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Hands-On ハミルトン カーキ フィールドのブレスレット仕様 2021年新作

戦場でも、オフィスでも活躍するはずの1本。

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いつも聞かれる質問だ。「初めて機械式時計を買おうと思っているのですが、手頃な値段でおすすめのものはありますか?」私がいつも最初に言うのは、私の好きなものより自分の好きなものを買いなさいということだ。それでも、初めてのときは多少の方向性が必要な人もいる。その場合、私には数少ない選択肢があり、その中心にはハミルトン カーキ フィールド メカニカルがある。

 まず汎用性がある。耐久性もある。手頃な価格でいて、ハンサムだ。しかし過去には、この時計を購入することは、2つのうちの1つ(両方ではないにしても)を選択することを意味していた。単一のミリタリースタイル・ストラップを、レザーかナイロンで身に着ける。もしくは、より伝統的なストラップのオプションに投資する - つまりストラップを変える、だった。

 ある層にとっては(現在の会社を含む)、その全てが素晴らしいものに聞こえる。この時計は、軍用のストラップ構造を採用した歴史的に意義深いデザインを提供しており、それは純粋にクールだ。私にとっては、わざわざ着ける価値があるものだ。しかし初心者の多くは、日常的に着けたり外したりできる素敵なデイリー・ウォッチが欲しいものだと思う。カーキ フィールド メカニカルのブレスレットモデルは、まさにそれである。
 ブレスレットが追加されたことで、ヴィンテージ/ミリタリー調の外観に、突如3倍ほどの「日常の時計らしさ」が与えられた。毎日オフィスにNATOのストラップを着けていくのは難しいかもしれないが、このブレスレットは素晴らしく、ビジネスにも適しているので、パンツを履いて出勤するのが待ち遠しくなるほどだ。

 このカーキ フィールド メカニカルは2018年にリリースされたが、今流行りのオマージュ・ウォッチではない。むしろ、スイス時計が全盛になる前、ハミルトンが第二次世界大戦やベトナムで米軍に時計を供給し、アメリカ時計製造の真のアイコンだった時代から続く確固たる定番モデルなのだ。

 その核となるのは、常に「時を告げる」という一つのことを行うために設計されたフィールドウォッチであるという事実だ。それは今でも変わらない。このモデルには、今でも当時から変わらない38mmのスティール製ケースと、クローズドケースバック、ドリルラグ(ラグサイドの穴)、ハック機能、そして80時間のパワーリザーブを誇る手巻きのH-50ムーブメントが搭載されている。マットな文字盤(白または黒)の効果で、太いアラビア数字、ラッカーのようなサンドカラー(フォティーナ)に塗られたアロー型のハンド、その全てがこのブレスレットと見事にマッチしていると言いたい。

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 このブレスレット自体が特別なものではないのは認める。だがこれは、「全体は部分の総和よりも大きい」ということの実例だ。ブレスレットは、ケースと同じテクスチャーとダークな色調。クラスプは標準的なダブル・エンクロージャー構造で、ハミルトンの刻印が入っている。また、下方のラッチを外すと、ダイビングエクステンションのようなものが付いている。ある意味、全体がチタンのように見えるが、チタンではない。

 手にとってみると、かなりヴィンテージ感のあるブレスレットだ。業界用語では軽やかでジャラジャラした、といった感じだろう。リンクも流れるようにスムーズだ。自然に折りたたまれる様は、まるでジュビリーのような感じがする。いくつかのリンクの裏には、取り外し可能を示す矢印が刻印されている。文字盤からケース、ブレスレット、クラスプまで、全てがマットだ。そして、無骨でツールっぽいデザインでありながら、驚くほどに薄い。 

 時計は身に着けるものだが、これはそれだけでなく、外すのが嫌になる時計(もちろん、比喩的に)でもある。ハミルトン カーキ フィールド メカニカルは、ブレスレットで装着することにより、ミリタリー調のフィールドウォッチから、時計界でも絶対的なベスト・バリューのデイリーウォッチへと変身するのだ。

ハミルトン カーキ フィールド メカニカル:SS製ケース、50m防水、38mm×9.5mm、エングレービングの施されたソリッドバック。ブラック/ホワイトのダイヤルオプション、アラビア数字とスーパールミノバ。ムーブメント、H-50手巻きムーブメント(ETA 2801-2ベース)、パワーリザーブ80時間。ラグ幅20mm、SS製ブレスレット。価格 7万円(税抜)。

その他、詳細はハミルトン公式サイトへ。

Photographs by カシア・ミルトン