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Introducing ジラール・ペルゴ キャスケット 2.0、サンローランとのコラボウォッチが登場

ふたつの世界をつなぐ新しいタイプのファッションウォッチが、話題を呼んでいる。

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我々が知っていること

サンローラン(Saint Laurent)とジラール・ペルゴ(Girard-Perregaux)が手を組み(正直、私が打ち込んだとは思えないフレーズだ)、キャスケットの新作が限定販売されることとなった。

 ジラール・ペルゴは、スイス時計製造の長い歴史を担うブランドである。このキャスケットは一般的な時計とは異なるものの、GPの伝統のなかで重要な役割を担う存在だ。その昔ジラール・ペルゴは、電子技術における革新者だった。遡ること1971年、ブランドはCal.GP-350を発表して大きな話題を呼ぶ。このクォーツムーブメントの水晶振動子の周波数が世界共通の標準振動数となるなど、その功績は極めて大きなものであった。

GP casquette 2.0 x SL

新作、ジラール・ペルゴ キャスケット 2.0 サンローラン01。

 そして、クォーツムーブメントであるCal.395を搭載した、ごく小さなLEDディスプレイを持つキャスケット(1976年から1978年にかけて製造)が登場。オリジナルのキャスケットはマクロロン(ブラックの複合素材)、ステンレススティール、ゴールドメッキの3種類で、合計で8200本しか生産されなかった。ボタンを押すと時・分が表示され、もう1度押すと曜日・日付に切り替わり、最後に秒が表れる。発売当初の売れ行きは好調であり、後年、レトロウォッチヘッズから高い人気を得るようになった。

 2022年、GPはさらに改良を加えたCal.GP-03980搭載のキャスケット 2.0を発表する。クオーツ式LED技術の“新旧交代”について考えるというのは、コンセプトとして古くささが感じられておもしろい。だが、キャスケットの魅力はその堂々としたレトロさにある。

 今回の新作は、サンローランのクリエイティブ・ディレクターであるアンソニー・ヴァカレロ(Anthony Vaccarello)がサンローラン リヴ・ドロワット(Saint Laurent Rive Droite)のために”リデザイン”したキャスケット 2.0の限定モデルだ。ブラックセラミックとブラックPVD加工を施したグレード5チタンが組み合わされ、ケースバックにはサンローランのシグネチャーが施されている。加えて、時・分・秒と曜日・月・年表示、クロノグラフ、第2時間帯、シークレットデイトを備える。

GP casquette 2.0 x SL casback
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我々の考え

アンソニー・ヴァカレロは、2016年からサンローランの指揮をとっている。イヴ・サンローランが本来持つ刺激的な要素とパリの洗練された雰囲気をミックスした彼のアプローチは、エロティックでありながら同時にエレガントなシルエットのレディースウェアや、中世的な感性を宿すメンズウェアを通して見ることが可能だ。彼は巨大でドラマティックなショルダー、ピタピタのペンシルスカート、そしてがっしりとした黒とメタリックのオーバーサイズジュエリーなど、際立った表現を好むタイプのデザイナーである。

 この時計は、なめらかなラインとクールなブラックの外装から、まさに建築的な印象を受ける。個人的には、ヴァカレロ率いるサンローランのあからさまにグラマラスでセクシーな世界観にどうフィットするのか、理解に苦しむところである。

GP casquette 2.0 x SL in box

 この時計は、リヴ・ドロワットに属するパリとロサンゼルスの2店舗(およびオンラインショップ)で限定販売される。イヴ・サンローラン リヴ・ゴーシュ(Yves Saint Laurent Rive Gauche)が1966年に発表したコンセプトは、右岸エリアの老舗メゾンに対して中指を立てるようなものであった。当時のイヴ・サンローランの使命は、大量生産された既製服でファッションを民主化することであった。リヴ・ドロワットでは、ヴァカレロがその逆を行っていることがわかる。しかし民主主義的な哲学を、従来のプレタポルテファッションの核から離れたアイテムやアイデアへとそのまま拡張してみせている。本、アート、アクセサリー、小物などを取りそろえ、より多くの人に楽しんでもらえるような枠組みを用意している。

 もしかしたら、GPがかつてサンローランが所属していたケリング・グループ(Kering Group)の一員だったこと、あるいはアンソニー・ヴァカレロがレトロな時計が好きなことと関係があるのかもしれない。この異色のコラボレーションの発端はともかく、キャスケットは最高にシックなデザインで、誰もがパリのスタイルを連想するファッションハウスによっていっそう洗練された顔立ちに仕上げられた。この時計がファッションとデザインに敏感な人の手首に収まっているさまは、容易に想像できる。おそらくこの人はいつも黒いサングラスとタートルネックのセーターを着ていて、コルビュジエの長椅子や床から天井までの本棚があり、玄関にはレイモンド・ペティボン(Raymond Pettibon)の作品が意図的に飾られた、大きな家具付きのロフトマンションに住んでいると私は想像している。

 キャスケットはクラシック志向の人にも、気の弱い人にもおすすめできない時計だ。これはデザイン主導の時計で、ブラックセラミックの巨大な塊であり、まるで銀河間をつなぐ連絡装置のようである。今回のリリースで、実際にどの程度の“リデザイン”が行われたのかはわからない。だが、ふたつの世界の融合が見られることを私は楽しみにしている。


基本情報

ブランド: ジラール・ペルゴ(Girard-Perregaux)
モデル名: キャスケット 2.0 サンローラン 01(Casquette 2.0 Saint Laurent 01)
型番: 39800-32-3102-6GX

直径: 42.40mm x 33.60mm
厚み: 14.64mm
ケース素材: ブラックセラミック、ブラックPVD加工が施されたチタン製GPロゴとプッシュボタン
文字盤: チューブラーLEDディスプレイ
防水性能: 50m
ストラップ/ブレスレット: ラバーを内貼りしたブラックセラミック、マイクロアジャストシステム付きフォールディングバックル

GP casquette 2.0 x SL profile

ムーブメント情報

キャリバー: GP3980-1474 (クォーツ)
機能: 時・分・秒、曜日・日付・月・年、クロノグラフ、第2時間帯、シークレットデイト
直径: 26.24mm x 27.60 mm
厚み: 6.40 mm
振動数: 3万2768振動/秒


価格 & 発売時期

価格: 6700ドル(約93万円)
発売時期: パリとロサンゼルスのサンローラン・リヴ・ドロワット ストア、およびサンローラン・リヴ・ドロワット公式オンラインストア(一部の国のみ)で限定販売
限定: 100本限定

詳しくは、こちらをご覧ください。