Introducing オメガ　シーマスター 300にセラミックベゼルを備えた75周年記念モデルが登場

　オリジナルのシーマスター ダイバーのデザインバリエーションは、オメガが既存のシーマスター 300シリーズを大幅に手を加えた2021年まで戻る。サンドイッチダイヤルにアルミニウム製ベゼルの復活、シンプルなダイヤルレイアウトなど、オマージュを捧げると同時に全体的な外観は新鮮なアイデアでもあった。以前、A Week On The Wrist記事のためにSS製のブルーダイヤルモデルをつけて過ごしたが、そのときはヴィンテージ風デザインを凝縮したものだと感じた。要はよくできた時計だと思ったのだ。

　そしてシーマスターの全ラインナップのなかでも、ブルーダイヤルのバリエーションの人気がかなり先行した。そのため75周年というお祭りにこれが含まれていても何ら不思議はないのだが、しかしこの特別版にはかなり驚かされた部分もある。

　ひとつめはグラデーションダイヤルだ。ブルーグラデーションが必ずしもオールドスクールとは限らないが、ヴィンテージの魅力を滲み出すことを目的としたこの時計において、目を細めて眺めれば、日焼けによる色あせだと装うことはできるだろう（まあできるだろうが私はやらない）。

　次にブルーのセラミック製ベゼルインサートの採用だ。このモデルは、75周年記念モデルのSMP300Mで採用されたブルーエナメルとよく似たダイビングスケールを備えている。通常生産バージョンであるアルミニウム製ベゼルのシーマスターと区別しているのがよくわかる。しかしセラミックまたはリキッドメタルの技術は、シーマスター 300コレクションですでに前例があり、このベゼルの使用は“これは特別なものだ”という考えを強く印象づけている。

　裏蓋は今日発表されたほかの時計と同様、ポセイドンのエングレービングが施されたもので閉じられている。このエングレービングは時計に感情的な重みを与え、本物の時計マニアが時々眺めたくなるようなものだと感じる。時計を腕から外してじっと見つめる口実があればなんでもいいだろう？

　文字盤はサンドイッチスタイルを継承しているが、フォティーナ（夜光塗料の変色を人工的に再現したもの）は見当たらない。その代わり、夜光部分は太いアロー針とロリポップ秒針の先端に合わせた青色で統一されている。またブレスレットは美麗なサテン仕上げとポリッシュ仕上げをキープ。ヴィンテージ風にインスパイアされた300mダイバーズは、現代的なモデルへと生まれ変わった。

　全体的にベゼルインサートを含むブルーの色合いは淡く、今回のリリース全体的なテーマにもうまく反映されている。今日発表された各シーマスターは、その防水性能に対応したブルーのスライディング式スケールによって色分けされているようだ。

　この新しいシーマスター 300を現行モデルと並べて見比べるのもきっとおもしろいだろう。個人的には、ブロンズゴールドやSSのバリエーションと並ぶほどの、素晴らしい仲間だと思っている。サマーブルーをまとったシーマスター 300は、METAS認定の最高水準を誇るオメガ コーアクシャル マスター クロノメーターCal.8912を搭載し、価格は106万7000円（税込）で販売される。

オメガ　シーマスター 300。直径41mm、厚さ13.9mm、ステンレススティールケース、300m防水。三叉槍を持つポセイドンがエングレービングされた裏蓋。グラデーションブルーのサンドイッチダイヤル。セラミックベゼル。オメガ コーアクシャル マスター クロノメーターCal.8912、約60時間パワーリザーブ、コーアクシャル エスケープメント、METAS認定のマスター クロノメーター、1万5000ガウス以上の耐磁性能。ステンレススティールブレスレット（コンフォートセッティング付きフォールディングクラスプ）。価格は106万7000円（税込）。