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Introducing ポルシェデザイン オンラインウォッチコンフィギュレーターで提供される新しいカスタムメイドウォッチ

911愛好家が愛車を手首に乗せるチャンスが訪れた。

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デザインスタジオでのフェルディナンド・アレクサンダー・ポルシェ(以降、F.A.ポルシェ)。

ポルシェデザインは当初、ポルシェのデザインスタジオとして同社を去ったF.A.ポルシェによって1972年に設立された。“ブッツィ”の愛称で呼ばれた彼は、会社を去った後に作った時計ではなく、911のデザインで最も有名だ。彼がデザインした腕時計は、911が自動車のデザインに与えた影響ほど、時計の世界に深く忘れがたい足跡を残してはいないが、時計デザインの歴史の中でも重要な役割を果たしており、その多くは紛れもなく有名な自動車と同じようにひと目で分かるほど認知されている。ポルシェデザインによる最初の時計は、同社が誕生した最初の年に作られたオールブラックのクロノグラフだったが、今日においてもこの時計は非常に現代的なルックスをしている。非常に進歩的であり、他の多くの時計、多くの会社がこの時計に倣った。

ポルシェデザインのオールブラッククロノグラフ、1972年。

 ポルシェデザインは、自動車メーカーとデザインスタジオの連携を強化し、911オーナーに911と腕時計との間に強い体験的なつながりを提供することを目的として、オンラインカーコンフィギュレーターのシステムを使ったカスタム時計プログラムを開始した(様々な選択肢を組み合わせることで、自分だけの製品を選定できるシステム。車業界ではよく用いられている)。つまり、一般的なデザインのDNAとして、ユーザーの911と結び付くというだけでなく、911のもつ多くの外見的特徴と直接マッチした時計を手に入れることができるということだ。 

  興味深いことに、ポルシェデザインはウォッチコンフィギュレーターの初公開に際し、1種類のクロノグラフモデルに限定しているが、この決定は可能なバリエーションの数を見れば容易に理解できるだろう。時計のほぼすべてのパーツをカスタム仕上げやカスタムカラーでオーダーすることができる。このプロセスはケースの仕上げを選択することから始まる。初めはガラスビーズブラストチタンかPVDブラックの2つの選択肢しかないが、どちらかを選択すると、コンフィギュレーターシステムが数十種類、数千種類の異なる設定を生成し始める。

 ポルシェデザインでは、自動車のコンフィギュレーターを用いた経験を可能な限り反映させて、時計のコンフィギュレーターを作ることを考えたという。これは言うまでもないことだが、911には非常に多くの選択肢が存在する。911のコンフィギュレーターには、パフォーマンスオプションからインテリアにエクステリア、リム、カスタムバルブチューブなどの細部に至るまであらゆるものが含まれている。(もしあなたが911コンフィギュレーターを使ったことがない場合、午後の時間を過ごすためのとても楽しい方法ではあるが、非常に高くつく可能性もある。例えば、コックピットのブラッシュドアルミニウムのために1200ドル? の追加料金を払えってか!)さらに、時計のコンフィギュレーターを使用することで、車をどうするか決めるのと同じように、間違いなく膨大な数の選択肢を得ることができ、そして911のエクステリアやインテリアにマッチした時計を作り出すことが可能だ。

 ポルシェデザインスタジオによれば、可能性のある全ての組み合わせを考慮すると150万通りのバージョンがあるという(ストラップだけでも300種類ほどのバリエーションがある)。この時計の最もカスタマイズ可能な部分の一つは、実は裏蓋からの眺めだ。ここでは、911のために用意されている数多くのリムをベースにした、様々な形状のワインディングローターを選択することができ、視覚的に車と明確にリンクした眺めを提供する(現在車で利用可能な5つのリムは、全てローターにも適合している)。

 基本的なケース形状は既存のクロノタイマーを踏襲したもので、現在ポルシェデザインの腕時計のラインナップの中では、より伝統的なケース形状の1つとなっている。直径42mm、5気圧(50m)防水で、全体的に滑らかな形状をもち、ややバイオモルフィックな(生物の形態に似た)雰囲気を醸し出しており、ポルシェデザインの角張ったモデルよりも、911とのデザイン言語と直接的なつながりを感じさせ、あらゆる点でF.A.ポルシェのビジョンである目的をもったデザインに沿ったケースとデザインとなっている。技術的には3レジスターのクロノグラフだが、9時位置のスモールセコンドインダイヤルは控えめであるため、2レジスターのように感じられる(これは時間を秒単位の精度で知るのに十分な読みやすさをもっている)。 

 ムーブメント、正確に言えば、ポルシェデザインのWERK 01.100;これはCOSC認定の自動巻きクロノグラフで、48時間のパワーリザーブを備えている。基本的なムーブメントの構造はETAの7750と明らかに類似しているが、いくつかの重要な違いがある。 

 このウォッチ・コンフィギュレーターの導入にあたっては、時計業界では珍しいサプライチェーンを採用している。一部のパーツをサプライヤーに注文し、他のパーツは自社で製造(メーカーがどちらに比重を大きく置いているかは、ブランドによってかなり異なる)、その後は大体同じような製造工程に沿って、1ヵ所で時計を組み立てるのが一般的だが、新しいカスタムウォッチの場合、ポルシェデザインはサプライヤーとの間で必要に応じて、それぞれの時計に必要な部品を調達。一度、時計のデザインが完成すると、そのデザインには固有の識別番号が付与される。この番号は、どのポルシェディーラーでも受け取ることができ、様々な部品の注文はポルシェデザインからサプライヤーに送られる。全工程には8~12週間かかるが、希望すれば、新しい911の購入と同時に新しい時計を受け取ることも可能だ。 

 ウォッチ・コンフィギュレーターの背後にある全体のコンセプトは、車の美学を可能な限り時計の中に再現すること。ポルシェデザインでは、そのためにペイント、レザー、ステッチなど自動車のそれと密接に対応するように、かなり入念な努力を重ねている。レザーストラップのステッチに使用されている糸は、車のインテリアに使用されているものと同じものを採用。車と時計のカラーマッチングは、それぞれ技術的な条件が異なり、素材によって色の見え方が異なるため、簡単な作業ではなかったようだ。車と同じ塗料を時計に使用しただけでは満足のいく結果が得られず、新たな塗料の開発が必要となった。
 また、ストラップは3本まで追加注文でき、ストラップやブレスレットはプッシュボタンで簡単に交換できるクイックチェンジストラップシステムを採用しているため、素早く簡単に交換することができる。 

 価格は6000ドル(約65万円)からで、選択したオプションと内容に応じて1万2500ドル(約134万円)まで上がる。現在のところ、このオンラインウォッチ・コンフィギュレーターはドイツ語のみの対応で、まだ全世界に展開されていないが、今年の9月にはアメリカでのデビューが予定されている。 

 詳細はPorsche-Design.comへ。