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SIHHで初対面し、2月のマイアミのWatches & Wondersでこのクラシカルなレベルソと二度目の遭遇を果たした。しかしながら、我々のチームが二度も魅了されたこの美しい時計が、SIHH特集から漏れてしまっていた。
厳密にいうともう新作とはいえないが、今回紹介するこのレベルソは私のお気に入りである。なぜなら、文字盤とカーサ・ファリアーノ社製のストラップが醸し出すこのバーガンディ色を見れば自明だろう。カーサ・ファリアーノ製ストラップとダイヤルカラーとをマッチさせたモデルでブルーのバリエーションは昨年既に発売されているが、今私の目に留まるのはこのバーガンディモデルだけだ。
HODINKEEの読者ならお伝えするまでもないが、トリビュートはレベルソのラインナップの中で最もクラシカルに洗練されたモデルだ。1931年、イギリス領インドでポロ選手のために作られたこのレクタンギュラー反転式腕時計はいま、ドレスウォッチとしてみなされることが多いが、誕生当時から現在に至って、デザインがほとんど変わらないスポーツウォッチ起源のひとつとも呼ぶべき時計となっている。
レベルソ トリビュート スモールセコンドは薄くエレガントで、サイズは縦長45.6mm x 横幅27.4mm だ。厚さはわずか8.6mm ――驚くべき薄さである。特にケースがシンプルというには程遠く、以下に特別な動作ができることを鑑みていただきたい。
回転式の構造は、前面または背面を見せることができる。回転してもムーブメントは見えないが、その代わりに一点の曇りもないステンレススティール面が目の前に広がる。当初のアイデアは、飛んでくるボールやマレットからガラス面を守るためのデザインだったが、最近ではレベルソをドレスウォッチとして着ける方がほとんどだろう。よってこの大きな金属面には新たな役割が生まれた。例えば新品のレベルソに刻印を入れることは卒業や結婚など人生の節目を記念する素晴らしい方法であり、私の周りにもそのようにして自らのレベルソを楽しむ人物がたくさんいた。
中には円形ムーブメントのJLCキャリバー822/2を搭載。同社の時計に長期にわたり採用され、ル・サンティエで自社製造されている、純粋な手巻きムーブメントである。3Hz(2万1600振動/時)の振動を刻み、豊かな色合いの文字盤上に手作業で取り付けられたマーカーとドフィーヌ型の針により時、分、サブセコンドが示される。
そしてもちろん、ストラップも一級品だ。カーサ・ファリアーノは世界最高級のポロ・乗馬用ブーツを作るアルゼンチンのブーツメーカーであり、高級な質感を持つと同時にスポーティ感も兼備し、ヨーロッパの伝統的ストラップメーカーのそれとはひと味違ったものである。異なった専門分野を持つ会社による製作であるという点もまた魅力のひとつであり、カーサ・ファリアーノのブーツに親しんでいる人は、世界的に有名な同社のブーツのステッチやデザイン、仕上げとの共通点をすぐに見出すだろう。私が自分のレベルソを買うなら、カーサ・ファリアーノ製のストラップであることが必須である。
公式サイトを見れば、ラインナップに何十個ものレベルソがあることが分かる。そして過去7〜8年間で、ブランドが最も象徴的なモデルのいくつかにカーサ・ファリアーノ製のストラップを合わせてきた。この小さな試みを繰り返し行ってきたことで、既存モデルの中に美しく、そして知っておくべき時計が生まれたのだと思う。
レベルソ トリビュート スモールセコンドの価格は80万8000円(税抜)
詳細はジャガー・ルクルト公式サイトへ。
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