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Hands-On パテック フィリップ 5270P サーモンダイヤル

ブランドの主力モデルの1つが、ヴィンテージモデルからインスピレーションを受けてアップデート。

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バーゼルワールド2018の開幕以前から、パテック フィリップが既存のRef.5270 パーペチュアル カレンダー クロノグラフのコレクションに新しいモデルを追加するという噂を耳にしていました。そう、サーモンダイヤルの5270Pです。その時計の詳細が分かってからすぐ、ベン(・クライマー)が本機について、特定のダイヤルの色合いなどを含めすべての概要をお伝えしました。しかし、当時、僕らはまだ実機を見ていなかったので、それを念頭に置き、数週間かけて、ショーで最も話題になったこの時計についてさらに感想を付け加えることを決めました。

 基本的には、これまで僕たちが話してきた5270と同じです。ポリッシュされた明るいプラチナケースは、直径41mm、厚さ12.4mmです。ケースに関しては、サイズは違うかもしれませんが、すべてがとても伝統的なものであり、ラグには僕が結構気に入っている独特のファセットモチーフがあります。この時計には、プラチナのパテック製フォールディングバックルが付いた茶色のアリゲータストラップが付いています。ここまでは、それほど驚くものはありませんね。

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 このムーブメントもおそらく今となっては、お馴染みのもの。Cal. CH 29-535 PS Qは、クロノグラフとデイ/ナイトインジケーター、うるう年インジケーター、ムーンフェイズを備えた永久カレンダーを組み合わせたものです。非常に伝統的な方法を採用した素晴らしい仕上げが特徴です。ダトグラフで見られるものほどすぐに目を引くわけではないかもしれませんが、エレガントで申し分ありません。このムーブメント(パテックが真の意味で初めて自社開発したキャリバー)で僕が気に入っている点は、クロノグラフのレジスターで、余分な針で表示するのではなく、デイ/ナイトとうるう年を2つのウィンドウを使用している点です。この方法でなければ、確かにダイヤルは多少スッキリするかもしれませんが、読みやすさが妨げられてしまいます。

 5270がプラチナで作られるのはこれが初めてですが、実際ここで注目すべきは、やはりダイヤルです。薄いメタリックのサーモンカラーで、インデックスは、10時から2時までは従来通りのアラビア数字、それ以外はマーカーが採用されています。すべてのインデックスはソフトなブラックで、針もこれと同じ色。このポイントは、僕のお気に入りの一つです。ヴィンテージからのインスピレーションや先例があるにもかかわらず、時計全体がとてもモダンにまとまっています。また、ダイヤルの一番下に「顎」がなく、タキメータートラックが日付数字の周りに沿って配されているのに気づくでしょう。代わりに、Ref.5970でそうだったように、数字がトラックに食い込んでいます。

 ベンは最初にあげた記事で、5270はかつてサーモンダイヤルで作られたことがあると言っていましたが、これはホワイトゴールドモデル(5270G)で、2015年にロンドンでのパテック フィリップのウォッチアート・グランド・エキシビションを記念して限定数が生産されたものです。アーメド・ラーマン氏(Ahmed Rahman)とのTalking Watchesでそれを確認できます。また、ダイヤルは、ここに見られるブラックのアラビア数字と針の代わりに、バーインデックスとホワイトゴールドの針を使用していました。余談ですが、他にも新しい5270である5270/1Rがあります。ローズゴールドで、ブラックのダイヤルとローズゴールドのブレスレットを採用しているものです。これら2つのモデルは現在製造されている唯一のものであり、他のモデル(ホワイトゴールド製、ブレスレットではないローズゴールド製)は製造中止になっているようです。

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 身に着けてみると、5270はこのサイズにしてはとてもよくフィットすると認めざるを得ません。これは間違いなくパテック フィリップとしては大きな時計ですが、カーブしたラグはまさにぴったりで、ケースの手首への座りも非常によく考えられています。僕は日頃から5270を手首から外して見るとダサいのではと思っていますが、でもストラップを閉じた瞬間、多くの人がこの時計を愛している理由を感じるのです。毎日着ける時計としては僕にはやはり大きすぎますが、それは個人的な好みの問題でしょう。PTケースとサーモンダイヤルのコントラストは、時計を着けるとさらに強くなり、僕もハマってしまいました。

 正直言うと、僕は5270の大ファンというわけではありません。僕にとっては、2017年のパテックのパーペチュアルカレンダー クロノグラフの足下にも及ばないのです。そして、ここで奇妙なノスタルジーを感じる人を演じているわけでもありません。僕にはデザインがあまりしっくりこないし、サイズが大きくなったのは奔放な感じがするし、ディテールは扱いにくい感じがするのです。このモデルから「顎」が無くなってくれて本当に良かったと思います。さもなければ、僕はこの記事を書いてさえいなかったかもしれないからです。

 色々と言いましたが、5270のバリエーションの中では、この時計が断然お気に入りではあります。ダイヤルカラーは素晴らしく、ブラックのアラビア数字と針が選択されたことで、1段上のレベルに進んだと思うのです。僕はいつもこの時計がRef. 3970のようなものであったら良かったのにと思ってはいますが、全体としては、パテック フィリップは既存の時計を再び新しく特別なものに感じさせ、いい仕事をしたと思います。

 パテック フィリップのサーモンダイヤルのRef.5270Pは限定版ではありませんが、入手は困難でしょう。価格は2038万円(税抜)で、既に発売中です。詳しくはパテック フィリップ公式サイトへ。