Introducing IWC　パイロット・ウォッチ・タイムゾーナー・クロノグラフ「80イヤーズ フライト トゥ ニューヨーク」

1939年7月、フランスで建造された航空機の中でも当時最大の大きさを誇った機体が飛び立った。ラテコエール521はニューヨークを目指し、初の大西洋横断飛行に挑んだのである。搭乗していた乗客の中には、「星の王子さま」の作者であるアントワーヌ・ド・サン＝テグジュペリの姿があり、彼が後に、あの有名な児童文学を書いた場所はニューヨークであった。
　IWCが80イヤーズ・タイムゾーナー・クロノグラフ・エディションを発売したのは、サン＝テグジュペリがパイロットしてだけではなく、作家としても成功を収めるための道を開くことになった、この大西洋横断飛行に敬意を表してのことなのだ。

　大西洋横断には28時間27分かかり、その間にはいくつものタイムゾーンを超える。サン＝テグジュペリに敬意を表したこの腕時計は当然、タイムゾーナーのプラットフォームに基づいて作られている。自社製自動巻きキャリバー89760が使用されており、パワーリザーブは68時間。ベゼルは茶色のセラミックで出来ており、文字盤ともよくマッチしている。文字盤の6時位置にはアントワーヌ・ド・サン＝テグジュペリのサインから取られた「A」が印字され、また他にも彼の旅路について表すために、ベゼル上のニューヨークとパリは赤で表示されている。本機のサイズはアントワーヌ・ド・サン＝テグジュペリの伝説的な偉業にふさわしく、大きなSSケースで46mm径、高さ16.8mmとなっています。

　ケースの裏蓋には、図案化されたラテコエール521が躍動感溢れて描かれる。80本の限定生産であり、また長年にわたりIWCが作り出してきた「星の王子さま」の腕時計と同様、この売上の一部はアントワーヌ・ド・サンテグジュペリ・ユース財団へと寄付される。

　IWCのクリエイティブ・ディレクターであるクリスチャン・ヌープとの会話で、私は飛行艇、もっと具体的にいえばラテコエール521の特徴を掴み、それを腕時計サイズへと移すためにどのようなプロセスをたどるのかと尋ねた。時計業界の常套手段は、例えば飛行機の一部を時計の構造に使ったり、コックピット内部からフォントを取って文字盤に用いたりする。
　しかし、今回いかにしてありふれた判断を避けて、あのとても壮大なものを腕時計のビジュアルへと落とし込んだのか。実のところ、私はこのことについてあまりにも文字通りに考えすぎていた。ヌープは別の見方をしており、ラテコエール521のようなものをタイムゾーナー・クロノグラフのスペシャル・エディションへと結びつけるためのシンスピレーションは視覚的な刺激ではなく、むしろ背景に共通するイデオロギーだと言うのだ。
　つまり、これら2つの機械は作られた当時の技術の限界を押し広げていた、と考えたわけだ。視覚的なデザインを、あるものから別のものへと移したのではなく、技術と美しさを融合させたのである。

　そして彼のやり方は的を射ていた。この腕時計は機能面でも興味深い点があり、とても印象に残るものだ。ベゼルを押し込み回転させることで（都市名が記された）タイムゾーンを循環させることが可能。長針はカチリと音を鳴らしながら各都市名を通り過ぎるたびにジャンプし、日付も日付変更線を通ると回転する。
　ベゼルはムーブメントとつながっているにもかかわらず、本機は6気圧の十分な防水性を確保している。最新技術を詰め込んだ耐水ケースには、どこか飛行機を似た感じを覚えてしまう。

ブランド：IWC
モデル名：パイロット・ウォッチ・タイムゾーナー・クロノグラフ「80イヤーズ フライト トゥ ニューヨーク」（Pilot's Watch Timezoner Chronograph Edition '80 Years Flight To New York'）
型番： IW395003
直径：46mm
厚さ：16.8mm
ケース素材：ステンレススティール
文字盤色：ダークブラウン
インデックス：アラビア数字
夜光：あり
防水性能：60ｍ
ストラップ/ブレスレット：ブラウンカーフレザーストラップ、ラグ幅22m

キャリバー：IWC キャリバー 89760
機構：時、分、秒表示、日付表示、 IWC特許取得のタイムゾーナー機能、クロノグラフ、12時位置に同軸上に組み合わせたアワー・カウンターとミニッツ・カウンター、フライバック機能
パワーリザーブ：68時間
巻き上げ方式：自動巻き
振動数：4Hz（2万8800振動/時）
石数：39

価格：151万5000円（税抜）
販売時期：発売中
限定：80本