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Introducing ローマン・ゴティエ インサイトマイクロローター・スケルトン

独立系時計ブランドの自社製自動巻きムーブメントが、スケルトン加工されたチタン製になった。

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クイック解説

 創業15年目を迎え、多くの人が手仕上げの代名詞的存在とみなしてきた時計ブランドが、これまで発表した時計の中でも最も手仕上げにこだわった作品を生み出した。この時計は、ローマン・ゴティエがインサイトマイクロローターをスケルトン化したもので、手作業で丹念に仕上げられたナチュラルチタン製のムーブメントを搭載している。本モデルには、スイス本国の工房への直接オーダーでのみ手に入れることのできる42mmのカーボニウムケースのモデルや、スイス本国の工房と世界の正規販売店でオーダーできる貴金属やチタン素材を採用した39.5mmモデルが用意される。

 念の為、カーボニウムが何なのか気になっている方(私もそうだった)のためにご説明しよう。このマニュファクチュール限定版の素材は、ローマン・ゴティエがフランスのラヴォワジエール コンポジット(Lavoisier Composites)社から調達している航空宇宙グレードのカーボンファイバーから作られた、カーボンコンポジット(炭素繊維強化炭素複合材)である。航空宇宙産業から調達したエポキシ樹脂とカーボンファイバーを、機械加工可能なブロックに再生し、圧縮成形プロセスを使用して作られている。チタンよりも剛性が高いうえ2倍の軽さを実現しているが、最適な結果を得るためにはより大きなサイズのケースを作る必要があった。

ローマン・ゴティエ インサイト・マイクロローター・スケルトン

 インサイトマイクロローターは、ローマン・ゴティエの時計コレクションにおける柱の一つであり、他にはロジカル・ワン、プレスティージ HM、プレスティージ HMSがある。同社は、このスケルトンモデルのプラットフォームには、インサイトマイクロローターを選んだのだ。

“私の最初のムーブメントであるプレスティージ HM/HMSをスケルトン化した場合、手首の肌ばかりが見えてしまう大きな隙間があるでしょうが、これは理想的ではありません。私のロジカル・ワンのオープン・アーキテクチャは、それをさらに広げたとしても、機械部分をさらに見せられるとは限らないことを意味します。しかし、インサイトマイクロローターにおいてはスケルトン化に最適なのです”

– ローマン・ゴティエ

 彼がこれを選んだのは、これまでに作ってきたムーブメントの中で最高の選択肢だと思ったからであり、簡単にできるからというわけではない。そしてそれは実際に簡単なことではなかった。多くの高級時計と同様に、インサイトマイクロローターの地板と受けは真鍮製だ。しかし、このムーブメントのスケルトン・バージョンを作るために真鍮を使用したのでは、十分な強度の部品を作ることができなかったかもしれない。チタンを使用することでムーブメントの強度を保証しつつ、ムーブメントの重量をわずか15.95gに抑えている。しかし、その分部品の加工に手間と時間がかかるうえ、仕上げの工程においても同様であることは言うまでもない。

ローマン・ゴティエのインサイト・マイクロローター

 ローマン・ゴティエの面取りの専門家は、各ムーブメントのチタン製の受けと地板の角を切り落として面を作る工程、面に丸みをもたせる工程、手作業による磨きに250時間を要し、その他の様々な装飾を含めると、1つのムーブメントにつき約350時間の仕上げ作業を必要とした。この作業が硬い素材で行われているからといって、従来の真鍮製のムーブメントと比較しても、その仕上がりに遜色はない。

プラチナ製のインサイト・マイクロローター・スケルトン。

ローマン・ゴティエが特別注文で製作したプラチナ製のインサイトマイクロローター・スケルトン。

レッドゴールド製のインサイト・マイクロローター・スケルトンのスペシャルオーダーピース

レッドゴールド製モデル。インサイトマイクロローター・スケルトンのスペシャルオーダーピースは、18KRG、18KWG、プラチナ、ナチュラルチタン、またはブラックチタンのいずれかから選ぶことができる。

 顧客が希望すれば、受けの面取りをマット仕上げにすることも可能だ。これにより、手仕上げのポリッシュがなくなるが、他の工程は依然として存在する。下記の写真のムーブメントの内側の角の数を数えてみると、この面取りの手仕上げがいかに大変な作業であるかがお分かりいただけるだろう。下のプラチナ製モデルには手作業のポリッシュが施されているが、レッドゴールド製モデルには手作業のポリッシュが施されていない。

プラチナ製のインサイト・マイクロローター・スケルトンの裏側
レッドゴールド製のインサイト・マイクロローター・スケルトンのスペシャルオーダーピースの裏側
ファースト・インプレッション
インサイト・マイクロローターのムーブメント

 あなたの好みがクラシックで控えめな傾向だとしても、これらの時計には多くの魅力がある。手作業で磨き上げられたムーブメントの面取りが250時間を必要とすることは、それ自体が感動的だ。仮に8時間連続で休憩なしで作業し、週末も作業すると仮定すると、座ったまま1ヵ月以上続くことになる。 チタン製ムーブメントという選択は、ローマン・ゴティエや彼の仕上げチームにとって容易なことではないのだ。

 高額という面だけで言えば買うのが難しいが、もし買えるチャンスがあるならば、39.5mmのモデルを選ぶだろう。確かに、カーボニウムモデルはそれ自体が非常に興味深く、印象的だ。彼らは50mの防水性能を、二重構造のケースによって提供しているわけではない。その代わりに、ラヴォワジエール コンポジット社製ケースの内側にある、微細な孔に樹脂を注入して防水性を確保しているのだ。私の好みとしては確かに少し大きめなのだが、この苦労して完成されたスケルトンムーブメントが、40mmをきるパッケージに収められているというアイデアを愛さずにはいられないのである。

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基本情報

ブランド: ローマン・ゴティエ(Romain Gauthier)
モデル名: インサイトマイクロローター・スケルトン(Insight Micro-Rotor Squelette)

直径: カーボニウムモデル: 42mm / 18KRG、18KWG、プラチナ、ナチュラルチタン、ブラックチタンモデル: 39.5mm
厚さ: 12.9mm
 

ケース素材: カーボニウム、18KRG、18KWG、プラチナ950、ナチュラルチタン、ブラックチタン
文字盤: マニュファクチュール限定カーボニウムモデル: カーボニウム製時分針とスモールセコンド(モノブロック)。マット仕上げスティール製スケルトン時分針。マット仕上げスティール製のスモールセコンド針。針と文字盤のアクセントカラーはカスタマイズ可能。
18KRG、18KWG、プラチナ、ナチュラルチタン、ブラックチタンモデル: グランフーエナメル文字盤、スケルトン化された時分針。スモールセコンド針。文字盤の仕上げ、針の素材、針の色、文字盤のインデックスはカスタマイズ可能。
 

防水性能: 50m
ストラップ/ブレスレット: カーボニウムモデルは、カーボニウム製ピンバックル付ナチュラルラバーストラップ(カラーはカスタマイズ可能)。18KRG、18KWG、プラチナ、ナチュラルチタン、ブラックチタンモデル: ナチュラルラバーストラップまたはスイス製ハンドステッチストラップ(カラーカスタマイズも可能)。ピンバックルまたはオプションでフォールディングバックル。プラチナケースには18KWGバックルが付属。


ムーブメント情報

キャリバー: Insight Micro-Rotor Squelette
機能: オフセンターの時針、分針、スモールセコンド
直径: 32.1mm
厚さ: 6.8mm
パワーリザーブ: 80時間
巻き上げ方式: 自動巻き、22Kゴールドのマイクロローター
振動数: 2万8800振動/時
石数: 33


価格&発売時期

掲載モデルの価格: カーボニウムモデル: Price on request、プラチナモデル(面取り、ポリッシュ仕上げ):2050万円〜 / 18KRGモデル(面取り、マット仕上げ):1370万円〜 (全て税抜価格)

ローマン・ゴティエ正規販売店: タカシマヤ ウオッチメゾン 東京・日本橋 : 〒103-0027 東京都中央区日本橋3-1-8 TEL 03-3211-4111 営業時間10:00〜19:30
カミネ 旧居留地店: 〒650-0036 神戸市中央区播磨町49旧居留地平和ビル1 TEL 078-325-0088

詳細は、ローマン・ゴティエ公式サイトへ。