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Introducing オリス ビッグクラウン キャリバー473、新しい自社製ムーブメントと馴染みのあるパッケージで登場

オリスが9年間で10個目に開発した自社製キャリバーを搭載し、38mmのしっかりとした時計に仕上がっている。

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我々が思うこと

1938年に発表されたオリス ビッグクラウン ポインターデイトは、シンプルで無駄のないデザインで、身につけやすく、小学校の黒板を思わせる白いアラビア数字の視認性の高い時計だ。最大の特徴は、特許を取得した視認性の高いポインターデイト(このモデルでは赤だが、オレンジや黒のモデルもある。例えば、ロベルト・クレメンテ リミテッドエディションではピッツバーグ・パイレーツへのオマージュとしてポインターがゴールドになっていた)。オリスは高品質でありながらリーズナブルな価格で知られているが、このポインターデイト表示は実質がスタイルとなるオリスの真骨頂のようなものだ。

Oris Big Crown 473

 ビッグクラウンという名は、パイロットが手袋をしたままでも簡単に操作できるように、市販薬のアドビルやザナックスと同じくらいの大きなリューズを備えていることから付けられた(ところで、時計産業がパイロットのことを考えるのと同じくらい、他の業界のことも考えてほしいと思う人はいるだろうか? 例えば500本のパイロットウォッチに1本でもライターズ(物書き向けの)ウォッチがあるといいのだけど。奇数のインデックスにはスナック、偶数のインデックスには昼寝と書かせるとか?)。

 最近の歴史(1950年代から2000年代)では、オリスはビッグクラウンにセリタ社やETA社のムーブメントを搭載していた。2014年、オリスはブランドの魅力と誠実さを守るため、10年がかりで自社製ムーブメントの製造に着手したのだ。

Vintage Oris

この時計が若かりし頃の姿はこんな感じだった。

 ビッグクラウン キャリバー473は、この9年間で10個目のムーブメントとなる。最初のCal.110は、主にプロパイロットコレクションのようなモデルで見られ、またいくつかのアートリエコレクションでも見ることができる。オリス初の自社製スケルトンムーブメントであるCal.115は2019年に登場し、彼らはまだそれを製造しており、あなたが手に入れることを祈っている。2020年にオリスはこのシリーズ初の自動巻きCal.400を発表し、アクイスラインはこれを最初に搭載するモデルとなった。

 そして2021年、オリスは同じく自動巻きの403ムーブメントを搭載したビッグクラウン ポインターデイトを作った。時間はかかったが、このオリスのアイコンに、ついに初のビッグボーイムーブメントが搭載されたのだ。それはとてもエキサイティングなことだった(詳細は記事「オリス ビッグクラウン ポインターデイト キャリバー403」参照)。このCal.473は、その時計に非常に近いモデルである。

Oris 403

 サイズも38mmで、6時位置のスモールセコンドダイヤル、サテン仕上げのステンレススティール製のなだらかなラグ、ペンシル針が特徴だ。インデックスは403と同じフォントで、これまでのモデルとは異なる。また、ポインターデイトの伝統であるフルーテッドベゼルはなく、スムースベゼルが採用されている。共通点は、どちらの文字盤もブルーで、赤いポインターがついていることだが、473のブルーは403のものとは全く異なる色合いとなっている。このモデルには、時計とムーブメントの10年保証つき。10年間メンテナンス不要というわけだ。

 違いを紹介しよう。手巻きのためローターがなく、サファイアケースバックの下に5日間のパワーリザーブインジケーターが確認できる。403はブラックのレザーストラップだが、こちらはダスキーブラウンのディアスキン(鹿革)だ。ダークブルーのダイヤルにはブラック、明るいブルーにはタンがよく似合うため、見た目的にも理にかなっている。また、このモデルはオリスにとって初めてとなる複雑なクラスプを採用している。

我々が思うこと

クラスプから始めるのは変だと思われるかもしれないが、私はHODINKEEマガジン Vol.11でバタフライクラスプについて記事を書いたという意味で、その専門家だと自負している。マガジンでも述べたが、バタフライクラスプは留め具や調整が難しくかさばる傾向があり、一般的には最悪だという苦言を呈したのだが、オリスのこれについては非常に優れていることを認めざるを得ない。

 レザーは丈夫だが厚すぎないため、金具のなかで簡単に動く。摩擦で動くため、穴が開くこともない。私の手首は16.5cmなのだが、ぴったりとフィットし、端の革の余分なループはしっかりとストラップのあまりを遊革に留めることができた。あまりが多すぎる時計もあるが、この時計はそうではないのでありがたい。

Oris buckle

 ライトブルーのラッカー文字盤にホワイトのアラビア数字を配したこのモデルは、パステル調でもパウダー調でもない、まさに鋼のような質感をもつライトブルーダイヤルだ。

 38mmと控えめなサイズのため、手首の小さい方にも適しているが、個人的には手首の上で少し高さがでるように感じた。とはいえ、私は最近ブルガリのオクト フィニッシモをつけているため、この時計が厚すぎると判断するのは、ゴアテックスのレインコートに慣れた後にワックスキャンバス生地のものを見て判断しているようなものかもしれない。オリスはスリムでシックであるために作られたのではなく、堅実で信頼できるものとして作られたのだ。

 時計に携わる人間である私たちは、多くの人がオリスを見て、なぜこの人はタイメックスを買わなかったのだろうと思うことを忘れているような気がする。オリスが好きな人もいれば、つまらないと思っている人もいて、オルビス(アヒルのアイコンでよく知られるアウトドアウェアのカタログ)と混同している人もいるのは、この時計がそういうことなのだろう。オリスの長所は短所でもある。パッと見ただけでは、この時計が特別なものだとはわかりにくいのだ。この時計が特別なものであることを知るには、よく観察する必要がある。

 今までオリスを手にとったことがなかった私は、この文章を始め、この特別な時計やオリスについて読み、UPSの配達員が雨のなか実際の時計を持って私の家のドアまで来るのを待ちながら、この時計は見た目は良いけれど、コネチカットからずっと一人で歩いてきても丈夫そうだと思った。63万8000円(税込)の価値は頑丈で信頼できるものがどのように見えるか、ワクワクしていた。無理に人の目を引こうとしたり、いろいろな仕掛けを施したりしていない、間近で見る時計はどんな感じなんだろう? 手にしたとき、腕にはめたとき、どんな感じなのかだろうかと。

Oris watch

 手にしてわかった答えは3つ。「ベリーグッド」だ。ダイヤルのブルーとストラップのタンが絶妙にマッチしており、どちらもホワイトの数字の色とシンプルさが合っている。リューズと文字盤にオリスと書かれているので、バックルのオリスはなくてもよかったかもしれないけれど、別に気にならない程度だ。ストラップの端にあるオフホワイトのステッチの「V」と、その裏側にある鹿革を調達しているチェルボ ヴォランテ社(Cervo Volante)のロゴであるクワガタがエンボス加工されているのも気に入った。

 ムーブメントは非常に静かで、巻くときもスムーズ。やり方が悪いのかと思ったが、パワーリザーブ計を見ると、いや、確かに時計学校で2回も言われた通り、ゼンマイにエネルギーをしっかりと伝達していた。

back of watch

 パワーリザーブの青い針は、時計のほかの部分が戦車のように感じられるほど繊細で、きれいにメッキされた巨大なラザニアに添えられた花のような印象を受けた。 確かに男性的な雰囲気がある。女性だけのピラティスマットクラスにこの時計をつけて行ったのだが、“ハンドレッド”(インナーマッスルを鍛えるエキササイズ)をしているのではなく、巨大なタラの口から針を外しているような気分になった。

 明らかに、オリスは高価なムーブメントを搭載した時計と、かなり同一の時計(ETAやセリタのムーブメントを搭載したビッグクラウン ポインターデイトが税込みで25万3000円で手に入る)を安価なムーブメントで展開しているという意味で、ここで両者の口を開いているようなものだ。私はこの件についてどう考えていいのかわからないが、幸いにもそれは問題ではない。なぜなら、彼らは自社製ムーブメントを作り続けるために量産型ムーブメントの時計を十分に売るつもりなのか、そうでないのかのどちらかだからだ。

 どちらの時計もリーズナブルだしバリューがあると思う。スーパーで買ったタイメックスを「派手なのはいらないからいいや」と思っている友人には、新しい方をプレゼントしたいと思う。この美しいソフトストラップ、完璧な色合いのブルーダイヤル、そしてクールなパワーリザーブ表示を2時間ほど見せてから、彼からこの時計を奪い取り、タイメックスを返して、オリスを返してとせがむ彼を無視するのだ。

 これはオリスの歴史の中でも特別なもので、63万8000円(税込)であなたのものにすることができる。その約半額もあれば、オリスの歴史に残る特別な一本をあなたの腕につけることだってできるのである。それは本当にあなた次第なのだ。結局のところ、あなたがそのファンシーな新型ムーブメントにいくら払えるかは、あなたと神様とオリスだけが知っているのだから。


基本情報

ブランド: オリス(Oris)
モデル名: ビッグブラウン キャリバー473(Big Crown Calibre 473)
型番: 473 7786 4065-07 5 19 22FC

直径: 38mm
厚さ: 12.7 mm
ケース素材: ステンレススチール、ケースバックにサファイアガラス
文字盤色: ブルー
夜光: インデックスと針にスーパールミノバ
防水性能: 5気圧
ストラップ/ブレスレット: オリーブブラウンのストラップは持続可能な方法で調達されたディアスキン(鹿革)を使用、オリスが開発した微調整可能なステンレススティール製バタフライクラスプつき

Oris movement

ムーブメント情報

キャリバー: オリス Cal.473(Oris Calibre 473)
機能: センター時分針、日付針、6時位置にスモールセコンド、裏面に120時間パワーリザーブインジケーター、ファインチューニングデバイス、ストップセコンド、ブリッジ側にパワーリザーブ表示
パワーリザーブ: 120時間
巻き上げ方式: 手巻き


価格 & 発売時期

価格:  63万8000円(税込)
発売時期: 2023年1月
限定: なし

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