昨日、オメガはマイアミで、シーマスター プラネットオーシャン ウルトラディープ、カラーバリエーション豊富なふたつのアクアテラシリーズ、そして新世代のスピードマスター'57を含む新作モデルの数々を発表。今後それらすべて(とそれ以上)のハンズオン記事をお届けする予定だが、まずは新作のなかで僕のお気に入りをご紹介したいと思う。それは、スピードマスター ムーンウォッチ ムーンシャイン™ ゴールドだ。
前回、2019年の春にマイアミに行ったとき、オメガは独自の18Kイエローゴールド合金であるムーンシャイン™ゴールドを採用した初のスピードマスターを披露してくれた。それはアポロ11号50周年へのトリビュートとして、信じられないほどクールなものだった。そして、スピーディファンならお気づきだろうが、それ以来、オメガはコアなスティール製ムーンウォッチラインをCal.3861スピードマスター プロフェッショナルでアップデートしてきたのだ。
この時計は、前述のスピードマスターの系譜を受け継ぐふたつのステップを組み合わせたものだ。その結果、フル・ムーンシャインゴールドの3861スピードマスターは、セドナゴールドやカノープスゴールドのスピードマスターと並んで、現行モデルの仲間入りを果たした。貴金属製のスピードマスターのなかでは、個人的に最も好きなモデルだ。
ブランド独自の合金をご存じない方のために簡単にご説明しよう。ムーンシャイン™ゴールドとは、オメガが開発し、従来の18Kイエローゴールドに代わるより高性能な合金として2019年に発表されたものだ。金、銀、銅、パラジウムを混ぜ合わせており、一般的な合金よりもややクールで独特な色合いを持ち、その組成によって金属の色や輝きが時間の経過とともに褪せるのを防いでくれる。
スピードマスター ムーンウォッチ ムーンシャイン™ゴールドは、ふたつのダイヤルバリエーションと、同素材のゴールドブレスレットまたは美しいラバーストラップが用意されている(僕は勝手にムーンシャインスピードマスターと呼ぶことにした)。ムーンシャイン™ゴールドダイヤルには、ブラックのサブダイヤルとアクセント、それにブラックセラミックベゼルが備えられており、もう一方のPVD グリーンダイヤルモデルにはゴールドアクセント、グリーンセラミックベゼルが採用されている。
貴金属製のスポーツウォッチといえば、僕はイエローゴールドが好きだ。スピードマスターはあまり好みではないが、ゴールドとなると話は別だ。スティール製のスピードマスターも素晴らしい時計だと思うが、僕にとってはゴールドの方がより特別で珍しく、そして身につけるのが楽しい時計なのだ。
ムーンシャインスピードマスターは、定評ある3861モデルと同様に直径42mm、厚さ13.18mm、ラグからラグの全長は47.5mmとなっている。METAS認定を受けた手巻きのコーアクシャル マスター クロノメーターキャリバーを搭載。振動数は3Hz、50時間のパワーリザーブを備え、過去の3861スピードマスターに見られるような技術仕様となっている。これはスピードマスターの多くのモデルに共通することだが、ムーンシャインスピードマスターは、両面にサファイアディスプレイを備えている。
このふたつの新モデルのうち、もし自分がどちらを選ぶかという素敵な苦境に立たされたらと妄想してみたが、正直なところまだ迷っている。パンダモデルは、ブラックとゴールドのカラーリングがクラシックで、ラバーストラップでもブレスレットでも同じように使えると思う。一方のグリーンはとてもリッチな濃い色合いで、このふたつであればより特別で特徴的なものだと思わせてくれる。もし、あなたがどちらかを選ぶとしたらどれにするか、ぜひコメント欄でその理由も教えて欲しい。
ブレスレットとラバーストラップについて言えば、もしあなたがこの金無垢スピーディーを所有するなら、両方手に入れることをおすすめする。ブレスレットはとにかく素晴らしい。サテン仕上げが全体に施され、丸みを帯びたリンクの薄いブレスレットは、20mmのラグから15mmのクラスプに向かってテーパーがかかっている。クラスプは特に分厚いものではない。ありがたいことに2ポジション(2.3mm)で調整を可能としたオメガ独自のプッシュボタン式エクステンションが備わっている。
ラバーは薄く柔らかく、一番細い部分は16mmまでテーパーがついていて、ムーンシャイン™ゴールドのフォールディングクラスプに流れるように装着される。ラバーストラップの端が尾錠の下に入るようになっており、とても快適なつけ心地だ。ストラップの内側には、月面着陸地を連想させる月面のような装飾が施され、ムーンウォッチの楽しみを演出している。
それ以外にこの時計で特筆すべきことは? あとは、この記事の写真にまかせようと思う。なぜなら、このムーンシャイン™ゴールドは、スティールに比べて実用的なメリットのない審美的な処理が施されているからだ。すべては見た目と、それが何を感じさせるかが重要なのである。カラフルな街並みのマイアミで発表されたこのムーンシャインスピーディーは、とても素晴らしい出来映えだ。
335万5000円のラバーモデルから465万3000円のフルゴールドモデルまで、これは間違いなくハートで決めるスポーツウォッチだ(それにかなりの大金も必要だ。価格はすべて税込)。ここ数日、さまざまなオメガを見てきたが、このペアは本当に、その......輝きを放っている。
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