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Introducing ジャガー・ルクルト マスター・コントロール・メモボックス・タイマーとマスター・コントロール メモボックス

ジャガー・ルクルトを代表するモデルに最新作が登場!

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アラームの複雑機構は、時計学において最も古いものの一つであることは、何度かお伝えしている。実際、非常に初期の機械式クロックは、文字盤をもたず、ゴングやチャイムを鳴らして時刻を知らせていたのではないかと言われている(頻繁に引用される初期の例は、毎日の祈りの時間を気にする必要があった修道院で使われていた。時計として正しく鳴らなかった場合、そのコミュニティ全体が、神によって悪い信仰者としてさらされる恐れがあっただろう)。反対に言えば、13世紀と14世紀の最初に誰が何をしていたのか、実際には誰も知らないのではないだろうか。これらの取り組みの正確な記録に関する問題は、1300年代の黒死病の流行によって悪化したのだ。しかし、現存する文献がこの主張を支持しているように見受けられるため、それ以来我々は、これを信じるほかなかった。

 つまり何が言いたいのかというと、これは、1950年代初頭に最初のジャガー・ルクルト・メモボックスが登場したとき、それは非常に長い伝統の一部であると同時に、1947年のクリケットを含む、初期の腕時計アラーム付き複雑機構の一部であったということだ。初代メモボックスには2つのリューズがあり、1つは時刻設定用、もう1つはアラーム機構の設定用だ。チャイムは大きくて鋭いブザー音で、アラームとして非常に効果的だった(これを聴いたことがないという方は、ヴィンテージでもモダンウォッチでも一聴の価値がある。音の強さは驚くべきもので、もし飛行機でそれが作動した場合あなたの近くに座っている人はもちろん、多くの人が目を覚ますほどだ)。

 少し前にジャガー・ルクルトのCEOカトリーヌ・レニエ氏と、今年の同社の抱負について話し合う機会があった。彼女はインタビューの冒頭で、今年は音をテーマに、深く掘り下げていくと述べていた。そして今、2020年新作として2種類のメモボックスが発表された。いずれもマスター・コントロールコレクションに内包されるものであり、どちらも Cal.965のアップデート版を搭載している。さらに限定モデルは、JLCとしては珍しいカウントダウンタイマーを備えている。

新たな、ジャガー・ルクルト メモボックス・タイマー。

 マスター・コントロール・メモボックス・タイマーは、40mm x 12.39mmのステンレス製で、250本限定だ(カウントダウンタイマー付きのアラームウォッチはかなりニッチかつ複雑であり、防水性能を真っ先にテストするべき時計かもしれない)。この時計は、ぜひとも手にとって見てみたいと思うような時計だ。私は数十年前にプレス画像に騙されて失望したことがあるが、これはそういう類の時計ではない。複数レイヤーの文字盤とカウントダウンタイマー内部の目盛りが、周囲のブルーと非常に対照的で本当に素晴らしい外観をしている。おかしな例えかもしれないが、私には軍の勲章のようにも見える。時間を守るために意図された時計としては悪いことではないだろう。私の頭の中の純粋主義者が、時計には日付窓が無いほうがいいと心の奥底で主張している。しかしそんな考えは反則だと言っていいほど説得力はない。それに正直言って、その時計の存在意義が、時間を厳守するためである作品にとって、日付表示というものは、装飾以上のものだ。つまり中核となる機能の自然な延長線上にあるものなのだ。

 時計の基本的な考え方はシンプルさそのものだ。アラームは従来の(メモボックスの)方法で設定ができるし、中央のカウントダウン・タイマー・スケールを使用してタイマーが作動するまでの時間と分数を設定することも可能だ。フライトを逃さないように通常のアラームを設定したり、会議の終了時間を自分と部屋にいる他の全員に知らせるために、カウントダウンタイマーを使用することもできる(私が何年も前に時計収集を初めたとき、古い学校で生涯にわたって非常に誠実で紳士的なヨガの実践者にお会いしたことがある。彼は瞑想の時間を計るために使う懐中時計として、非常に印象的なコレクションを持っていた。私も同じようなことをしたかもしれない)。

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 新作のマスター・コントロール・メモボックス・タイマーと新型のマスター・コントロール メモボックスはどちらも、新バージョンのCal.956を搭載している。以前のメモボックスでは、メカニズムは多かれ少なかれケースバックの後ろに隠されていた。これはアラームの増幅システムとしても機能していたのだ。956の新バージョンには、見栄えの良い新しいゴールドローターをもつ。アラーム用のゴングは、以前はケースの裏側に取り付けられていたが、956の新バージョンでは異なるアプローチが取られている。マスターシリーズの中でも非常に複雑なモデル―マスター・グランド・トラディション・グランド・コンプリケーションなど―で採用されているものと似た方法で、ケースの内側に直接はんだ付けされているのfs(もちろん後者のモデルでは、クリスタルに直接溶接されているものの、基本的な考え方は同じだ)。

 ジャガー・ルクルトのプレスリリースによると、新バージョンのムーブメントは、初期のメモボックスが備えていた「スクールベル」と呼ばれるアラーム音を維持しているといい、本質的に変わらない音を聞けるのは嬉しいことだ。

 発売時の価格は168万円(税抜)、つまりオーナーが起こされるフライトはおそらくビジネスクラスであると意味している。とはいえ、最近は昔に比べてこの手のことは分からなくなってきているかもしれない。

 新しいマスター・コントロール メモボックスのもう1つのモデルは...そう、マスター・コントロール メモボックスだ。非常に興味深いのは、ムーブメントが前を向いているのに対して、再設計されたケースと文字盤は過去に立ち返っているという点だ。具体的には、1950年代の初代モデルを彷彿とさせるのだ。以前のマスター・コントロール・メモボックスと比較するとケースはより優雅になり、いい意味での堅苦しさをやや失っているものの、針、文字盤、アラームの表示は、20世紀半ばのオリジナルモデルの明瞭さとシンプルさを全てキープしているのだ。

 124 万8000円(税抜)という価格は、前モデルよりも少し値上がりをしているものの、細部に至るまで洗練された印象に昇華されているように思える(結局のところCal.956の新しい改良版が手に入るのだ)。ジャガー・ルクルトは、デザインをかなりスマートに更新したと私は思う。レニエ氏が言及した新しいケースデザインは、実際にはマスター・グランド・トラディション・グランド・コンプリケーションで最初に試したものであり、現在のアラームウォッチの希少性を考えさせる。多くの場合、コンプリケーションは他のコンプリケーションを生む。有用で興味深い複雑機構に入るための、視覚的に魅力的な方法を表しているのだ。さらに、この時計はスイスで最も評判の良い時計メーカーの1つが作ったものであり、70年以上アラームウォッチに関わっており信頼性も高い。

 レベルソは、ジャガー・ルクルトの不変のアイコンかもしれない。そしてポラリスは近年、商業的に同社を牽引する主要なエンジンの1つだ(構成的に言えば、独自の歴史と遺産を持つ時計コレクションであるが)。しかし、メモボックスはいつも私の心の中で特別な場所に位置づけられる。アラームウォッチは、安らかな眠りから目覚めさせてくれると同時に、これからの冒険を約束してくれる時計なのだ。

ジャガー・ルクルト マスター・コントロール・メモボックス・タイマー: ケース、40mm x 12.39mmのSS製、5気圧防水、ケースの表裏にサファイア風防。ムーブメント 自社製Cal.956、45時間パワーリザーブ、アラームとカウントダウンタイマー。ツートンのブルーのサンレイダイヤル。世界限定250本。価格 168万円(税抜)
本機の詳細は、ジャガー・ルクルトの公式サイトへ。

ジャガー・ルクルト マスター・コントロール メモボックス: ケース、40mm x 12.39mm、5気圧防水、ケースの表裏にサファイア風防。ムーブメント 自社製Cal.956(カウントダウンタイマーの無いバージョン)、45時間パワーリザーブ。シルバーのサンレイダイヤル。通常モデル。マスター・コントロールコレクションの全ては、ジャガー・ルクルト公式サイトへ。