデザイン言語を持っている。5000ドル以下の価格帯でドクサのようにヒットするものがないのは、奇抜なデザイン、鮮やかなカラー、難解な(まさに時代錯誤とすら言える)ダイビングに特化した機能を使い続けているおかげでもある。

Both a yellow and an orange Doxa 600T on a blue background.

 このブランドの最近の成功は、1967年に発表されたオリジナルデザインのSub 300のニューヴィンテージによるところが大きいが、昨年8月にはオーストラリアの時計ブログTime+Tideとのパートナーシップによるチタン製ダイビングウォッチ、サブ 600T パシフィック リミテッドエディションを発表し、さらに前進を遂げたと言える。そのときの取材では、このデザインをドクサの定番コレクションにしてほしいという願いで記事を締めくくった。

 昨年11月、ドクサはスティールケースの新型600Tの全コレクションを発表し、我々はその答えを得た。サブ 300 50周年記念モデルの長年の愛用者(というかマニア)としては、600Tは非常に有望に見えた。 この時計は独特の角ばった、かなり荒々しい外観と、2種類のベゼルオプション、オプションのブレスレット、そしてドクサの愛されるカラーバリエーションが組み合わされているのだ。

A dial macro of the 600T Professional.

 径40mm、厚さ14.5mm、ラグからラグまで47mmというサイズの600Tは、ドクサのいわゆる“オーブリー時代(1978年にドクサがオーブリー・フレール社に買収されたことに始まる、詳しくはコールのストーリーを参照)”に由来する角張ったデザインだ。手首につけた人は信じられないだろうが、600Tはドクサが現在生産している時計のなかで最も小さい時計のひとつだ。しかしここで問題なのは、ドクサを大きさだけで判断してはいけないということだ。僕の42.5mmのサブ 300 シーランブラーは大きさから想像されるよりもかなり小さく見えるが、600Tはその逆なのだ。

  ラバーストラップ、そして無垢のSSブレスレットから選べる600Tでは、サンドブラスト仕上げのSS、または光沢のあるセラミックのベゼルインサートも選択可能だ。SS製はオーブリー時代のデザインを踏襲しており、セラミック製はよりモダンな素材を使用することで洗練されたデザインとなっている。実際に手に取ってみると、どちらのインサートも素敵でどのダイヤルカラーが好きかによって選択は変わってくるかもしれない。最終的には、このふたつのどちらを選んでも間違いはないと思う。好きな方でいいのだ。

a portrait of the 600T professional on an orange rubber strap.
The Sub 600T Divingstar opn the author's wrist.
A lume shot of the 600T Professional.

 ドクサは親切にも両方のモデルサンプルを贈ってくれた。セラミックベゼルとオレンジラバーストラップのサブ 600T プロフェッショナルと、サンドブラスト仕上げのSSインサートにフルSSブレスレットのサブ 600T ダイビングスターだ。

 ブレスレットを装着した600Tの重量は181g、ラバーは156gだ。非常に頑丈な折り返しSSクラスプを含めた重さだ。防水性は600m(約2000ft)、風防はサファイアクリスタル、クローズドケースバックはSS製、リューズはねじ込み式、ラグは貫通ラグではなく、20mmのラグ間隔はほとんどのストラップに対応する(もちろん、NATOを装着するスペースも確保されている)。

The 600T divingstar on a blue background.

 プロフェッショナル(オレンジ)、シャークハンター(ブラック)、シーランブラー(シルバー)、カリビアン(ダークブルー)、アクアマリン(ライトブルー)、ダイビングスター(イエロー)のカラーバリエーションがあり、ベゼルインサートや4時位置のリューズのペイントロゴにはそれぞれのカラーアクセントがついている。さらにダイヤルに使用されているスーパールミノバ夜光はダイヤルカラーに最もマッチしたものを採用しており、プロフェッショナルには明るいグリーンに発光するC3、ダイビングスターには昼間は白く、暗いところでは青く光るBGW9と思われるものが使われている。夜光を重視するならば、C3が搭載されたダイヤルを選べば、より強い光が得られる。

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 計時はシンプルで信頼性が高いセリタのSW200が担い、このスイス製自動巻きムーブメントは2万8800振動/時で動き、約38時間のパワーリザーブ、クイックセットデイト、ハック機能、そして手巻き機能を備えている。確かに派手さはないが、この価格帯では現実的な選択だろう。SW200は信頼でき、簡単にメンテナンスができるムーブメントで、600Tによく似合っている。

The case back of the Doxa 600T.

 正直なところ、僕は600Tに非常に期待しており、ドクサが貸し出しの手配してくれなければ、現物を見ずに買っていたかもしれない。しかし残念ながら、結局600Tとは相性が悪かったと言わざるを得なかった。しかし、ドクサだけが悪いわけではないので、説明させてほしい。

 600Tとのいちばんの問題はそのプロポーションで、僕の手首にフィットしなかったのだ。まったくといっていいほど。ブレスレットのサイズを測ってみると、僕が今までつけた40mmの時計のなかで、600Tがいちばん大きいことがわかった。

The case profile of the 600T.

 僕の手首の場合、問題は大きさではなく(大きさの点では40mmが妥当)、14.5mmの厚みをどうするかにある。その大部分が時計の自然な側面の下に分厚いケースバックとして突出している。上の写真を見ていただければ、それがよくわかると思う。ケースの上部にあるのはベゼル(素敵で薄い)だ。そして、通常のケース側面(横から見たところ)があり、ラグの上まで伸びている。そしてその下には、さらに大きなケース部分とケースバックがあるのだ。

 このふたつの要素、すなわち側面下のケースの塊とケースバックが、600Tの最もずっしりとした部分を手首から高く持ち上げ、一体型のSSブレスレットをつけても、時計を非常に頭でっかちの、不安定なものにしているのだ。その結果、数字から想像するよりも重く厚く感じられ、手首に心地よくフィットしない時計になってしまった。僕はダイビングウォッチに厚みがあっても気にしないし、夏場はむしろその方がいいと思っているが、骨ばった7inch(約18cm)の手首には600Tはバランスが悪いように感じたのだ。

The wrist profile of the Doxa 600T.
Case and bracelet detail of the 600T.
The Doxa 600T divingstar on the author's wrist.

 今ごろ皆さんは、ラバーストラップなら600Tは僕でも大丈夫、そして皆さんも数ドル節約してラバーにするべきだ、と言うのを期待しているかもしれない。悲しいかな、今回の経験からすると、それはなかった。ブレスレットでバランスの問題があるなら、ラバーでもつけられないのは同じだと言わざるを得ない。

 ストラップやバックルの品質はすばらしく、この価格帯では期待以上だが、ラバーストラップを手首に快適に使用する方法を見つけることができなかった。締め付ける、緩める、完全に反転させる、などなど……まるでダメだった。手首が太い人なら問題ないと思うが、僕の手首にとって適切なサイズを選ぶと、時計が手首に平たく収まらず、ストラップが手首の骨に当たることがあった。ほかのドクサで同じようなストラップを使用しているが、この問題はない。ストラップと600Tケースの組み合わせ、特に600Tの短いラグからのストラップの角度、ストラップの厚さ、そしてかなり大きいクラスプが関係しているのだと思う。

The rubber strap of the Doxa 600T Professional.

 薄い2ピースストラップ(レザー、キャンバス、ラバーなど)にすると、600Tはより装着しやすくなるが、頭でっかちで不安定なつけ心地は解消されるというより、最小限にとどまる感じだ。同じように、NATOも使えるしなかなか快適だが、時計が手首からさらに浮いてしまう。僕が最もいいと思ったのはヒルシュの2ピースの薄いラバーで、これは600Tのデザインにも合っており、時計が手首により平らに収まるようになった。

 ファンキーなカラーや角ばったケースの形など、600Tの外観が本当に好きなだけに残念だ。僕はブレスレット、夜光、両方のベゼルのオプション、よく出来たリューズやリューズガード…など、そう、ブレスレットも気に入ったのだ。しかし、単にそれを僕の手首に合わせることができなかった。

The Doxa 600T Professional on the author's wrist.
The 600T Divingstar on a blue background.
Case edge detail of the 600T.

 もし、あなたもこの外観が好きで手首のサイズが大きいなら、600Tはドクサのプロプロフとして見るのがベストだと思う。ツール感あふれる、がっしりとしたユニークなデザインだ。ただ、あなたのコレクションにあるほかの40mmの時計と同じようにつけられるとは思わないで欲しい。自宅で僕の経験を再現したい場合は、カットしていないNATOストラップをセイコー SKX007をつけ、同様の、ただし明るいオレンジ色のダイヤルとより狭いケース幅で想像してみるといい。

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 手首の形は千差万別なので、ドクサにあまり非はないのだが。僕のサブ 300は僕の手首のために作られたような感じがするが、600Tはそうではなかった。それが人生というものだ。

A lume shot of both 600T glowing.

 時計に適した手首をお持ちの方(私よりも丸く、7inch以上の手首をお持ちの方)へ。600Tは、ラバーとSSベゼルの組み合わせが1450ドル(約16万7000円)、SSブレスレットとSSベゼルは1490ドル(約17万2000円)、ラバーとセラミックの組み合わせは1550ドル(約17万9000円)、そして最後にSSブレスレットとセラミックの組み合わせで1590ドル(約18万3000円)となっている。

 この価格帯では、ドクサのほかのモデル(サブ 200や300Tなど)、セイコー プロスペックスラインの大部分(手首の小さい、平らな方にはおすすめ)、セリカ 5303のような変わり種のオプション、現在復活したアクアスターのようなヴィンテージの復刻版、さらには間違いなくオリスのダイバーズ65(税込23万1000円から)なども検討すべきだろう。

The 600T Professional on a NATO on the author's wrist.

 強力な競合のなかでドクサを買うなら、僕はやはり心で買いたい。そして、もしちょうどいいものが見つかれば、それはダイバーズウォッチの世界のなかで特別な体験となる。600Tでそのような体験をしたかったのだが、ドクサの最新作は僕の腕に幸せな場所を見つけられなかった。でも、あまり悪く思わないでほしい。その分のお金は、サブ300 カーボンを買いたい衝動を抑えられなくなるまでしまっておく。あるいは600T ウルトラシンが出ることを願って。

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ドクサ サブ 600Tは、ブランドのサイトで販売されています。